第26話『大技』と『解決』
━━━【破滅ノ天嵐舞踏】
この技を思い付いたのは、修行場所にある『無限迷宮』に挑んでいた時だ。
あの時、ボスである『幻影ノ行進曲』は倒しても、倒してもきりがなかったので、なんとか一網打尽にできる手がないかと考えていた時に、ひらめいた。
「しっ!」
まずは、天井目掛けて跳ねる。続いて、天井付近に近づいた時に、身体の向きを変えて、天井に足をつく。そして、適当な方向に突撃する。そして、突撃した方向に壁があったら、そこに足をついて、また、適当な方向に突撃する。後は、コレを繰り返すだけ。
跳ねる旅に暴風が起きて、ボス部屋内を蹂躙する。さらに、衝撃波も巻き起こり、ボス部屋内のモノをめちゃくちゃにする。こんな感じで、この技は擬似的な“嵐”を発生させる技だ。←注:嵐もここまでひどくないと思う。
「た、耐えられるかな?」
「いっぱい、いっぱいな気がするな。」
さて、そろそろ蟷螂どもは全滅したかな?
跳ねるのを止めて、床に着地すると
「酷いな、これは。」
床、天井、壁がズタボロになっており。蟷螂だったモノの残骸がそこら中に転がっていた。
「終わったみたいだね。」
「とんでもない技だな。」
「まぁ、“奥義”みたいなもんだしな。」
“奥義”と言えるモノの中では、弱い方だけど。
「とりあえず、ヤツを追おう。」
「うん!」
「そうだな。」
蟷螂の残骸や瓦礫を避けて、ボス部屋の階段に行き、そのまま登る。階段を登りきると、黒幕の男がいた。
「バ、バカな! どうやって『絶望蟷螂の母』を倒したんだ!」
「小規模な嵐を起こした!」
「小規模?」
「あれは、そんなレベルじゃなかったぞ。」
え? ま、まぁ、細かい事を気にしても仕方がない。今は、目の前の 黒幕に集中しよう。
「ククク。なめるなよ、この私もそうとう強…げぶらっぱ!」
「よっし! 依頼達成だな!」
「死んでないよね?」
「あぁ、大丈夫みたいだ。」
この後、どうするか話あった結果。他の蟷螂達は今戦っている冒険者に任せて、俺達は、今回の黒幕を引き渡すために、冒険者ギルドに戻る事にした。
◇
リラの【帰還】で迷宮から出た俺達は、黒幕の男を担いで冒険者ギルドに向かった。そして今、俺達はマスタールームにいる。
「で、そこに簀巻きにされて転がってるのが、今回の首謀者だと……本当なのか?」
「はい。自分で言ってました。」
「分かった。後の事は我々に任せてくれ。あぁ、報酬は受付で受け取っておくようにな。」
「「「はい!」」」
用事が済んだので、マスタールームから出て受付で報酬を貰った後、宿屋に帰った。とりあえず、今日のところは休む事になった。




