表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
15/69

第14話『迷宮続き』と『悪魔の茶会』

迷宮(ダンジョン)続き。



「【断頭飛脚斬ボーパル・スラッシャー】!」


「“剣技”輝光の輪刃(シャイン・リング)



俺の蹴りとリラの剣技により、真っ二つになるゴーレムの群れ。しかし、後から、後からゴーレムが湧いてくる。



「なんでこんなにいるんだ? 【英雄の投げ槍(グングニル)】」


「さあ? とりあえず倒しちゃお【空間切断(ゾーン・カット)】」



ちなみにここは、二十五階層だ。初心者にはキツイ場所だが、俺達には苦にもならない。それよりも



「なぁ、こいつら、まさかとは思うが………」


「うん。ここの(ダンジョン)魔物じゃないね。」



ゴーレムの残骸は、何故か光になって消えなかった。最初は時間がかかるのかと思ったが、最初に倒したゴーレムの残骸もまだ残っている。

すなわち、このゴーレム達は外から入り込んだ……違う。いくらなんでも数が多い。つまり



「こいつら、錬金術師(アルケミスト)の作ったゴーレムか。」


「みたいだね。」



錬金術師(アルケミスト)。錬金術と言われる特殊技術を使い、様々なモノを生み出す人達の事を指す。こいつらは、錬金術師(アルケミスト)が創り出したゴーレムなのだろう。



「それにしても、こんな所でこの数のゴーレムを放してるのは、どういう事か調べる必要があるな。」


「だね!」



そのためにも、さっさとこいつらを倒そう。よし!



「リラ! 少し離れろ!」


「分かった!」



リラが離れたのを確認し



「【首狩り兎の嵐舞(ボーパル・ストーム)】!」



脚を半分程度(・・・・)の力で振るう。すると、三つの竜巻が現れ、ゴーレム達を細切れにしながら進んで行く。



「えげつない技だね。」


「まぁ、これを食らうのが生き物だったら、ヤバいな。」



三つの竜巻が消える頃には、ゴーレム達はいなくなっていた。



「よし! 先進むか。」


「うん!」



ゴーレムを創り出した人物を探し、俺達は奥へと進んで行く。




























「後は、この先だけだね。」


「そうだな。」



俺達は、三十階層の最奥にある門の前に立っていた。後、探してないのはこの先だけだ。



「よし。行くぞ。」



門に触れると、自動的に開いて行く、そして中には………



「あー! お前らだなッ! ワタシの可愛いゴーレム達を壊したのはッ!」


「ギャゼルさん。また、創ればいいでしょう?」


「同じゴーレムは二度と創れないんだぞッ! バカ、ディルガッ!」



白い髪と青い瞳をした、褐色肌の少女と、黒い包帯でグルグル巻きになっている男? が、いた。



「あなた達、何者?」


「申し遅れました、自分は〈悪魔の茶会デモン・ティーパーティー〉所属のディルガです。」


「同じくギャゼルッ!」


「〈悪魔の茶会デモン・ティーパーティー〉?」



聞いた事ないな、なんなんだ? 〈悪魔の茶会デモン・ティーパーティー〉って。



「んん~? おいッ! ティルガッ! アイツもしかして…………」


「おや、“ブラック”のようですね。」


「やったじゃんッ! アイツ連れて帰れば、ワタシ達お手柄じゃんッ!」



“ブラック”って、俺の事?



「えぇ、そうですが。我々では“ブラック”はおろか、そちらの少女にも負けますよ?」


「うっわッ! そうじゃんッ!」


「という訳で、ここは引きましょう。必要なモノも手に入りましたし。」


「だなッ! また会おうぜッ! “ブラック”ッ!」



そう言い残して、霞みのように消える二人組。いったい何だったんだ?



「アイツら、俺を狙ってるのか?」


「みたいだね。気を付けよう。」


「そうだな。とりあえず、ギルドに報告しに戻ろう。」


「そうだね。行くよ!【帰還(リターン)】」



リラの魔法で、俺達は迷宮(ダンジョン)から抜け出した。




















ヴォルテ某所。









「よお! お二人さん“ブラック”を見つけたんだって?」


「普通連れてくるっしょ。これだから雑魚は使えないっしょ。」



ギャゼルとティルガに話しかける、赤紫色の髪と瞳をした男と、青い髪と緑の瞳をした男。



「ああんッ! 何だとコラッ!」


「ギャゼルさん落ちついて、我々は戦闘系ではないので。」


「ハハハハハ。だよな~、まぁ、俺達が“ブラック”を捕まえてやるよ! なぁ、レゼル。」


「もちろんっしょ。シガレと俺っちに、仕留められない獲物はないっしょ。」



ここは、〈悪魔の茶会デモン・ティーパーティー〉の本部。



「ギャゼル、ティルガ。例のモノは手に入ったか?」


「“シャドウ”様。此方になります。」


「うむ。どうやら合っているようだな。ご苦労。次の指令を待て。」


「「ハッ!」」



“シャドウ”と呼ばれた、黒いローブを着、フードを被った人物が、去って行く。



「んじゃ、俺達も仕事に戻るか~。」


「そうするっしょ。」


「ギャゼルさん。我々は部屋で待機していましょう。」


「だなッ!」












「クーディオ様。例のモノを持って来ました。」


「ご苦労“シャドウ”」


「ハッ!」



“シャドウ”が、衝立を挟んだ向こう側の人物に話しかける、そして自分の持っていた()を置き、下がった。すると、()が浮き衝立の向こう側へ飛んでいった。



「ほう。これが、『黒ノ書』の断片か………」


「本物みたいだね、クーディオ」


「あぁ、シャレル。もうすぐだ、もうすぐ最強の兵器が手に入り、この世界を我が物とし、別の“界”をも征服する事が出来る!」


「だね。後は、“ブラック”と“姫巫女”がいれば、完璧だね。」


「ククククク。」


「ふふふふふ。」



暗い部屋に、クーディオとシャレルの笑いだけが、響き続けた。





謎の集団が出て来ましたね。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ