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飛び出し注意くん  作者: 弘田邦友
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6

 台風が来た次の日の朝、ぼくはママに明日はオーバーオールを着て行くように言われていたからそれをはいた。赤と青と黄色と白のペンキの缶と水を入れておく用の半とうめいのコップ、新聞紙、ぐん手、あと絵ふでとはけ四本とぞうきんとすいとうをリュックに入れて注意くんのところへ向かった。

 注意くんがいる一こ前の交差点で止まって、通りすぎていく車と車の間を見た。注意くんがよく見えない。

 信号が赤にかわって車が止まった。

 注意くんがかたむいている。

 左右かくにんをさっさとおわらせてぼくは走った。

「おーわたる。昨日は雨すごかったな」

「そうだね」

「ちょっと手伝ってくんね?」

 のぞいてみると注意くんのうらっかわにも注意くんがかいてあった。その絵の男の子とは目が合わなかった。支柱ごしにその絵の胸あたりにささっている二本のくぎのうち、上の一本が半分くらいぬけていて注意くんは猫背みたいになっていた。

 注意くんにさわるとまだちょっとぬれていて指がよごれたから、よごれないようにぐん手をはめた。

 胸の穴はえぐれていて穴のおくまでさしなおしてもすぐぬけてしまう。しょうがないから注意くんをもうすこしだけ前にかたむけて上のくぎを穴から出した。そのまままだささっている下のくぎをじくにして回して、えぐれていないところに上のくぎを当てて、注意くんを思いっ切りたたいた。

 男の子が転びそうになっているみたいに見えるけど、とりあえずくぎはささった。

「ありがとありがと」

「うんぜんぜんいいよ」

「――そんでさっきチラッと見えたけどほんとにペンキもってきたんだな」

「もってきたよ」

 リュックからペンキの缶を取り出して道においた。黄色の缶のふたを開けて、まず注意くんのぼうしをぬることにした。

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