第24話『塔の迷宮』と『大量発生』
「迷宮行くよ!」
「突然どうした?」
「あぁ。何故迷宮?」
「連中が来た時に、簡単にやられないようにするためだよ。」
「成る程な。」
朝起きるとこんな感じで、今日と今後の予定を決めた。というわけで、俺達は迷宮のある場所へ向かった。
「着いた! ここだよ。」
「これが………」
そこには、塔が建っていた。入り口には冒険者っぽいヤツらが入ったり、出たりしているので、これが迷宮なのだろう。
「さっそく行こっか!」
「おう。」
「だな。」
三人揃って迷宮へと足を踏み入れる。中は迷路のようになっていて、分かれ道や、十字路が多い。
「とりあえず、上に登る階段を探そ。」
「分かった。」
「了解。」
ちなみに、俺とリラが前に並んで、グレイは後ろにいる。
「お、さっそく来たね。」
「ゴブリン2体に、蝙蝠が一匹か。」
「さくっと、倒すぞ。」
まだ一階層目なので、ゴブリン2体は俺の蹴りと、リラの剣の一撃で光になり。蝙蝠の方もグレイの矢を食らって、光になった。
「この調子でドンドン行こっ!」
「だな。一気に進もう。」
「あぁ、ここじゃ訓練にもならない。」
◇
「“剣技”雷の斬撃」
「“弓技”竜巻の一矢」
リラがオーガの足を、雷を纏わせた剣で切り裂き。怯んだところに、グレイの矢が突き刺さる。
俺達は、十階層のボスである『オーガ』と戦っていた。
「がぁぁぁあぁぁぁ!」
「ふんっ!」
オーガの降り下ろした斧を受け止める。うん、このまま斧を破壊できそうだが、やめておく。
「ムト、ナイス!【雷光槍】!」
「“弓技”水流の一矢」
リラの魔法とグレイの矢が突き刺さり、オーガは光になって消えた。
「『鬼の角』かぁ………使わないよね?」
「俺は武器も防具も使わないからな~」
「鏃に使えなくもないが、間に合ってるからな。」
迷宮での修行で問題なのは、魔物が落としたアイテムが使えないという事だ。俺は武器も防具もいらないし、リラは剣も防具も暫くは新調しなくていいみたいだし、グレイもリラと同じだ。
「まぁ、ギルドで売ればいいんだけど。今のところお金も使わないしな~。」
「まぁ、それは後で考えればいい。今は迷宮に集中しよう。」
「そうだな。次の階層に行こうぜ。」
ボス部屋の階段を登り、次の十一階層に行く。すると
「なんか、騒がしいな。」
「みんな、戻ろうとしてるみたいだね。」
「なぁ、何があった?」
俺とリラが軽く困惑していると、グレイが一人の冒険者に事情を聞きだした。
「どうやら、魔物が大量発生しているらしい。」
「何の魔物?」
「『死神蟷螂』らしい。」
「え!? なんで、三十階層以降に出てくる魔物が、こんなところに?」
「分からん。だが、一旦引くぞ。」
「ぎゃぁぁぁぁ!!!」
悲鳴!? 悲鳴がした方を向くと、十匹以上の蟷螂達が、階段の側の安全地帯に入り込もうとしていた。
「嘘だろ!?」
「早く逃げなきゃ!」
「うわぁぁぁぁ!!!」
冒険者達が我先にと、階段を降りて行く。
「逃げる前に、アイツら片付けるか。」
ここに来る前は結構自重していたので、ここで、少したまった鬱憤をはらさせてもらう!
「【英雄の投げ槍】」
安全地帯に入り込もうとしている蟷螂に向けて、おもいっきり拳をぶつける。もろに食らったヤツはその場で粉微塵になり、余波を食らったヤツらは身体が弾けとんだ。
「ムト一人で、大量発生した魔物片付くんじゃ………」
「俺もそう思う。」
やる事が済んだので、俺達は階段を下り、そのままの勢いで、迷宮から脱出した。
◇
「さっそく依頼が出てるな。」
「みたいだね。」
「えーと、ランク4以上か……」
迷宮から出た後、そのまま冒険者ギルドに入った俺達は、大量発生した『死神蟷螂』の駆除依頼を見つけた。
「受けるか?」
「当然! いつまでも、待ってるよりましだしね!」
「だな! さっそく行くか。」
受付で依頼を受注した俺達は、再び迷宮に向かった。




