第22話『達成報告』と『ランク昇格』
「それで? オークキングを倒したというのは、本当かね?」
「はい。そうですけど?」
濃い青色の髪と瞳をしたおじさん……もとい、ギルドマスターが質問してきたので、答えを返す。
すると、今度は一緒にマスタールームにいるリム達に質問する。
「君達も見たそうだけど、本当かね?」
「はい。この目で見ました。」
「凄かったな~」
「お陰様で、ガッポガッ………コホン。私も見ました。」
あ、何故こんな事になったかを簡単に説明する。
ギルドに依頼達成を報告する。→オークキングが出た事を伝える。→ギルドが大騒ぎ。→リム達が来て、オークキングの素材を売る。→再びギルド大騒ぎ。→俺がオークキングを倒したとリム達が伝え、ギルドマスターに呼ばれる。→マスタールームで事情を聞かれる。←今ここ。
「で、どうやって倒したんだ?」
「蹴り潰しました。」
「うん? 何をだ?」
「いやだから、オークキングを、踵落としで蹴り潰しました。」
正直に伝えると、“何言ってんだコイツ”みたいな顔をされ、本当かどうか確認するようにリム達の方を見ると、リム達は肯定するように頷いた。それを見て、頭を抱えるギルドマスター。
「あぁ~。とりあえず、ムトはランク4に昇格だ。」
「え?」
「オークキング率いるオークの群れを、単独で壊滅させたんだ、実力ならランク6だぞ。だが、ランク2からいきなりランク6だと、色々言われるだろうから、ランク4に昇格だ。」
「ありがとうございます。」
「時間とらせて悪かったな、もういいぞ。」
ギルドマスターから許可を貰ったので、退出する。
「あ~。緊張した。」
「そうかな~?」
「そうでもないですね。」
「だな。」
「…………アンタ達、肝が据わってるわね。」
この後。ランク昇格手続きがある俺は受付へ、リム達は、自分が泊まっている宿に戻る事になった。
「また会おうねー!」
「さよならです~。」
「じゃあね!」
「おう! またな!」
リム達と別れて、ギルドの受付へ向かう。
「ランク昇格の手続きに来ました。」
「はい、ムトさんですね。ギルドカードを出してください。」
「はい。」
「お預かりします。少々お待ちください。」
ギルドカードを預けて、暫く待つ。
「はい。更新終わりました。」
「ありがとうございます。」
更新されたギルドカードがコレだ。
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【名前】ムト・クレウェル
【性別】男
【種族】人族
【年齢】17
【ランク】4
『所属クラン』
〈自由の虹翼〉
『受注依頼』
なし
■■■■■■
ちゃんと、ランク4になったようだ。これで、俺の目標は一応達成だ。今日のところは、宿に帰ろう。
◇
「着いた、着いた。」
今回泊まっている宿は“蒼空”という。
「あ。ムトお帰り。」
「リラただいま。」
宿に入ると、リラと出くわした。
「ムト、ランクはいくつになった?」
「あぁ、4になった。」
「え? 早いね、流石ムト!」
「早すぎないか?」
リラと話していると、グレイも帰って来た。
「三人揃ったみたいだし、情報の共有しよ!」
「そうだな。」
「そうしよう。」
三人揃ったので、リラとグレイが聞いてきた情報を共有する事になった。




