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第3話『初依頼』と『旅』




「どんな、依頼があるかな?」



受けられる依頼は、同ランクか下のランクの依頼なので、ランク1の依頼だけだ。



「ふむふむ。まぁ、最初は薬草の採取とか、ゴブリンの討伐とかだよな。」



というわけで、『薬草採取』と『ゴブリン討伐』を受ける。常設依頼なので、必要な物だけ集めてきて受付に渡して、依頼達成だ。『薬草採取』なら、薬草を十本。品質によって報酬の金額が変わるらしい。『ゴブリン討伐』はゴブリンを五体討伐して、右耳を五つ持ってくれば達成だ。此方も品質で報酬が変わる。



「よし、行くか。」



冒険者ギルドから出て、村の外にある森を目指す。森の中を歩きながら、薬草とゴブリンを探す。お、あったあった、薬草が一つ、二つ、三つ、十本。これで、薬草の方はいいな。次は、ゴブリン。



「グゲギャ!」


「ゲギャ、ギャ。」


「ギャ、ギャオ。」



お、噂をすればゴブリンだ、五体いるなこれでゴブリンの方も達成だな。



「よっ!」



その場で、足を振る。発生した衝撃波により、ゴブリン全員の首が飛ぶ。よし、キレイに倒せたな。



「え~と、右耳が、一、二、三…………よし、五つちゃんとあるな。」



さくさくと終わってしまったが、さっさと達成報告しに、冒険者ギルドへ行こう。
















「すいません。達成報告に来ました。」


「はい。何の依頼でしょう?」


「『薬草採取』と『ゴブリン討伐』です。」


「はい。では、ゴブリンの右耳からお願いします。」


「はい。」



ゴブリンの右耳を五つカウンターに乗せる。



「はい。確かにありますね。では、報酬の銅貨5枚です。」


「ありがとうございます。」


「次は、薬草をお願いします。」


「はい。」



取ってきた薬草十本をカウンターに乗せる。



「こ、これは。」


「どうしました?」


「全部、即効性のある、猛毒の毒草です。」



崩れ落ちる俺。毒草、猛毒、即効性。なんで、なんで、薬草採取で真逆の、さらにヤバいモノ取ってきちゃったんだよ。『採取依頼』はもう受けないほうがいいかもしれん。取ってきたモノ全部毒草になる気がする。



「大丈夫ですか?」


「はい、大丈夫です。この場合どうなるんですか?」


「依頼は失敗になりますが、常設依頼ですので、気にしなくてもいいですよ。此方の毒草はギルドの方で買いとらせてもらいます。」


「はい。分かりました。」



毒草十本の金額、銀貨10枚を貰う。結構高いな、あの毒草。




























あの後、家に帰り。昼食を食べた後はゆっくりする。直ぐに夕食を食べる時間になり、夕食を食べた後は直ぐに寝た。



食べて、依頼を受けて、食べて、ゆっくりして、食べて、寝る。そんなサイクルを続け、旅立ちの朝がやってきた。



「ん~。忘れ物は無し…………と。」


「ムト、大丈夫?」


「うん。準備出来たよ。」



旅立つ準備を終わらせる。



「それじゃ、行ってくる。」


「お兄ちゃん、行ってらっしゃ~い。」


「ムト、怪我や、病気に気をつけてね。」


「ムト、お前の力を見せてこい!」


「あぁ、行ってきます。」



目指すは、この国“ハルリア”の王都、“アシュレ”だが、まずは王都と、村の間にある。“ヤハト”の街を目指す。

再びの長旅になりそうだが、“ヤハト”にも“アシュレ”にも行った事がないので、今から楽しみだ。



村の入り口から伸びる道を歩く。



「ん~。長閑だな~。」



天気は晴天。こう清々しいと、気持ちが楽しくなってくる。魔物も出てこないし、楽でいいな。



「おい! 来てるか?」


「分からん!」


「近くに村があるハズ。そこまで、がんばろ!」


「村は駄目ですわ。魔物に襲われてしまいますわ。」


「そうですね。何処か戦いやすい場所で、倒しましょう。」



静かだと、思っていたが。面倒事がやって来たみたいだ。俺が歩いている道の右側の森から、冒険者であろう者達が出てくる。

スキンヘッドの大鎚を持った大柄の男。青色の髪をし、剣を持った男。赤い髪の拳士であろう獣族の少女。白髪巻き毛のドレスアーマー姿の女性。執事服っぽいのを着た、緑色の髪の男性の五人だ。

後ろからは、猪っぽい、赤くてデカイヤツと、茶色の中くらいのヤツが、冒険者達を追って走って来ていた。



「…………美味そう。」



猪って、美味いんだよな、よし、狩ろう。文句を言われたら、肉以外の牙とか皮を渡せば納得するだろうし。



「ふっ!」



一気に、赤くてデカイヤツの前まで行き。そのまま、受け止める。



「ぶほっ!?」


「ぶひひ!?」


「ぶひぶ!?」



デカイのだけじゃなく、中くらいのも驚いてるな。気配で冒険者達の位置を把握し、後ろにいない事を確認。背中を曲げる要領で、俺の後ろ側にひっくり返すように、猪を叩きつける。



「ぶごほぉっ!」


「ふんっ!」



『グキッ!』



猪の頭を掴んだまま、猪の首をおもいっきり曲げて、首の骨を折り絶命させる。そうこうしてるうちに、中くらいのヤツらは逃げ出していた。



「デカイのだけか。」



俺が、内心へこんでいると。



「おいおい、マジかよ!」


「特殊個体を持ち上げて叩きつけ、首折って倒すとか。」


「スッゴーイ!」


「何者なんですの?」


「見た事ありませんね。」



冒険者達がやって来た。驚き、興味、感嘆、疑惑、観察と色々な目を向けてくる。



「どーも、俺はムトって、いいます。」


「おう! 俺はバルドだ!」


「俺はレード。宜しく。」


「ボクはトトだよ~。」


「わたくしは、ノルティア・シーレンス。」


「ノルティア様の執事のアズルです。」



スキンヘッドがバルド。剣士がレード。獣族の少女がトト。白髪巻き毛の女性がノルティア。執事服というか、執事がアズル。



「あ、俺はこいつの肉以外いらないので、後はお好きなように。」


「え!? いいのか?」


「えぇ、まぁ。」


「わーい! ありがと~。」


「助かる。ムトくんは、何処に行くんだい?」


「“ヤハト”を経由して“アシュレ”に行くつもりです。」



行き先を尋ねられたので、正直に答える。



「“ヤハト”なら、そこの嬢ちゃんの護衛で、俺達も行くから、一緒に行こうぜ!」


「いいね~。それ!」


「そうだな。」


「まぁ、俺はいいですけど。」



俺が暗殺者とかだとは思わないのか?



「どうします? お嬢様。」


「いいのではなくて?」



いいのか。まぁ、暗殺者じゃないしいいか。

そんなこんなで、バルド達との旅が始まった。

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