表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
美少年の声は世界を救うようです  作者: 八田D子
諸侯同盟の前奏曲
59/114

3節目

 イリンカ南の森へは徒歩でもすぐについた。

「あそこが騎士たちの駐屯地のようです。侯爵からいただいた書簡もあるし、すぐに受け入れてくれるでしょう」

 遠目に見える駐屯地では侯爵の部下であろう兵たちが何人か見える。その内の馬に乗っていた騎士らしき兵がこちらに気づくと、馬を駆けて向かってくる。

「おや、既に我々が来ることが伝わっていたかな?」

 しかし、何か様子がおかしい。近づいてくる騎士はさらに馬のスピードを上げて向かってくる。

「主、私から離れて!」

 シノーメが横に飛び出すと、馬に乗った騎士は彼に向かって剣を抜いた。明らかにシノーメの事を狙っている。その殺意に気が付いたシノーメが、盾で振り下ろされた剣を受け流しながら飛び退く。

「ちょっと待ってくれ! 俺たちは敵じゃなくて……」

 貝紫が慌てて書簡を取り出そうとするが、向こうはそれよりも早く馬から飛び降りてシノーメに剣を振り下ろす。今度は盾で受け止めるとシノーメと兵は膠着状態になった。

「何故私に殺気を向ける?」

「己のした事を忘れたわけではあるまいシノーメ・セヴァン」

 相手の声を聞いた瞬間、シノーメは驚いて後ろに飛び退いた。相手の騎士が兜を脱ぐと、貝紫は攻撃してきた人物が女性であることに気が付いた。

「この恥さらしめ、よくのうのうと私の前に姿を晒すことが出来たな」

 女性騎士は剣をシノーメに向けながらじりじりと近づく。その二人の間に貝紫が割って入り、侯爵からの書簡を彼女の前にかざす。

「待ってくれ! 俺たちは森にいる魔物退治をゼンカー侯爵から引き受けて来た! 悪者でも何でもない!」

「主……離れて下さい危険です」

「主? 今はその少年相手に主従ごっこでもしているのか?」

 女性騎士は二人を見比べると鼻で笑った。

「ごっこなんかじゃない! 大体あんたは何者なんだ? シノーメの事を知ってるみたいに……!」

「そいつから何も聞いてないのか? 私の名前はルーシー・セヴァン」

 女性騎士はシノーメと同じ姓名を名乗った。彼女の名前を聞いて貝紫もはっと気づく。

「戦から逃げたセヴァン家の恥さらし、シノーメ・セヴァンの妹だ」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ