第18話『黒い紙』と『新たな仲間』
〈自由の虹翼〉に新たなメンバーくる!
「〈悪魔の茶会〉!? ヤツらがそうなの?」
「あぁ、多分そうだ。」
「依頼人、なんかの組織なのか、悪趣味な名前だな。」
「確かに。それで…………」
「同意だ。それで…………」
「「誰?」」
「あぁ、あいつらに、ここにある紙切れを取ってきて欲しいと依頼された、冒険者のグレイだ。知らず知らずとはいえ、悪事に加担させられたのは許せないな。」
「成る程。それで? 紙切れって?」
「なんでも、黒い紙切れらしい。」
「コレの事? この前、商人の人から貰ったんだ! あげる!」
レイナちゃんが、真っ黒な紙に白い文字で何かが書かれた紙を持ってきた。
「んん? 読めないな。」
「確かに、何て書いてあるんだろ?」
「うーん? “聖霊文字”とは違うし。」
「“神語”でもないな。」
皆なが皆な読めないなか、いくつかを読む事が出来た。
「『不滅之黒炎ハ総テヲ焼キ尽クス』」
「ムト、読めるの!?」
「今のとこと、あと二つだけだけどな。」
そう言うと、皆な驚く。
「えーと、『心ヲ失イ暴レル獣』『獣ヲ我ガ物トスル技法ハ』以上だ。」
「………嘘。」
「ムト、すまん。俺達は戻る。」
フェネがそう言うと、アイラとともにいなくなる。
「ん? どうしたんだ、さっきの二人は?」
「さぁ? ムト、何か分かる?」
「いや、ただ珍しく焦ってたな。」
そう。いつも冷静な二人が、焦っていた。この紙に書かれていた事が、そこまでヤバい事なのか?
それに、何故俺はこの文字を読める?
「うーん? ん? 私も読める!」
「俺はさっぱりなんだが、凄いな。」
「えーと『獣ハ巫女ヲ殺サナイ』ここだけは、読める。」
「ほとんどが、“獣”に関する事だな。」
「とりあえず、ギルドに届けよう。」
そして、三人で話し合った結果、今日はこの村で休んで、明日ガーネアに行き、報告する事にした。
「ムトくんは、ヤツらに狙われているのか。」
「え、はい。」
「それで、リラちゃんのクランに入っていると。」
「そうです。」
「ふむ。では、俺をそのクランに入れてくれ。」
「「え?」」
グレイさんが、突然そんな事を言いだした。
「何故?」
「君らといれば、ヤツらが自らやってくるんだろ?」
「え、まぁ、多分そうですけど………」
「俺を利用しようとした事を、後悔させてやる。」
「「えぇ~。」」
グレイさんが黒い。
「ま、まぁ、いいですけど。」
「そうか、じゃ、クラン登録だ。」
グレイさんのクラン登録を、ちゃちゃっと終わらせる。クランリーダーのギルドカードを使えば、簡単に出来る。
「よし、じゃあ、これが俺のステータスだ。」
「俺も。」
「私も。」
グレイさんのステータスは此方。
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【名前】グレイ・ラズベール
【性別】男
【種族】エルフ
【年齢】18
『攻撃力:B』
『防御力:B』
『知力:A』
『精神力:B』
『俊敏性:A』
『器用:S』
≪スキル≫
【弓術:Lv6】【体術:Lv5】
【気配察知:Lv6】【危機察知:Lv5】
【思考加速:Lv4】【並列思考:Lv3】
【水魔法:Lv3】【風魔法:Lv3】
【瞬間装填:Lvー】【無弓ノ万星:Lvー】
≪称号≫
『弓神の寵愛』『天神の寵愛』
『鬼神の親友』『精霊王・水 の祝福』
『天無の弓王』
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おお、グレイさん凄いな。
「リラちゃんは凄いと思ってたが。ムトはおかしいな。」
「さらっと、酷いな。」
「前衛二人、後衛一人か…………回復特化の人が欲しいな。」
リラは、クランメンバーの構成を考えているようだ、ただ、リラのお眼鏡に叶うヤツがいるか、どうか。
「とりあえず、今日は寝よう。」
「そうだな。」
「だね!」
「場所用意したよ、こっち。」
「「「ありがとう!」」」
レイナちゃんに案内されて、村の家の一つを借りて、眠りについた。