第34話『ヒークへの道中』と『新な仲間?』
「ふわぁ~。天気がよくて気持ちいいですね~。」
「ほんとだね~。」
リラとフィリルが、楽しそうにガールズトークをしている。あれに割り込むのは無理だ。うん。
「楽しそうだな。」
「まぁ、今まで男二人、女一人だったからな。」
「成る程。」
嬉しいのだろう。本当に楽しそうに話し合っている。
「にしても、本当に長閑だな。盗賊もでないし、魔物もでないし、平和が一番だな。」
「はわわわ! 大変ですよ!」
「どうした?」
突然フィリルが慌てだし、近くの木の木陰に走りだした。
「どうしたの? フィリル。」
「見てくださいリラさん。かわいいですよ。」
「うん? どうだろう……」
フィリルが拾ってきたのは、青色のスライムだ。フィリルの腕に抱かれて、ぷるぷるしている。にしても、スライムが可愛いとは、フィリルの感性はずれてるな。
「このスライム飼いますね。名前は………コスモスです!」
「ムリュ!」
「気に入ってくれましたか?」
「ムリュ、リュリュ!」
「よかったです。」
仲間にスライムが増えた。というか、普通のスライスだよなコイツ、なんだか妙に貫禄がある気がする。
「そうだ! 私はフィリルです!」
「ムリュ!」
「私はリラ。宜しくね、コスモス。」
「リュリュ!」
「俺はムトだ。」
「ムリュムリュ。」
「俺はグレイだ、宜しく。」
「リュッリュッ!」
新な仲間? コスモスに挨拶をして、仲良くなっておく。というか、人懐っこいなコイツ。今は、フィリルの頭の上に乗っている。
「さぁ、行きましょう!」
「リュリュー!」
新な仲間コスモスを加えた俺達は、ヒークへ向けて、歩き出した。
◇
ガーネアを出発してから、一日がたった。コスモスは雑食のようだが、リラの食事を気に入ったらしく、鍋に残ったのまでキレイに食べていた。
後、俺が修行場所から持ってきた木の実やら、キノコやらも美味しそうに食べている。ちなみに、アイラに聞いて、食べられるモノだけ取ったので、問題ない。
「なんだか、コスモスが元気いっぱいですね。」
「そうだね、色艶もよくなったかな?」
「肌触りも凄いですよ!」
「ほんとだ、スベスベ!」
なんだろう、貫禄に神々しさが加わったな。一日でここまで変わるのかな?
談笑しながら、朝食の準備をする。今日は、ベーコンとレタス、タマゴ、の二種類のサンドイッチが、二つづつだ。
朝食を済ませて、歩きだす。昨日と同じように、今日も天気がいい。
「ふん♪ ふん♪ ふふーん♪」
「リュ♪ リュ♪ リューン♪」
「楽しそうだな。」
「うん。」
先頭を、鼻歌を歌いながら歩いていくフィリルと、フィリルの頭の上で、同じく鼻歌を歌っているコスモス。実に楽しそうだ。
「昨日聞いたんだけど、フィリルは、天人族の中でもかなり位の高い家の出身みたい。なんで天空島を出たのかは、教えてくれなかったけど、辛い事があったみたい。」
「コスモスと会えて、癒されたんだろうな。」
「成る程。だから無理やりの笑顔だったのか。」
「グレイ、無理やりって?」
「ん? コスモスと会うまでは、無理して笑ってただろ?」
「そ、そうなの?」
グレイ凄いな、そんな事分かるのか。
「ムリュ?」
「どうしました? コスモス。」
突然、コスモスが周囲をキョロキョロしだす。まぁ、スライムだから、身体をふりふり動かしてるようにみえるが、キョロキョロしてるんだろう。すると、地面が揺れだした。
「何!?」
「地面の下に、何かいるぞ!」
一際大きく揺れた後、轟音とともに地面から巨大なモグラが出てくる。
「デカっ!?」
「『ビッグバンモグラ』だ!」
「変な名前だよね!」
地面から出てきた、超でかいモグラは。フィリルに向かって、巨大な爪を振り上げる。
「マズイ!」
直ぐにフィリルを助けるため、足に力をこめるが、それより早く、コスモスが飛び出した。飛び出したコスモスは、そのままの勢いで『ビッグバンモグラ』に体当たりし、突き抜けた。
「「「「え?」」」」
「リュリュ!」
『ビッグバンモグラ』を一撃で絶命させたコスモスが、どうだ! と言わんばかりに、ピョンピョン跳ねる。
「コスモス……こんなに強かったんですか!?」
「いくらなんでも、強すぎないか? 俺でも、目で追うのがやっとだったぞ。」
「速さは私と同じくらいかな?」
「どうして、こんなに強いんだ?」
俺達が疑問に思っていると、コスモスの身体の前に、半透明の板が現れる。そこに書かれていたのが
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【名前】コスモス
【種族】アンノウン・スライム
【性別】無し
【年齢】1
【主人】フィリル・ロア・リシュディア
『攻撃力:A』
『防御力:SSS』
『知力:D』
『精神力:SS』
『俊敏性:S』
『器用:D』
≪スキル≫
【調薬:Lv1】【錬金術:Lv1】
【彫金:Lv1】【木工:Lv1】
【細胞強化:Lv10】【衝撃吸収:Lv10】
【魔法吸収:Lv10】【体内工房:Lv━】
【無限の胃袋:Lv━】【存在操作:Lv━】
【千変万化:Lv━】
≪備考≫
正体不明のスライム。
元々は、ただのエンペラースライムだったが、謎の進化をとげることで、姿はおろか、存在すらも自由に変えられるようになった。
神も、これがスライムなのか、そうでないのか分かっていない。
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「「「「…………。」」」」
「ムリュ?」
見なかった事にするべきか、コスモスを凄いと褒めるべきか。さて、どうしよう?
「コスモス………人間になれますか?」
「ムリュ!」
フィリルの言葉に返事をした後、コスモスがうねうねと伸びたり、縮んだりした後、七歳ぐらいの子供の姿になる。髪と瞳の色は同じで、青色が混じった銀色だ。
「ムリュリュリュ!」
「一歳だから、言葉を上手く話せないようだな。」
「でも、かわいいです!」
「ムリュ!」
褒められたコスモスが、嬉しそうに笑って、フィリルに抱きつく。
それにしても、うちのパーティーは規格外が多いな。
作「〈自由の虹翼〉のマスコット、コスモスが加わりました!」
ム「なんで、あんなに強いんだ?」
作「ムト達と会った頃は、ただのエンペラースライムだったんだけどね。」
ム「じゃあ、なんで?」
作「作中で語るつもりはないので、ここで説明します。ただ、長くなるので、興味の無い人は飛ばしてください。」
作「コスモスについて説明する前に、【無敵之存在】の説明をします。」
ム「なんで?」
作「大事だからだよ、【無敵之存在】は、ムトの細胞一つ一つに、無敵な力が流れる能力です。」
作「心臓から血液にのせて、全身に無敵な力を流しています。」
作「そして、皮膚や爪等が身体から離れると、無敵な力の供給が止まるため、ただの皮膚や爪になります。」
作「しかし、一日ぐらいなら、力の残りカスがあります。」
作「カスといっても、無敵ですが。」
作「話をコスモスに戻します。」
作「コスモスが仲間になった夜に、ムトが爪を切った訳です。(噛み千切ったが正しいけど)」
作「それをムトが処分しようとしたら、コスモスが取り込んだわけです。」
作「スライムは、取り込んだモノを少しづつ自分の細胞に馴染ませ、自分の細胞に変えます。」
作「無敵な力は、ムトに不利益を与える事はせず、利益になる事には積極的です。」
ム「その結果がコスモスか……」
作「その通り。」




