表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
美少年の声は世界を救うようです  作者: 八田D子
終曲
114/114

閉幕

「それじゃあ、あの冒険はやっぱり夢じゃなかったわけだ」

「他の人に言っても絶対信じないだろうし、僕たちだけの秘密だね~」

 病院を退院した後、早速ロッソとフランツの2人と会った。話をしてみるとやはり、彼らもスプリジョンの事をおぼえていて、あの冒険が夢でなかった事が分かった。

「結局、僕らが戻った後のスプリジョンは無事なのかな」

「あの世界の神様、聖主だっけ? そいつがもういいと思ったんだから俺たちもこっちの世界に返されたんだろうさ。だから向こうの世界もきっと無事だよ」

「まだまだあの世界でやりたいことがあったけれど、役目を終えたらはいさようならっていい加減だよね~」

 確かにスプリジョンではまだやりたいことがたくさんあった。行ったことの無い場所、まだ会った事のない人々、不思議な力や景色。スプリジョンにはそういう物がたくさんあった。もし叶うならもう一度あの世界に行ってみたい。

「そういえば一度試してみたんだけどさ。やっぱりグラマトンはこっちの世界じゃ使えなかったぜ」

 頼みのグラマトンもやはりこちらの世界では使う事は出来ないようだった。あの能力があれば、まだ可能性はあったかもしれないのに。

「でも、もしまた何かあったら次も僕たちがスプリジョンに呼ばれるのかな~」

「その時はまたこの俺が大活躍して、次こそみんなに救世主として崇められたいな!」

 次の可能性……フランツの言う通りそんな奇蹟がきっとあるかもしれない。もしかしたら、またあの異世界に行くことができるかもしれない。その時は、まずシノーメにまた会いたい。そしてムークお爺さんにも。今まで会ってきた人たちにお礼を言って回りたかった。それからまだ言っていないスプリジョンの未知の場所へ旅をしたい。

「ヴォイ・ド マス(主よ 再び)」

 思わずグラマトンを唱えていた。空間を越えて繋げる力を持つ言葉だ。

「だからカイ、グラマトンはこっちじゃ使えなかったんだって、さっき言っただろ?」

「分かってるよ。懐かしくて思わず声に出しちゃっただけさ」

 その時、パリンとガラスが割れる様な音が聞こえた。音のした方へふり向くと空間にひびが入っていて、はじける様に穴が開いた。その空間の穴には異世界スプリジョンの景色が広がっていた。奇跡が起こる可能性とは決して0ではないのだ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ