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第38話『無敵少年』と『邪に堕ちし竜』

ムト視点に戻ります。




あれは、おそらく邪竜だ。暫く思考が停止していたが、分かったからには行動あるのみ!



「コスモス! 俺があのでかい竜をなんとかするから、リラ達の様子を見てきてくれ!」


「ムリュ!」



俺の頼みに、飛び上がって答えると、鳥になってヒークに向かって、飛んで行った。


さて、俺はあの竜をなんとかしますか。走ってヒークの側に行き、ジャンプしてヒークの城壁の上に立つ。


ヒークの中を覗き込むと、沢山の冒険者が邪竜へ向けて、魔法や矢を放っていた。攻撃を受けている邪竜のほうは、ヒークの上を旋回するだけで、何もしてない。というより、冒険者達が見えてないのか?


とにもかくにも、倒すためには周辺被害を考えて、ヒークから誘き出す。いや、飛ばす(・・・)のが早いな。


城壁の上を駆けて、いいポイントを探す。………この辺でいいかな? 城壁から邪竜へ向けて飛び出す。こちらに気付いた邪竜が、ブレスを放とうとするが、もう遅い。邪竜の横側の身体に蹴りを叩き込み、ヒークの外側へ飛ばす(・・・)



「“歩法”飛駆」



空を駆けて、邪竜が飛んで行ったほうへ、向かっていく。


あれ? 邪竜がすごく辛そうだ。強く蹴りすぎたかな? 邪竜がこちらへ向けて、ブレスを放ってくる。



「【英雄の投げ槍(グングニル)】」



ブレスを殴って、消し飛ばす。それを見た邪竜が、驚愕の表情を浮かべる。次はこっちの番だ!



「【龍王の覇双撃(ドラグ・バースト)】」



邪竜の背中に両拳を叩き込む。爆音が響き、邪竜の身体が弾け飛ぶ。



「よっし、倒せた。さぁーて、リラ達のところに向かいますか。」



俺は、絶命した邪竜をそのままにして、ヒークへと向かった。



























「おーい。皆な無事かー?」


「ムト!」



ヒークに入って暫く歩くと、冒険者ギルド前に皆な集まっていた。どうやら、大きな怪我もなさそうなので、安心だ。



「ムト、邪竜は?」


「うん? 倒したけど?」


「やっぱり。」


「流石というか、なんというか。」


「はわわわ! ムトさんやっぱり強いんですね~。」


「ムリュムリュ!」



納得されちゃった。まぁ、ステータス見せた仲だしな。



「にしても、何のために襲撃してきたんだろうか?」


「確かにね。」


「んん? “邪”ってつくくらいだから、悪い事したいっていうのが、目的じゃないんですか?」


「いや、邪神の眷族は仲間を増やすのが行動理由だって聞いた。」


「ムリュ?」


「う~ん? 仲間を増やすために襲撃したんですか?」


「まぁ、そこらへん詳しく調べるのは、俺達じゃないだろ。」


「だな。」



邪神の眷族の襲撃を回避した俺達は、これから巻き起こる事件について、気付かなかった。ヤツらは、着々と準備を進め、後は、二人(・・)の人物が必要なだけだった。


話し合うムト達を、屋根の上から見つめる一匹の猫がいた。そして………



「見~つけった! 姫巫女とブラァァァァック!」



口元を三日月のように歪めた猫は、しわがれた声で、呟いた。

幕間挟んで、VS〈悪魔の茶会デモン・ティーパーティー〉編になります。

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