表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
11/23

夏休み部活動(生徒会)

●生徒会だったら、

 実は今日、他校二つとうちの学校での交流スポーツ大会が開かれる。一年ごとに開催校は変わって、今年はうちで開かれることになった。そのために、生徒会が運営をする。お水の手配とか、他校の人たちの控室の準備とか、交流試合が終わった後のビンゴ大会などなど……。やることはいろいろあるんだよね。


先輩A

「一年生は二人一組になって、他校の人たちの誘導をお願いね。困ったことがあったら私の携帯に連絡をちょうだい。よろしくね」

ボブ子

「はい」

下前学

「はい。五津木さんは僕とペアだな。一緒に頑張ろう」


 下前君と一緒に、他校から来た人たちの誘導をすることになった。学校ごとに人が来るんじゃなくて、部活ごとに人が来るから何度も往復しなくてはいけないらしい。


ボブ子

「暑いねぇ」

下前学

「そうだな……。飲み物を持ってくればよかった」


 校門前で他校の人たちがやって来るのを待つ。強い日差しがカンカンと照っていて、痛いぐらい。帽子をかぶりたいぐらいだけど、ダメだよねぇ。


ボブ子

「こんな暑い中、みんな試合するんだよね。大変だぁ」

下前学

「ああ。尊敬するな。……僕は絶対、無理だ」

ボブ子

「下前君は苦手そうだよね。――良く見ると、下前君って肌が白いね。全然、日焼けしてない。夏休み中、どこにも出かけたりしてないの?」

下前学

「いや。出かけてはいるが、日焼け止めを塗っているから焼けてないだけだと思う……。うちの家、日焼けとかしないようにってうるさいから……」

ボブ子

「下前君って女子力高いよねぇ。私、よく日焼け止めクリーム塗るのを忘れちゃって。今日はちゃんと塗ってきたけど、汗で落ちちゃいそうだなぁ。塗り直すにも、日焼け止めクリーム持ってくるの忘れちゃったし」

下前学

「じょ、女子力って……! そういう言い方はやめたまえ……!」

ボブ子

「あ、他校の人が来たみたい。行こうか、下前君」

下前学

「……君は自由だな。そうだな、行こう」


 二人で、他校の人の案内をした。

 ああ、すっかり喉が渇いちゃったな。





 [・・・ロードします・・・]





 生徒会の仕事は山ほどある。そのためにお昼は各自で時間があるときに食べることになっている。やっと時間が空いた私と下前君は、今のうちにお昼を食べてしまうことにした。


ボブ子

「あー。室内は涼しくて生き返るねぇ」

下前学

「そうだな。……午後からもまた外で仕事か」


 お茶を飲みながら、下前君が憂鬱そうに呟く。外から多くの人が来ているので、トラブルが起きていないか確認するために校内を巡回する。お昼過ぎからは、もっと日差しが強くなりそうだなぁ。


下前学

「……そうだ」


 下前君が鞄の中を探って、白い小さなボトルを取り出した。それを私に差し出してくれる。


下前学

「日焼け止めクリーム、忘れたと言っていただろう。僕の物でよければ使ってくれたまえ」

ボブ子

「わあ、ありがとう」


 下前君から日焼け止めクリームをありがたく受け取る。

 下前君って――



選択1「やっぱり女子力高いよね」

選択2「優しいよね」



●選択1「やっぱり女子力高いよね」

ボブ子

「やっぱり女子力高いよね」


 私がそう言うと、くわっと下前君が眼鏡の下を見開いた。あまりにも大きく開くから、ぽろりと目がこぼれ落ちてしまいそう。


下前学

「だから、どうして、そうなるんだ! 僕は男だ! そういう言い方はやめてくれたまえ!」

ボブ子

「え、女子力いらないの? 今時は女子力持っていた方が、男の子もモテると思うよ? いらないならちょうだい」

下前学

「あげられるものなら、あげている!」


 ちょうだい、と出した私の手を、下前くんがパシンと叩いた。これで本当に下前君の女子力がもらえればいいのに……。


ボブ子

「よし、下前君も元気が出てきたみたいだね。午後も一緒にがんばろう」

下前学

「もう少し、マシな元気の出し方は無かったのか……? まぁ、少しは元気出たけど」


 ご飯を食べて、午後の生徒会の仕事に備えた。

 生徒会って地味だけど、知らない所で意外と忙しいよね。おかげで前より体力がついた気がする。





●選択2「優しいよね」

ボブ子

「優しいよね」


 私がそう言うと、下前くんがすっと視線を反らした。私が下前君の視線を追いかけると、またそっぽを向かれてしまう。もしかして、照れてる?


ボブ子

「下前君って、本当に優しいし、気が利くし、何にでも一生懸命だよね」

下前学

「な、なんなんだ、一体! わざと言ってるだろう、君は!」

ボブ子

「でも、全部本当のことだよ」

下前学

「……本当にやめてくれ。もういいから、早くご飯を食べよう」


 むすっと口をへの字に曲げて不機嫌そうにしながら、下前君は惣菜パンの袋を開けて、もそもそと食べ始める。だけど耳が赤いのが隠せていなくて、思わず笑ってしまう。


下前学

「何を笑っているんだ。君も早く食べたまえ」

ボブ子

「はいはい」


 一緒にご飯を食べて、午後の生徒会の仕事に備えた。

 仕事は大変だけど、こうやって人と交流できるのは楽しいなあ。





 [・・・ロードします・・・]





 交流スポーツ大会が終わる頃には、外は夕焼けの景色が広がっていた。今日は一日疲れたなぁ。


下前学

「今日はおつかれ」

ボブ子

「うん。下前君もおつかれさま。私たちは試合していないのに、すっごい疲れちゃった。明日は一日中家で過ごしたい気分かも」

下前学

「そうだな。僕も明日は一日ゆっくりしたいし、どこかに行くか……」

ボブ子

「ゆっくりしたいのに、どこかへ行くの?」

下前学

「いや、その……。家だと、逆に落ち着かないんだ」

ボブ子

「そっか。私もそういうことあるかも。私は妹がいるんだけど、遊んでほしいってつき合わされてゆっくりできないとがあるな。楽しいんだけどね」

下前学

「妹さん、いるのか」

ボブ子

「うん。まだ小学生なの。生意気なときもあるけど、かわいいよ」

下前学

「そうか。そうだな、妹はかわいいものだから……」

ボブ子

「あれ、下前君も妹さんがいるの?」

下前学

「いや。妹はいない」

ボブ子

「じゃあ、妹が欲しいとか?」

下前学

「……居たら、どうなっていたんだろうな。でも、年下の兄弟がいるのはいいかもしれない。誰かの面倒を見てみたいっていう気持ちは少しある」

ボブ子

「えぇ、意外と大変だよ?」


 それから下前君と途中まで一緒に帰った。今日はお仕事、お互いにお疲れさまでした。

 その日は家に帰って、倒れるように眠ってしまった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ