表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
34/69

第33話『ガーネア出発』と『三人目』




「準備出来た?」


「おう、バッチリだ。」


「こっちも準備出来たぞ。」


「それじゃ、出発しよう。」



準備を済ませた俺達は、ガーネアを出発した。目指す場所は、国境都市ヒークだ。

ここからなら、十日もあればたどり着く。まぁ、普通に行けばだけど、その間に何かがあれば、その分だけ到着が遅れるだろう。



「何事もなければいいんだけど。」


「本当にな。」


「まぁ、普通ならおきないだろ。」



普通じゃない気がするから、祈ってるんだけど。若干の不安を感じつつ、歩いて行く。



「長閑だな~。」


「だね~。」


「そうだな。」



空にはお日様が輝いて、雲が流れていく。そよぐ風が足元の草を揺らしている。そして、倒れている人………人?



「誰か倒れてる!?」


「ほんとだ!」


「なんでこんなところに?」



直ぐに倒れている人に近づく、白いローブを着てフードをかぶっているため、男か、女かは、分からない。



「おい! 大丈夫か?」


「しっかりして!」


「起きろ!」


「……ぅぅ……」



呼び掛けると反応があった。まだ生きてる証拠だ。



「何があった?」


「……た……」


「た?」


「……食べ物を……」


「「「…………。」」」



どうやら、お腹がすいているようだ。


その後、リラが簡単な食事を作り、それを差し出すと、ガツガツと食べだした。



「モグモグ、これは! モグモグ、とても、モグモグ、美味しいです。」


「たくさん食べてね。」


「モグモグ、はい! モグモグ。」



よく食べるな。次から次へと、口に料理をいれていく。食べる量も凄いが、食べるスピードも凄い。それにしても、誰なんだろう? 声の感じからして女性という事は分かるが



「ふぅー。ご馳走さまでした。危ないところを助けて頂き、ありがとうございます。見聞を広げるために故郷から出て、旅を始めたんですが、何故か黒服の人達に、追いかけられまして。逃げている間は、食事をする暇がなくて、ここで力つきました。」



成る程。苦労してるんだな。にしても、なんで追われてるんだ?



「あ、フードをかぶってたら失礼ですよね。」



そう言ってフードを取る。淡く光る白い髪に、空色の瞳をした美少女が現れた。いや、重要なのは、そこじゃない。彼女の耳の上には特徴的なモノがついている。それは、翼。小さな翼だ。



「“天人族”? なんで、こんなところに?」


「成る程。なんで追われたのかだいたい分かったな。」


「あぁ。」


「え!? そうなんですか?」



天人族。かなり希少な種族で、天空島というところに住んでいる。天人族は総じて美形であり、協力な癒しの力を持っている。そのため、天人族を手に入れようとする貴族や、王族は多い。多分、この娘は、そんな連中に連れ去られそうになったんだろう。

彼女にその事を説明すると、驚いて。



「ええー! そうだったんですか? 下にいる人達は、皆いい人だと思ってたんですけど。」


「悪い人もいるから注意してね。」


「分かりました! あ、私、フィリルと言います!」


「私はリラ。」


「俺はムト。」


「俺はグレイだ。」


「リラさん、ムトさん、グレイさんですね。覚えました! それで、皆さんはどういう集まりで?」


「〈自由の虹翼〉っていうクランだよ。」


「クラン………そうだ! 私もいれてください。これでも一応冒険者ですから。」



俺達がクランである事を説明すると、フィリルは、入りたいと言い出した。まぁ、天人族は癒しの力を持っているというから、回復役が入るという事。こちらとしては、ありがたいけど。



「いいの? そんな簡単に決めて。」


「皆さんいい人です! 皆さんといれば、守ってもらえますし、私は皆さんが怪我をしたら治します。ウィンウィンの関係ですよ!」


「どうするリラ? 俺はいいけど。」


「私もいいと思う。グレイは?」


「俺もいいと思うぞ。」


「やりましたー! ステータスお見せしますね。」


「それじゃ、俺達も。」



互いに、ステータスを見せ合う。

そして、これがフィリルのステータス。




■■■■■■



【名前】フィリル・ロア・リシュディア

【性別】女

【種族】天人族

【年齢】16

『攻撃力:D』

『防御力:C』

『知力:S』

『精神力:SS』

『俊敏性:C』

『器用:A』


≪スキル≫

【光魔法:Lv5】【聖魔法:Lv5】

【樹木魔法:Lv3】【天魔法:Lv5】

【鑑定:Lv4】【輝虹ノ守護者(ナナイロノホシ):Lv━】

生命ノ空(テンノイヤシ):Lv━】


≪称号≫

『聖神の寵愛』『癒神の寵愛』

『聖霊王の祝福』『天空の住人』

『虹星の癒姫』



■■■■■■




回復役としてはかなり優秀なほうだろう。光や聖等の回復魔法が使える魔法に、サポートに最適な樹木魔法。天魔法はなんだろう? 天人族の固有魔法か何かかな?



「皆さん凄いですね、特にムトさん。」


「ムトは別格だよね。」


「一人だけ違う次元にいるよな。」


「そ、そんなに?」



まだ、あまり実感がないんだよな。自分がめちゃくちゃ強いってこと、まぁ、これから知っていけばいいか。


こうして、新な仲間フィリルを加えた俺達は、再びヒークに向けて歩き出した。





新たに、フィリルが加わりましたね。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ