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200文字小説集 vol.2

いちばん可愛い・2(200文字小説)

作者: 日下部良介

「君がいちばん可愛い」

 そんなことを真顔で言う彼。

「今まで何人の人にそう言って来たのかしら?」

 私が聞き返すと、言葉に詰まる彼。

「今、いちばん可愛いのが君だよ」

「やっぱり、言って来たんだ」

「あ…」

 バツが悪そうに目を逸らす彼。

「いいのよ。今のいちばんが私なら…」

 安心したように視線を戻す彼。

「その代わり、私より後には“いちばん”を作らないでね」

「はいっ!」

 そう言って微笑む彼。

 その笑顔に私はいつも騙される。




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― 新着の感想 ―
[一言] 甘い言葉はリアルでは言ったことないですねー。 言っても、どの面が言う!とか言われそうなんで(笑)
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