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第16話『狙われた村』と『黒幕』



「それじゃ、いくぞ。」



俺はそう言うと、手に持っていた笛を吹いた。

しばらく待つと、風とともに、灰色のターバンに口元も布で隠した人物、フェネが現れた。



「呼んだか?」


「おう! 実はな━━━」



フェネに事情を説明し、レイナの母親を看てもらう。



「“堕落”に“洗脳”、“支配”か。酷いな。」


「そんなに………酷い。」


「で? 何とかなりそうか?」


「この程度、簡単だ。だが、ざっと診た感じ、ここの村人のほとんどが、精神侵食系の魔法を受けてるな。」


「まぁ、とりあえず。この人を何とかしよう。」


「あぁ、【安らぎの聖音(ホーリー・サウンド)】」



心地よい音色が、部屋に響きわたる。



「これで、大丈夫だ。」


「ありがとう! おじさん。」


「おじさん…………か。まぁ、間違ってはいないのか?」


「何言ってんだよフェネ。」


「いや。とにかく、他の村人も治してしまおう。」


「だな。」



その後、アイラとフェネによって、村人達は無事に治っていった。まぁ、皆な寝てるわけだが。



「さて、そろそろ原因を探すか。」


「だな。アイラ。」


「何? フェネ。」


「私とムトで、周囲を調べてこよう。君とリラの二人で、村人達を守ってくれ。」


「りょ~か~い。頑張ろうね、リラちゃん!」


「うん!」


「んじゃ、行くか。」


「あぁ。」



俺とフェネは、森へと向かった。



























「う~ん。何もないな~。」



フェネと別れて森の中を調べているが、何も見つからない。



「森じゃ、ないのか?」



そう思っていると、遠吠えが聞こえてきた。この遠吠えはフェネだな。

直ぐに、遠吠えがした方に向かう。すると



「なんだこりゃ?」


「来たか。」



フェネの前には、何かの建物があり、周りには地面の上で、もがき苦しんでいる人がたくさんいた。



「相も変わらず、えげつない。」


「そうか?」



フェネは“幻”を見せつつ、精神を不安定にさせ、敵を行動不能にするコンボをよく使う。溺れてる幻でも見てるんだろうか?



「べらべら喋ってくれたよ。なんでも、あの村に何かの本の断片があるらしい。」


「ふーん。で、こいつらなんなんだ?」


「〈悪魔の茶会デモン・ティーパーティー〉と、言っていたな。」


「何っ!?」


「知ってるのか?」


「あぁ。」



フェネに〈悪魔の茶会デモン・ティーパーティー〉について説明すると



「ムトを狙っている? まさか、そいつら……」


「何か知ってるのか?」


「いや、なんでもない。」



どうやら、言えない事情があるようだ。

その時、声が聞こえた。



『伝言。』『王からの伝言』『直ぐに来て』『早く。』『急いで。』



「どうやら。アイラ達に何かあったようだな。」


「あぁ、直ぐ行こう。」



俺達は、フール村へ向けて、走り出した。














■リラ視点■













「誰か来たね。」


「うん。」



アイラと話をしていると、誰かがやってくる気配がした、気配をかなり薄くさせているので、おそらく敵だろう。

暫くして、私達の前に一人の人物が現れる。青色の髪に、緑色の瞳をして、弓を肩に下げた青年だ。



「少しいいか? この村に黒い紙切れがあると、聞いてきたのだが?」


「さあ? 知らないけど。」


「何?」



油断せず伺っていると、顎に手を添えて、何かを考えてるようだった。



「あなた誰?」


「申し遅れた、俺は冒険者のグレイだ。依頼があってここに来たんだが………」



そう言って、辺りを見回し



「話が違うようだ…………そこにいるんだろ? 依頼人。」



建物のカゲに声をかけるグレイさん。

そこに誰かいるの?



「気付かれたっしょ。どうするっしょ? シガレっち。」


「殺せばいいだろ? レゼル。」


「確かにっしょ。殺るっしょ。」



どうやら、敵みたいだね。



「アイラ、村の人達をお願い。アイツらは私が何とかするから。」


「俺も助太刀しよう。殺すとは穏やかじゃない。」


「任せて。」



アイラが走り去るのを確認し、敵に向き合う。グレイさんも肩に下げていた弓に、矢をつがえて構える。



「おいおい、俺達に勝てるとでも?」


「バカっしょ。俺っち達が勝つに決まってるっしょ。」


「それはどうかな?」


「その通り。」



こうして、2VS2の戦いが始まった。


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