表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
14/23

夏休み部活動(テニス部)

●テニス部だったら、

 今日は、テニス部の活動日だ。私はマネージャーだけど、それでもネットを張ったり、タオルやドリンクを運んだり、ボールを拾ったりと忙しい。夏の日差しのなかそんなことやっていたら、汗がだらだらととめどなく流れる気がする。


ボブ子

「自分が汗くさい気がする……」

マネージャー

「汗いっぱいかいたもんね。選手用に用意した冷やしタオル、余分にあるから使ってもいいよ」

ボブ子

「はぁい。あぁ~、生き返ります……」


 テニス部のミニ冷蔵庫に保管していた濡れタオルを首筋当てると、背筋がぞわりとするぐらい冷たさが染みわたって気持ちがいい。そのままタオルで顔を拭いて、やっと一息。こうも暑いと、息をするのも大変って感じがする。

長い髪をポニーテールしている先輩は、鬱陶しそうに手で髪を払っている。


マネージャー

「それにしても暑いわ。髪、切っちゃおうかな。ベリーショートだと手入れも楽よね」

ボブ子

「えぇ、ダメですよ! 先輩、折角ポニーテール似合っているのに! ほらほら、先輩! 先輩もタオルをどうぞ!」

マネージャー

「ありがとう。あぁ、本当に生き返るわ」


 テニスコートでは、選手の試合が行われている。しかし暑さにやられているのか、みんな声に覇気がない。走る姿も覇気がない。……こんなんだから、うちは弱小なんじゃないかな。


ボブ子

「どうして、この時期に活動なんてあるんですかね? 暑くて暑くて……、誰も嬉しくない」

マネージャー

「もうじき大会っていう時期だからね。それに合わせて、ここで集中的に活動してたみたい」

ボブ子

「え、うちって大会とか出るんですか? 聞いてませんよ?」

マネージャー

「昔の話よ。強かったときはそうだったって話。今は弱すぎるし、やる気もないし、大会は出ないわよ。ただ、昔からこの時期に活動してたから今もそうしてるだけの話」

ボブ子

「うちに強かった時期があったなんて、信じられませんね……」

マネージャー

「でも、けっこう最近まで本当に強かったみたいよ。六年前を境に、すっかり弱くなったらしいの」

ボブ子

「六年前ですか? なにがあったんですか?」

マネージャー

「さぁ。私もよく知らないんだけど。……その年を境に、急に部員が減ってたわね」


 先輩と雑談をしている間に、テニスコート上の試合が終わった。これで午前の活動は終了だ。タオルとドリンクをカゴに入れて、持っていく。……これが結構、重いんだよね。最近腕に筋肉がついてきちゃった。





 [・・・ロードします・・・]






 お弁当を食べて、午後からの活動――……の前に、マネージャーの先輩が両腕に大きな箱を抱えて持って来た。ダルそうにしていた他の選手の人たちが、おおっと盛り上がってる。あれ、なんだろう。


マネージャー

「皆、お待ちかねのかき氷タイムでーす! 氷は朝から冷蔵庫で冷やしていました! シロップも三種類用意してまっす!」


 箱から取り出されたのは、かき氷機だった。代々受け継いできたって感じの、年代を感じさせる。


マネージャー

「ごめんね、ボブ子ちゃん! 氷とってきてくれる?」

ボブ子

「はぁい!」


 冷蔵庫の奥から氷を取り出してきて、かき氷機の中にイン。取っ手をぐるぐると回すと、氷が削られて器いっぱいに山となって出てくる。

 あとは、イチゴかメロンかソーダ味のシロップ。どれを選んでかけるだけ。


選手A

「俺はイチゴにするか」

選手B

「俺はソーダだな!」

選手C

「俺は全部がけだぜ!」


 午前の練習で疲れていたらしい選手たちは、わらわらとかき氷に集まってくる。みんな、こういう時ばっかりは元気だよね。練習時ももっと真面目にやればいいのに。


マネージャー

「ほら、私たちも食べよう」

ボブ子

「はい!」


 先輩から受け取ったかき氷にメロンのシロップをかけて、いただきます。キーンと頭に響くぐらい冷たくて、おいしい! 暑さでだるかった身体がスーッと涼しくなる。


マネージャー

「あ、ボブ子ちゃんの舌が緑色になってる」

ボブ子

「先輩の舌も、青くなってますよ」


 かき氷を食べてから、午後の活動を行った。

 ちょっと食べすぎて、頭痛くなっちゃったかも……。





 [・・・ロードします・・・]





 午後の活動もダルダルと暑い中終えた。後片付けもきちんと終えてから、汗だくの私たちは、女子更衣室のシャワーを借りてから帰ることにした。


マネージャー

「あー、今日も疲れたわね! 入部した当初は、マネージャーがこんなに大変だなんて思わなかったわ」

ボブ子

「私もです……。うちって、もう大会に出たりしないんですか?」

マネージャー

「どうかしらね。それはあいつ等のやる気次第だけど……。どのみち、私たちはマネージャーとしてサポートするだけよ」


 ぐっと握りこぶしを作る先輩は頼もしい。選手の人たちより、先輩の方がよっぽどカッコいいかも。

 これからもついていきます、先輩!

【栄光の日は永遠に戻らない】


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ