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戦闘開始

「なぁ、キー。人がいないんだが?」


「そりゃそうですよ。こんな無防備に町を歩く人はそういないですよ。そうです。いいこと教えてあげます。人差し指を横にフリックして下さい。」


 俺が言われたとおり横にフリックするとタブレット端末のようなものが浮き出てきた。そこには戦闘開始が暗く光っているのと近くにいるプレイヤー等が書いてあった。


「そこに近くにいるプレイヤーってかいてあるでしょ。そこに書いてあるプレイヤーに戦うって言うボタンを押したら戦闘開始です。大体は1対1の対戦です。言っているそばから、光ってますよ。ってえ?光ってる?」


 三十秒から二十九秒に出てきた数字が変わった。

「あれ?カウントダウンが始まっているよ。」


「ありゃりゃ。あなたがこんなところでウロウロしてるからですよ。戦闘の時も私はいますので、相手には見えてませんよ?対戦の時は、2人だけの世界になります。ゲームの補正ですね。」


「……!今からゲームスタートなのか?俺武器も持ってないよ。戦えないぜ?」


「お疲れ様ですね。そうですね。あなたは負けましたね。お疲れ様です。」


「お前俺のAIだろ。勝ち方教えてくれよ。」


「私はこの世界を紹介するとかルールを説明するだけです。ほらほら始まりますよ。」


 カウントダウンがゼロになる。戦闘開始の合図がある。が、場所が飛ばされたり、地形が変わったりしない。


「あれ?何も変わらないんですけど……。」


「いや変わってますよ。人が一人もいなくなったんですよ。対戦相手を残してね。それにしても状況は不利ですよ。相手はこちら側を見ていますが私たちは相手を見つけていません。変態さんは防御の装備もないですし、終わりましたね……。」


 俺らが東京のスクランブル交差点のど真ん中で立ち尽くしていると、角度六十度あたりからの銃弾が発射された。それは俺の右頬をかするもので、俺の心を大きく乱した。


「これは……。」


「そうですね。対戦相手は銃を持っているようですね。今の角度からして三階建てのビルあたりからですね。」


 俺は近くの三階建てのビルを見渡す。近くのプレイヤーなのでそこまで離れてはいないと思われる。どうやって相手を殺さずに降参させるかが大事だ。


「今ので、わかったことを一つ言わせてもらいます。これはちなみにほかのAIにはできないことなんですけど、私にできることですが相手のスキルが、直視するとわかります。相手は『拳銃の補正』です。こんな離れたところから、急所をほぼ外さずに撃てる人はほぼいません。」


 そうキーが告げた途端に、三階建てのビルから赤く光るのが見える。赤い光が俺の胸に照らされている。俺は驚いて物陰に隠れる。

 しかし今のは確実に俺を殺せたはずだ。なのにころさなかった。この事から多分相手は『俺で遊んでいる』俺は死ぬことが怖いようだ。この事の証拠に……。


      足が震えている。


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