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美少年の声は世界を救うようです  作者: 八田D子
魔狼の序曲
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2節目

「あの、この場所って何という土地なんでしょうか……?」

「何じゃ、名も知らんのにここへやってきたのか?」

「ええ、その、はい……」

 草木をかき分けてずんずん進んでいく男についていきながら、自分がいる場所の名前を聞いてみる。

先ほどのワーグと言う獣や男の身なりを見て、貝紫はここが日本ではないと薄々気づいていた。

「ここはナーミナの森。そして……あそこに見えるのがわしの住んでいるミッカジ村じゃよ」

 見晴らしのいい場所に出ると、目の前に森や山に囲まれた世界が広がっていた。男の指さした先には

小さな集落があった。見たことのない景色と聞いたことのない土地や人の名前、

貝紫は自分が日本とは異なる異世界にいるのだと理解した。

「そして、わしは狩人のムーク。お貴族様の名は?」

「へ、あっ、名前は松下……貝紫です」

 まだ名乗っていないことに気づいて、慌てて名乗る。ミドルネームのヨハンは父親が付けたけれど、

余り気に入っていないのとややこしくなりそうなので言わなかった。

「マツシタカイシ? 聞いたことない名じゃの。この辺のお貴族様じゃあないのか?」

「はい、何というか……貴族じゃなくてただの迷子です」

「という事は身寄りがないのか。いくら戦争と言え可哀そうにのぉ……村に連れて行ってやるから、わしの家でまずは何か食べさせてやろう」

 何か盛大に勘違いされたみたいだが、日本から一人この世界に飛ばされたのなら身寄りがないのは

あながち間違いではない。最初に出会ったのがこのムークと言う男の人で良かったと貝紫はほっとした。

 彼の村についたらもっとこの世界について聞きたいことが山ほどあった。さっきのワーグという獣、

そしてムークが言った戦争という言葉の事を……。

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