3節目
「ロッソの奴、凄い便利な物を教えてくれたな。今度はこっちから会いに行ってみるかな」
「便利、どころか凄すぎて私は何が何やら……グラマトンの力にはただ驚くばかりです」
貝紫は友人であるロッソと簡単に連絡が出来るようになったことに嬉しくてすぐに慣れたが、シノーメはまだ自分が見た物が信じられないといった様子だった。遠くの相手と話が出来る手段があることにとても驚いているようだった。
「そっか、この世界にはスマホとかないもんな。でもよく考えたら空間が繋がったりするってやっぱりグラマトンは凄い力なんだな」
こうしてすぐに何でも受け入れられるのは漫画やアニメといったフィクションのお陰かもしれないと貝紫は思った。自分が新しく見つけたグラマトンもどんな力があるのか気になってくる。もしかしたらワープとかできるようになるかもしれない。
「聖域の森で見つけたグラマトンの力もこの場で使って確認してみようか?」
「これ以上の超常的な力を見たら流石に冷静でいられる自信がありません。ちょっと時間をください」
シノーメが懇願するように言う。これまでも魔法やグラマトンの力を何度も経験してるのに、動揺するシノーメの姿が意外でなんだか不思議だなと貝紫は思った。
グラマトンの言葉は見ただけではおおよその意味と読み方しか分からない。初めて使った時は本能的に、今ここで使うべきだと閃く様に唱える言葉が出てくる。まるで誰かに選ばされたかのような感じだ。もしかしたら、この世界スプリジョンを創った聖主と呼ばれる神が教えてくれているのかもしれない。
「どんな力があるのか、早く試したいな!」
「私的には、何事もなく事が進んでくれた方が嬉しいですね」
「例え問題が起きても、グラマトンの力があれば怖いものなしさ!」
元気に跳ね回るように貝紫は先を急ぐ。友人であるロッソの元気な姿を見て、自分も負けてられないとやる気が出てきた。
「きっとアロンズ永世王もグラマトンの凄さが分かれば、俺の話も聞いてくれるはずだよな!」
自分の方からロッソに連絡する時は、諸侯同盟を説得して争いをやめさせる算段が出来た時にして、彼を驚かせてやろうと貝紫は思った。




