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第37話『英雄少女』と『邪に堕ちしモノ』

リラ視点です。


ブックマーク数100件突破!





「さて、ギルドまで来たわけだけど、なんの依頼を受ける?」


「そうですね、前までは、採取依頼ばかり受けてたんですけど、お二人がいるから、討伐依頼も大丈夫です!」


「とりあえず、数をこなそう。フィリルのランク上げが最優先だ。」



ムトとコスモス、二人と別れた私達は、ギルドの掲示板の前で話し合い、受ける依頼を決めていた。そして、話し合った結果、常設依頼のいくつかを達成する事に決まった。



「それじゃ、近場の森に行くか。」


「そうだね。もしかしたら、ムト達に会えるかも。」


「はい! 行きましょう!」



ギルドから出て、門へ向けて歩きだす。その時、突然巨大な影がさしたので、上を見上げると、光が降ってきた。



「ッ!? 【黄金之月盾アウルム・ルナ】!」



直ぐ様、周囲を【黄金之月盾アウルム・ルナ】で囲む。【黄金之月盾アウルム・ルナ】は護る対象が、多ければ多いほど、効果が高まるので防ぎきれるハズ!



「あわわ! なんですか!?」


「どうやら、襲撃のようだ。」


「うん。しかも、相手は……」



爆発により立ち込めた煙が晴れると、光を落としたヤツの姿がしっかり見えた。


禍々しい黒紫色の身体に、ギラついた目、口からは、障気を吐き出している。以前にも見た姿。私はヤツを倒した事で、英雄と呼ばれる事になった。



「……邪竜。」



世界の敵、“邪に堕ちしモノ”がそこにいた。



























「グルォォォォォォ!!!」



「…………。」



前に戦ったのは下位竜だったけど、今回のは中位竜クラスだ。前回のようにはいかないだろう。それに



「ハハハハ! 派手にキめられたなぁ! 今から惨劇を始めるぜぇ!」


「まったく。下品ね。もっと、美しく殺してあげるのが優しさよ。」



邪人が二人。勝てる確率がぐっと下がった。でも、ゼロじゃない。



「はわわわ。強そうですね。」



フィリルの周りにはいつの間にか、七つの輝く球体が浮かんでいた。おそらく【輝虹ノ守護者(ナナイロノホシ)】だろう。



「やるしかないみたいだな。」



グレイも無数の輝く矢を後方に浮かばせ、矢をつがえた弓を構えている。



「【黄金之月盾アウルム・ルナ】そして、【白銀之陽剣(アルゲントゥム・ソル)】」



ここは、全力でいく。



「ハハハハ! なかなか強そうなヤツがいるじゃねぇかぁ!」


「そうね。少しは、楽しめそう。」


「えーと。とりあえず。【簡易聖域セイント・フィールド】です!」



フィリルの言葉とともに、周囲が空色の光で満たされる。とても、温かい。



「なんだぁ、力が!?」


「聖魔法使いがこんなところに!?」


「まだまだいきますよ! 【疾風の靴(ウィンド・ブーツ)】【鉄壁の鎧(メタル・プレート)】【剛力の刃(ストレンジ・ブレード)】」



三つの光が私達を包み込む。強化系の魔法かな? フィリルってかなり優秀みたい。



「こいつはいい。“弓技”竜巻の一矢(トルネード・アロー)


「だね! “剣技”銀炎の鳥刃(シルバー・バード)


「ちっ! 【イビル・クロウ】!」


「【ダークネス・シールド】」



私の剣技は爪に受け止められ、グレイの一撃は魔法の盾で防がれる。上にいる邪竜にも集中しなきゃいけないけど、誰かが撹乱しているのか、攻撃してこない。



「先ずは、この光をなんとかしねぇとなぁ! 【ネイル・ショット】!」



障気を纏った爪が、フィリルへと飛んでいく。カバー出来ない!



「ホシさん達、防御陣形です!」



フィリルの周りの球体が集まって、光の壁を作りだし、飛んでいった爪を弾き飛ばす。



「ちっ! めんどくせぇ!」


「どうやら、あの娘が一番厄介みたいね。さぁ、起き上がりなさい。」



女の邪人の言葉とともに、影の化け物が現れる。そして



「さぁ、行きなさい!」


「ぐぉぼぉヴおおぉぉぉ!」


「なにッ!?」



グレイへと迫る。



「グレイ!」


「貴女の相手は私よ。」


「くぅ!」



女の邪人に阻まれて、グレイを助けに行けない。



「今よ。やっちゃいなさい!」


「ナイスアシストだぜぇ! どこまで耐えられるか、試してやるぜぇ! 【イビル・トルネード】」


「はわわわ! 絶対防ぎきります!」


「さぁーて? どうかな【イビル・トルネード】!」


「フィリル!」


「貴女の相手は私だって、言ったでしょ?」


「くっ!」



このままじゃ、フィリルが。万事休すなその時。



「ムリュ!」



聞き覚えのある鳴き声とともに、フィリルに迫っていた竜巻が消し飛ぶ。



「なんだぁ!」


「ムリュゥゥゥゥ!」


「ぐぼぁ!」


「ムリュ! ムリュ! ムリュ!」


「なっ!? がっ! ぐほぉあっ! げぼぁっ!」


「ムリュリュリュ、ムリュー!」



『ドパァァァァン!!!』



爆発音とともに、男の邪人の身体が爆散する。そして、それを行ったのは



「コスモス! 助けに来てくれたんですか!」


「ムリュリュ!」


「ありがとうございます。」



コスモスの能力値が高いのは知ってたけど、さっきのはどう考えても、“魔拳技”だよね。それも、師範代クラスで使いこなしてたきがするんだけど……ムトだよね。



「は? え? 子供? え? どういう?」



女の邪人が混乱してる。まぁ、そうだよね。

邪竜はどうなったかな? 上を見上げると、何もいなかった。なんだか、外から爆音がするけど、ムトが戦って………ううん。無双してるのかな。



「“剣技”銀炎剣舞シルバー・ソードダンス!」


「しまっ! ぐっ、」


「不意討ちでも、よそ見したあなたのミス! “奥義”銀竜の陽輝刃(ドラグ・ソルブレード)



かつて邪竜を滅した奥義で、女の邪人を縦に両断し、銀の炎で焼き付くす。

邪人のほうはこれで終わり、邪竜のほうもおそらくムトが倒しているハズ。グレイが戦っていた影の化け物も、女の邪人を倒した事で消えたし、今回の戦いは、私達の勝ち!






作「“邪に堕ちしモノ”登場です。」


ム「邪神に惑わされたモノの事を、言うんだっけか。」


作「そんな感じ、力を強く欲しているモノや、復讐心にとらわれたモノが堕とされやすいです。」


ム「へぇ~。」

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