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魔力の宿る星  作者: イシヤド
第二章
14/15

2-1 想定外

久しぶりですイシヤドです。エタッてはいません。遅くなりました。テスト期間なので次も遅くなってしまうと思います。


 試験終了後、魔獣の森での異常を重く見た国によって、魔獣の森の調査が行われることとなった。結局原因は不明のままで、現在魔獣の森は立ち入り禁止となっている。


 学校は、試験の後日含めて三日を休みとすることを発表した。勿論、アルは三日間魔法の修行をし続けていたが。


 そして今日は試験後初めての登校日だ。今日、アルの新しいクラスが決まる。しかしアルは特に緊張していなかった。


(まぁ、今回第一クラスじゃなくても、いずれ上がれば良いしな。)


 そんな軽い気持ちで、クラスと順位が書かれている掲示板をアルは見る。


(お、第一クラスの八位だ。一位じゃなかったのは残念だけど……。)


 アルはそう思いつつ、第一クラス一位の名前を見る。


(え、まじかよ。第一クラス一位がアレク!?)


 アルが何度見ても、一位の場所にはエレガトロ·アレクサンダーの名前が書いてある。この学校にアレクと同じ名前の人間は存在しないので、間違いなくあのアレクのことだろう。前回一位だったマテリアは二位になっている。


(くそ。てことは、あいつ実力を隠してたのか?フレイマーと戦っていたとき、本当は魔力にかなり余裕があったのか。さすがにあれだけで尽きるような魔力量だと、第一クラス一位にはなれないだろうしな。)


 アルはアレクが一位になったことについて考えつつ、教室へ歩いていく。


 教室の扉を開けると、何人かがこちらを向く。当たり前だが、その殆どが知らない顔だ。しかし唯一知っている顔があった。アレクだ。


「やぁ、アル。どうやら今回は僕の勝ちらしいね。」


「アレク、今まで力を隠してたのか?」


「うーん。隠していたつもりはないよ。ただ、今まではやる気が出なかっただけさ。本気を出したいと思えるような相手がいなかったんだよねぇ。

 

だけど魔獣の森の試験は違う。アル、君は僕が本気を出すに相応しいライバルだ。君とは全力を出して戦うよ。」


「それは良いな。俺はアレクの本気も超えていく。」


「言っただろう。僕には敵わないとね。僕は君の上を行き続ける。」


「そうか。まぁここで何を言おうが結果に関係はないから、もうやめよう。」


「そうだね。結果が全て、僕も君を倒すという結果で語るとしようか。それじゃあね。」


「あぁ。」


 アルはそう返事をすると、座席表を見て自分の席へと向かう。


(絶対勝つ。)


 そう決意を固めながら。


───


 アルが席についてから少しして、新しい先生が入ってきた。


「さて。まずは自己紹介をしましょう。私はヴァリアス·ティーチと言います。皆さんの担任となりました。短い間ですがよろしくお願いいたします。


もう知っているかと思いますが、私が担当するのは社会、その中でも特に地理です。ただ、地理以外のことも詳しく知っているつもりなので聞いてくれてかまいません。


そして新学期早々、伝えることがあります。後二ヶ月半程で、魔導学校大会が行われます。それに伴い、魔導学校大会に出場する人を決めたいと思います。出場する一年生の人数は三人のみです。


誰が出場するかは、一ヶ月後に行われる一年魔法会で決まります。魔法会では、実際に魔導学校大会で行われたことのある競技からいくつかを選んで行い、得点を競います。そして上位三名が魔導学校大会に出場できます。


魔導学校大会に出場すれば、将来役に立つ実績となります。是非出場を目指してください。それでは休み時間です。最初は私の授業ですね。今日は四大魔境と三大魔獣領域について話す予定です。」


───


「四大魔境は、遥かな大地、沈む空、咽び泣く海、轟く山の四つです。三大魔獣領域は、皆さんが試験で行った魔獣の森、エネモール大陸、またの名を魔獣大陸、そして地竜の谷の三つです。四大魔境と三大魔獣領域を合わせて、七大魔境と呼ばれることもあります。


ここで気をつけて欲しいのが、地竜の谷は、あくまで地竜もいる谷であって、地竜以外にも沢山魔獣はいるということ。後は、四大魔境にも魔獣は沢山いるということです。ではまず説明をしましょう。


まず 遥かな大地。これは、大陸程の大きさの大地全てが非常に高くなっているというものです。高さは11111メートルです。次に沈む空。この範囲では、空が重くなります。海の中が近いでしょうか。まぁ海とは比べ物にならないほど重圧がありますが。


次に咽び泣く海ですが、その海では常に高い波が発生しています。観測された中で一番高い波は、733メートルですね。次に轟く山。この山の高さは10106メートルと、山の中ではそこまで高いわけではありません。


では轟く山の特徴は何かというと、揺れですね。この山、激しく揺れているのです。それによって、爆音が起きたり、周囲の地面が割れていたりします。


次にエネモール大陸。エネモール大陸は、最も大きい大陸でもあります。そしてこの大陸にいる魔獣はどれも強く、中々手が出せません。


最後に地竜の谷。一番近い地竜の谷の深度は平均およそ1600メートル程です。未だ詳しくは測れていません。これくらい覚えておけば問題はないでしょう。」


(新たな発想を得るために、いつか行ってみたい場所だ。)


───


「それでは模擬戦をしましょう。」


 アル達は社会の授業が終わった後、技能鍛練場に来ていた。二、三時間目の授業では模擬戦をすることになったのだ。広いからか、今回は同時に六回の模擬戦をする形をとるようだ。相手は七位のエルノ·ライトだ。


 魔防服を着て準備万端。早速模擬戦が始まる。


「はっ!」


 ライトはアルに向けて眩い光を放った。


「うっ。」


 アルは咄嗟に目を閉じたが、少しの間何も見えないだろう。アルは前に土の壁を作る。そして壁を背にし、頭上に土の屋根を作った後、両手を左右に突きだし、泥を産み出す。こうすれば相手が泥に触れた瞬間音が鳴り、攻撃に気づける筈だ。更に空中も警戒して、左右にも土の壁を作る。


「甘いよ。」


 ライトがそう言うと、放たれた光線がアルに直撃する。


「え?」


 やっと見えるようになったアルが、消える魔防服を見て驚く。


(何でだ!?土の壁は壊れてない……まさか前から!?どうやったんだアイツ……。)


 アルには考えてもわからず、謎が増すばかりだった。その後、五回勝負をしたがアルは全て負けてしまった。


(駄目だ。俺の魔法には威力が足りない。爆発する泥は威力はあるが使いづらい。どうすれば良いか……。)


 アルが魔法の改善について考えていると、話し掛けてくる者がいた。


「何だ。君、一位のエレガトロ君が君を褒めてたからどんなもんかと思ってたけど、大したことないじゃん。彼は強いけど、見る目は無いみたいだね。」


 そう言ったのは、最初に戦ったライトだ。


(くそ。負けたから言い返せないな。それにしても、こいつらの魔法は何で曲がるんだ?何か俺の知らない技術を使ってるのか……。)


 アルが考えていると、アレクが近づいてきた。


「えーっと、君はアルが大したことないと言ったね。」


「それがどうしたの?事実じゃん。あぁ、見る目が無いって言ったから怒ってるの?」


「いや、怒っているというわけではないよ。ただ、君の言うことが間違ってるから訂正しに来たんだ。僕が重視するのは実力ではなく才能だ。


知っているかい?アルは僕達とは違って、入学するまでの環境は良いものではなかったんだ。ならば勿論、魔法を学ぶのも難しかっただろう。それがもうここまで到達している。僕がアルを認めているのはそれが理由だ。」


「いやいや、環境が悪かったとか、負け犬の遠吠えにしか聞こえないよ。」


 そう言ってライトは去っていく。


「さて、アル。さっきの彼が使っていた魔法についてだけど。」


「アレクは知ってるのか?」


 アルがアレクにそう問うと、アレクは頷いて言う。


「あれは魔法の技術の一つ。ただ答えを言ってもつまらないからヒントを言おう。魔法で作れるのは形だけではないということだよ。それじゃあまた明日会おう。」


「またな。」


(形だけではない……か。今日は俺がまだまだ弱いということを見せつけられたな。もっと強くならないと……。)


 こうしてアルの、第一クラス初めての日が終わった。

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