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飛び出し注意くん  作者: 弘田邦友
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 やっぱり今日の朝へんにねぼけていたわけではなかったみたいで、下校のとちゅうあの交差点へ行ったら、

「よう!おかえりわたる」

 と看板は元気にしゃべりかけてきた。

「なんでそっちから見てんだよ。こっち渡って来いよ」

 飛び出し注意の看板のくせに渡らなくてもいい横断歩道を渡らせるのか。

 でもぼくはきょうみがないわけではなかったから横断歩道を、何か言われるのがめんどうくさいからちゃんと右左を見てから渡った。

「おかえり」

「ただいま」

 今は泳がされているだけで、いつか食べられるんじゃないか?そういうタイプのおばけなのか?

「どうだ、友達できたか?」

「そんなすぐできないよ」

「なんで?誰かクラスのお調子(もん)がしゃべりかけてくるもんだろ?」

「べつにお調子者と仲良くしたいわけじゃないし」

「――なるほどね」

 本当は何も知らないのかもしれないな。

「おいわたる。俺が友達になってやるよ」

「いーやー」

 ぼくはゆっくり嫌と言った。

「そんなんだからだぞ?」

「看板とどう遊べって言うの?」

「そこは子供のすばらしいそうぞう力を使ってだな」

「他人まかせにすんなよ」

「しょうがねぇだろ!おれ歩けねぇんだから!」

「えー」

 しばらく言い合っていたけど、あまり帰るのがおそくなるとやばいからとちゅうで話しをやめて友達になるのかならないのかはよく分からないまま看板からはなれた。いや、あれはもう看板じゃないよな。

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