第31話『幽霊屋敷』と『再び』
お待たせしました。リアルでやる事が多くて、投稿に時間がかかりました。
『━━━━以上。』
『イヤー、イイハナシダッタナー。』
「「「…………。」」」
え? あれ、マジもんの邪神だったの? てっきり強がりで邪神だって、言ってるのかと思ってたんだけど。
『びっくりしたよ。急に、大邪神の反応がしたと思ったら、直ぐに消滅するんだもん。』
『はぁ!? って、なったね。』
「ムトって、その時にはもう強かったの?」
「さぁ? 五年ぐらい修行したら、そこら辺の魔物は、一撃で倒せるようになったな。」
「『終焉ノ地』の魔物をか?」
「その『終焉ノ地』が、よく分からないんだけど、そんなに凄い場所なのか?」
「うん。人間が暮らせる環境じゃないし、巣くう魔物も、一体で国を潰せるレベルだよ。」
「えっ? そんなに強かったのか。」
最初に遭遇した時は『ここの魔物はタフだけど、攻撃力は皆無。』だと思ったからなぁ。
『そういうわけで、邪神を……それも大邪神を倒したムトくんには、感謝してるんだ。』
『そういう事。……むむ!? 女神達の気配がするので、これにて失礼!』
そう言い残して、神々の気配は去って行った。
「そうか、あれ邪神だったのか、そうか。」
「神を倒すなんて凄いね!」
「まったくだな。」
俺もそう思う。っていうか、俺の真似をする、黒髪黒目が出てこない気がしてきた。
「とりあえず、これで解散! 各自、また自由行動にしよ! 私はギルド行くね。」
「あ、俺もギルド行こう。」
「ふむ。では、俺も行くとしよう。」
結局。三人別れてではなく。三人一緒に行く事になった。
◇
「うーん? どの依頼がいいかな?」
「今日中に終わるのは………」
「採集系以外で頼む。」
俺達三人はギルドの依頼を見ながら、どれがいいか話し合っていた。
ん? この依頼は……
少し気になる依頼があった、『幽霊退治』という依頼だ。何故気になるかというと、場所が、以前俺が調査した幽霊屋敷だったからだ。受注可能なランクは5。
「なぁ、これ。」
「ん? なになに。『幽霊退治』?」
「これにするのか?」
「実は、俺が以前、調査した屋敷にいるらしいんだ。」
「成る程ね。よし、受けよう。」
「だな。」
受付で依頼を受注して、俺達三人は、さっそく幽霊屋敷に向かった。
◇
「ここだね。」
「幽霊には一度出会ってるから、直ぐ分かると思うぞ。」
「用心するんだぞ、ランク5の冒険者が、行方不明になってるんだからな。」
そう。なんでも以前、この屋敷を調査した冒険者を助けに行った、ランク5の冒険者が帰って来なかったらしい。
「とりあえず、お邪魔しまーす。」
「無人なんでしょ? 挨拶しても意味ないんじゃ………」
「来たわね! ここで会ったが、百年目よ!」
出た。以前調査した時に会った幽霊が出てきた。
「あれが、幽霊だ。」
「ちょっと、“あれ”ってなによ! “あれ”って!」
「ふーん。じゃ、さっさと倒して帰ろう。」
「だな。」
「ふふふ。そうはいかないわよ! 出てきなさい! 下僕達!」
幽霊少女の言葉とともに、部屋から、床から、天井から、何人もの冒険者風の格好をした、人達が出てきた。
「今までに、この屋敷に入って来たバカ達よ! 前は冒険者だったけど、今は私の下僕よ!」
「面倒な能力だな。」
「だね。」
「幽霊を倒せば、下僕から解放されるだろうから、殺さないように気をつけろよ。」
「「分かった。」」
『幽霊&元冒険者軍団VS俺達』の、戦いが始まった。




