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飛び出し注意くん  作者: 弘田邦友
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4

「よう!久しぶりだなわたる」

「久しぶりー。言ってもそんなたってないよ」

 夏休みに入ってから一週間がたって、注意くんの様子を見に、友達の家に遊びに行くついでに寄ってみることにした。

「友達できてからなかなか話せんくなったでなぁ。おれからしたらひさびさよ」

「そっかぁ」

「今日はどうした?どっか遊びに行くんか?」

「そうそう翔也くん()に遊びに行くんだ」

「そうか。なぁわたる。そろそろ女の子に手を出してみるのはどうだ?」

「――まだ小学生だよ?」

「お前も色々知ってんだな」

 何かおどろいた様子の注意くんの口にぼくが『たけのこの里』を一つぶ寄せると

「おれ食べらんないんだよね」

 と注意くんは苦笑いをした。

「そうなの?しゃべれるのに?」

「口は動くんだけどなぁ、胃袋がないんだなぁこれが。りったいてきじゃなくてね」

「そうなんだ。じゃあここ置いとくね」

 ぼくは支柱のそばに『たけのこの里』のはこをおいた。

「いやおれ味だけかんじる的な能力ないからね!」

「気もちだよ気もち」

「かわいい」

 ぼくはおいたはこから一つぶだけ取って食べて、

「じゃ約束におくれるから行くね!」

 と横断歩道を渡ろうとすると

「左右かくにん!」

 と注意くんがどなって、ぼくはびくっとした。

「お、お仕事おつかれ様です」

 ぼくは振り返って笑顔を作りながら注意くんに言った。

「殺すよ?」

 目がマジだったからちゃんと右左をかくにんして、はずかしいけど右手を上げて渡った。

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