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第50話『迷宮主』と『ガトーショコラ』


サブタイトル見て、あれ? 〈悪魔の茶会デモン・ティーパーティー〉とのバトルは? と思われた方、安心してください。バトルです。ん? バトル?







はぁ、なんでこんな事になったんだろ………

目の前で魔力を集め始めた赤髪の男を見ながら、内心ため息を吐いていた。神様のお願いだからって、断ればよかった、そのせいで、そのせいで、そのせいで! リジェのガトーショコラ。ガトーショコラが……………ちくせう。あの夫婦神、次会ったら『ヤンデレ』のアイス奢らせてやる!



「【混沌火炎嵐カオス・フレアストーム】!」


「ん? 【結界バリア】」



空間魔法でしの…………げるわけがないが、DP(ダンジョンポイント)を使って強化する。【迷宮魔法】さん、いつもお世話になってます!


あ、自己紹介が遅れた。俺の名前は乃木原ノギハラ サトル、通称ノル! ラドア大陸で迷宮主ダンジョンマスターやってる。今回の作戦に参加した理由は、知り合いの神様二人に頼まれたからだ。色々と世話になったので、断れなかった。



「ほぅ。そのような魔法で、我が魔法を防ぐか、なかなかやるようだな。」


「そうでもない。」



【迷宮魔法】は普通(・・)ならホイホイ使えない。というか、他の迷宮主は滅多に使わない、何故なら貴重なDPを使うからだ。まぁ、俺には関係ないけどね。クックックック、これさえあれば、下級魔法でドラゴンを倒せるぜ! さて、相手が魔法を使ったからといって、魔法使いというわけではない。素手で戦うなら魔法闘士だし、どこからともなく武器を出すかもしれないし。



「(“コール”メビウス。)」


『受信しました。メビウスです。お呼びですか? マスター。』


「(おう。サポート宜しく、魔法適当に使ってくれ。)」


『了解しました。』



メビウスを呼んで、サポートをしてもらう。



「【混沌火炎弾カオス・フレアショット】!」


『術式展開。【火炎弾フレアショット】。【魔法強化】消費DP百万。』


「てー!」



赤髪が撃った魔法を撃ち抜いて、メビウスが放った下級魔法が飛んでいく。



「なんだと!? くっ!」



赤髪は間一髪避けたが、余波で服の片側が吹き飛び、腕を火傷していた。後、【火炎弾】が当たった壁は融解していた。



「(メビウス、次は、もうちょい弱くていい。)」


『了解。』


「貴様、さっきのは下級魔法のハズ、何をした!」


「応える義理はないな、今度は此方からいくぞ! “槍技”渦流閃突トルネードスラスト!」


「なっ!? ぐほっ!」



何もない空間から出した槍で、攻撃を加える。その後も剣やら、ハンマーやらで攻撃を加えていく。にしてもめんどくさいな、迷宮ウチなら、こんなやつ10秒もかからず倒せるんだけどなー。まぁ、本気出したら周辺被害がヤバいだけで、ここでも10秒で倒せるんだけどね。



「貴様、なかなかやるようだな。」


「まだ余裕があるんだな。」


「クククク。ここからが、本番だ! はぁ!」



赤髪の服が吹き飛び、上半身裸になる。 筋肉が盛り上がるが、身体の色はどす黒い紫色になっていて、頭から赤い角が生えていた。悪魔ですかね?



「クハハハハハ! これが悪魔神様から与えられた力だ! 貴様はもう終わりだ!」


『マスター。ガトーショコラがなくなりそうです。』


「な………んだと!?」


「クククク。やはり驚くか、だが、驚くのはまだはやいぞ?」



どうことだ! 残しておいてとお願いしたハズだし、リジェは、ちゃんと人数分作ってたじゃないか! それをメビウスに聞いたら。



『ドルマ達が遊びにいらして………リジェや、皆なが守っているのですが………』



あいつら、なんつータイミングで来てんだよ! こうなったら、さっさと倒そう。



「(メビウス、迷宮内に空いてる場所あるか?)」


『あります。』


「(じゃ、俺とあの悪魔になったやつ転移させて、消し飛ばすぞ。)」


『了解。転移。』



カリレの言葉とともに、周囲の風景が変わり、洞窟のような場所に変わった。



「なんだ此処は、迷宮か?」


「その通り。」


「何故迷宮に転移させたか知らんが、意味はないぞ。」


「あるさ、さっきの場所じゃ被害が酷くなるからな。」


「なに?」



さぁ、メビウスさん。やっておしまい!



『術式展開。【獄炎爆裂バースト・インフェルノ】。【魔法強化】消費DP一京(・・)。』



フハハハハハハ! 上級魔法を、10の16乗倍にした威力、とくと味わうがいい! もちろん。防御魔法は展開してますよ。


目の前が白い閃光で埋め尽くされ、轟音が鳴り響く。あ、目潰れた。鼓膜破れた。回復。回復。今度使うときは、音消す魔法使って目閉じとかないと。


視界が戻った時、部屋の中はドロドロに溶けていて、湯気が上がっていた。とりあえず、迷宮主の権限を使って部屋を直す。



「お疲れ様ですマスター。」


「おう。メビウスも、サポートありがとな。」


「いえ、それが私の仕事なので。」



通路から入ってきた銀髪ショートカットで、切れ長の透明な瞳をした美少女━━━メビウス━━━にお礼を言っておく。にしても、相変わらずの無表情だな。たまに笑ってくれるんだけどね。



「この後はどうされますか?」


「うーん。とりあえず、ガトーショコラ食べることにする。」


「分かりました。」



直ぐに戻ったほうがいい気がするが、まぁ、大丈夫だろ。俺と同じレア度のスキル持ってるヤツいるし、今はガトーショコラだ!








ノルは異世界人でした。

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