伝説は語る
星々が定めた伝説は、今、語られる。
王国『リヴェストン』には、昔、このような伝説があった。
『世界が闇に覆われる時、人は神に授けられ選ばれた英雄を与えられた。
英雄は闇は払い、世界に平和と光を与えた』
というものだ。だが伝説はそれだけではなくきちんと続きがあった。いや、この伝説には別の話が合った、と言えばいいのでしょうか? その伝説には……、
『人類が見定められ英雄は二つに分かれる。一つ、人の希望と栄光を授け見続ける英雄。一つ、人の絶望と滅亡を与え見続ける反英雄』
と描かれている。この二つは表裏一体で、瓜二つ、背中合わせのような存在だった。
英雄は反転し、反英雄になり、反英雄は反転し、英雄になる。見方と理解の仕方によって、その姿は度々変わり、歴史の渦へと吸い込まれていく。それは大衆と個人、百と一、有と無、あらゆる逆が彼らを構成していった。
『英雄はあらゆる物事を信じ、反英雄はあらゆる物事を偽証する。黒天の鳥はいつまでも天にいるとは限らない』
例え、それが友人であっても、家族であろうとも、信頼できるものであろうとも、世界という神は、神と呼称される一つの王や大衆はあらゆる悪意から逃れるため決め詰める。
『星々が永久に回り続けるように、英雄も回り続ける』
そして、最後には別の伝説、いや、消え去られた、歴史の渦に飲み込まれ消えていった伝説は最後にこう語る。
『是は星々が決めた、世界の再興と破滅である』
そう、これは運命という理不尽をただただ受け入れ復讐心とイカレタ精神を持った青年が世界を壊していく物語であります。