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風船の宅配便。

作者: 七瀬




今では、風船にGPS(位置情報管理システム)を付けて

風船を飛ばして、荷物を配達するんだよ。


今では世界中のどこでも、荷物を配達する事ができるんだ!

しかも、、、風船だからといって、、、?


簡単に割れないように、丈夫なゴムで作られているんだよ。


___だからね!

鳥さんのくちばしで風船を突かれても割れないんだ!

凄いでしょ!!!


飛ばされる風船たちは、数え切れないぐらいの数なんだ!

色も形にも個性があるんだよ!


僕の友達みんなでね!

風船にお絵描きをしたんだ。

みんながそれぞれの風船に好きな絵を描いたんだよ!


僕が風船に描いた絵はね!

“フーインマン” というヒーローなんだ!

これね? 僕が作ったオリジナルのヒーローなんだ!

とっても、いいでしょ!


そしてね、一斉にみんなで風船を飛ばしたんだ~!

僕は遠い遠い所に住んでいる! 僕のおじいちゃんに僕の風船を

飛ばしたんだ!


僕の知らない国の山奥で、独り暮らしをするおじいちゃんに

あたたかいセーターをプレゼントするためにね!


___おじいちゃん長生きしてね!

たまに、おじいちゃんがひょっこりと僕の家に遊びに来る事がある!

おじいちゃんは62歳というのに、大きな体にムキムキの筋肉でね!

髪も長くて一つ結びで髭もボサボサに生えているんだよ。


ワイルドでカッコイイおじいちゃんが、僕は大好きなんだ!

僕は会いたい時におじいちゃんと会う事が出来ないから、、、。


僕は遠い異国で独り暮らしをしているおじいちゃんの事が心配になるんだ!

おばあちゃんは、僕が産まれて直ぐに亡くなったらしいしね。


それから、おじいちゃんは遠い国の山奥で独り暮らしを始めたって言ってた!

大きなクマが出るような山奥に住んでいるだよ。


僕も1度だけ、おじいちゃんに会いに行った事があるんだけど?


本当に、一面森で覆われててね!

おじいちゃんの家がポッンとあるだけなんだよ。


こんな所で、1人で住んでいるなんて! 

僕には信じられない!!!


見た目も心も強いおじいちゃんなのだけど、、、?

もう歳だからね! 僕はおじいちゃんが心配なんだよ!


この風船には、届けた先からお礼に折り返し戻ってくる

システムになっているから、おじいちゃんが僕に何をくれるのか?

それも楽しみにしているんだ!


『ねえねえ? おじいちゃん! 僕からのプレゼント届いた?』

『恵文が俺にプレゼントを贈ってくれたのか?』

『うん! そうだよ〜楽しみにしててね! おじいちゃん!』

『あぁ〜ありがとう恵文!』

『だから! 届いてからでいいよ〜お礼は!』

『アハハ〜そうだったな〜』



 *



___そして次の日、、、。


『恵文! プレゼントが届いたよ〜暖かそうなセーターだな〜!』

『おじいちゃん! 凄く似合っているよ! おじいちゃん!』

『そうか! 本当にありがとう! 今度はおじいちゃんから恵文に

プレゼントを贈るからな〜待ってろよ!』

『___うん!』



おじいちゃんは、僕がプレゼントしたセーターを着て見せてくれたよ。

とっても似合っていたな〜あれならおじいちゃん! 風邪を引かないよね!


そしておじいちゃんは、さらに次の日にまた僕が飛ばした風船を使って今度は

僕にプレゼントを付けて飛ばしてくれたんだ!



『さあ〜恵文の所に届けておくれ〜風船や〜! 頼むぞ!』


風船はゆらりゆらりと揺られながら。

風に飛ばされて、ふわふわと流されるがままにGPSを付けた場所に向かって

空高く飛んで行く風船。


また3日かけて戻って行く風船の傍では、渡り鳥の群れたちと風船が一緒に

横並びになって飛んでいたんだ。


ふわふわ・ゆらゆらと飛ばされていく風船。



___そして3日後、、、。


『おじいちゃん! おじいちゃんが飛ばしてくれた風船が僕のところに着いたよ!』

『そうか! そうか! 無事に着いて良かった!』

『おじいちゃん! プレゼントの帽子ありがとう! 僕似合うかな?』

『あぁ〜凄く似合ってるよ!』

『おじいちゃんありがとう~!』

『___あぁ!』




___僕の風船の役目はこれでおしまい。

汚れたカラダを拭いてあげて風船の空気を抜いて、また少しお休みを

してもらうね!


___また、いつか?

きみを使って、おじいちゃんのところに空高く飛んでおじいちゃんに

また、プレゼントを届けてね!


『ありがとう、僕の風船。』


【ゆっくり、休んでね!】



最後までお読みいただきありがとうございます。

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