8節目
グラマトン使い……達だって? それはどういう事だ!?」
「我々もただ手をこまねいているわけではないとだけ言っておきましょう。アナタにはもはや関係ない事、会見はこれで終わりにしましょう」
「待て!」
「御使い殿は、この大聖堂で大人しく寛いで貰いましょうか」
貝紫が疑問を聞く間もなく、再び6つのレースの幕が下りる。聖教国との交渉は失敗した。シノーメに会うべく貝紫も部屋を出ようとする。
「開かない!」
何時の間にかカギが締められていて閉じ込められた。
「ロッソ、力を借りるぜ」
扉から少し距離を取って、深呼吸して精神を集中させる。
「ヴォイ・ド ア コルダー! (我は 力で 打ち負かす)」
グラマトンを唱えると発した音が衝撃波になる。門のように頑丈そうな扉だったが、その下部を簡単に吹っ飛ばした。その威力に、放った張本人である貝紫自身が驚いた。
「これはもう少し加減しなきゃな」
部屋の外に出てシノーメを探すべく大聖堂内を駆ける。彼は何処に連れていかれたのだろう。そう考えていると二人の兵士が向こうから顔を見せた。二人は手にした武器を構えて、貝紫に敵意を向ける。
「どうか落ち着かれよ御使い殿」
「あなたのおためのお部屋があります。そこへ案内しますので、どうか我々についてきてください」
言葉とは裏腹にじりじりと武器を構えて近づいてくる。力づくでも拘束するつもりなのだろう。相手はただの人間。魔物と違い人間にグラマトンを向けるのは少々抵抗がある。
「邪魔するなら、容赦しないぞ」
動きを止めるグラマトンを使おうと息を吸い始めた所で、兵士の背後から腕が伸び両者の頭をぶつけ合わせあっという間に気絶させる。
「シノーメ!」
「見つかってよかった主。聖堂内がにわかに騒ぎ出したことに気づいて、すぐにこちらへ向かってきたのです」
「ごめん、せっかく教皇たちに会ったのに交渉失敗しちゃった……」
「いいのです、他の方法を考えましょう。それよりまずはここを出ましょう」
シノーメが先陣を切って貝紫はその後をついていき、大聖堂を脱出するべく駆けだした。




