第55話『空の旅』と『お祝いの宴』
「凄い、凄い! きもちー!」
「本当だな。」
現在俺達は、俺とリラの故郷の村を目指して、空を飛んでいる。空を飛んでいる理由は、普通に行ったら、何日もかかってしまうからだ。そこで、コスモスに頼んで空飛ぶ生き物に変わってもらって、乗って行く事にした。最初は竜だったのだが、それだと目立ちすぎるので、グリフォン二匹で行く事にした。
一匹につき二人で、俺はリラと乗っている。空の旅はなかなか楽しい。風が気持ちいいし、景色もかなりいい。それに早いし、このままいけば、三日後にはたどり着くだろう。
「にしても、守人役か。」
「不満なの?」
「いや、やれるかなーって。」
「ムトなら大丈夫だよ。私なんて、巫女役だよ。踊らなきゃいけないんだから。」
「でも、憧れてただろ。」
「まぁね。」
祭りの事を話し合いながら、空の旅を続ける。
「おーい!」
「どうしたグレイ?」
「そろそろ昼だし、休憩しないか?」
「そうだな。」
グレイの案にのって、一度着陸する。着陸した所で昼食をとる。昼食をとり終わり、再び出発する。
そんな生活を続けて、三日。遂に、故郷に帰って来た。にしても、こんなに早く帰って来る事になるとはな、まぁ、祭りが終わって暫くしたら直ぐに出発する予定だけども。
「とりあえず、家行ってくる。」
「私も、二人はどうする?」
「先ずは、リラさんの家に行きましょう!」
「そうだな。」
「うにゅ!」
という訳で、一人で行く事になった。村の中を歩いて、暫くして見慣れた家に着いた。
「ただいまー!」
ドアを開けて声をかけると、中からドタドタと音がして。
「お帰り~!」
メルが出て来て、足に抱きついてきた。
「んにゅ? パパじゃない?」
「うん。残念ながら、お兄ちゃんだ。」
「お兄ちゃん? わ~い!」
父さんと間違えたのか、確かにこんな直ぐに帰って来るとは思わないものな。
「ムト、お帰り。」
「ただいま母さん。」
「早かったわね。手紙を出したとはいえ、もっとかかるかと思ったわ。」
「頼りになる仲間が出来て、早くこれたんだよ。」
とりあえず、仲間の事を話そうとしたらリラ達がやってきた。ちょうどいいとは思ったが、リラがいきなりお付き合いの報告をするとは思わなかった。ちなみに、リラの両親にも話したらしく。今日はお祝いという事になった。なんでやねん。
メルとコスモスが仲良く遊ぶのを横目に、祭りの事を聞く。リラの舞いの練習は明日かららしい。俺のほうは、リラについて、回るだけなので、特に練習は無し。それでいいのか、守人。
時は進んで、夜になりました。家に俺の家族と、リラの家族が集まって、俺とリラのお祝いの宴が始まりました。リラのお父さんには、娘を頼むと言われ、お母さんにも宜しくね。と言われた。いい人達で良かったよ、ほんと。後、知らないうちに、リラに弟が出来ていたらしく。メルとコスモスと一緒に遊んでいる。というか、メルと一緒にコスモスに言葉を教えてるな。
「いやー! うちの息子とリラちゃんやっとくっつきましたね。」
「本当だな、まったく早く孫の顔がみたいな。」
「女の子がいいですねー。」
「そうだな。」
「「ハハハハハハハ!」」
親父二人が意気投合してやがる。孫なんて、まだまだ先だろ、それにリラが顔赤くしてるぞ、そろそろその話題止めろ。
「うふふー。グレイくんは、フィリルちゃんの事どう思ってるの?」
「え? いや、なんでフィリル?」
「ええー。うちの娘と、ムトくんが付き合ってるなら。グレイくんは、フィリルちゃんとお付き合いしてるんじゃないのー?」
「はい!? いやいや、そんな事は………」
「じゃあー、フィリルちゃんの事嫌いなのー?」
「いや! そんな事はっ」
「顔赤くしちゃってー。いいなー。青春だなー。」
そこもグレイ困らせるな、にしても、母さんもリラのお母さんもかなり酔ってるな。グレイがわたわたしてる。にしても、話題に上がってるフィリルは?
「コスモス、これは大根ですよ?」
「らいこん?」
「違うよー、ニンジンだよー。」
「にんりん?」
「違います。カボチャです。」
「カボチャ?」
「「「カボチャ!?」」」
うん。ほうっておこう。なんか楽しそうだし、しかし、フィリルが持ってるのは、オクラだ。
「ふふ。楽しいね、ムト。」
「そうだなリラ。」
そうして、夜が明けるまで、俺達は食べて、飲んで過ごした。




