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第9話『無双』と『再会』

本日、2話目です。ムトが無双しますよ。




「【英雄の投げ槍(グングニル)】」



魔物の軍団の最前列の横についたので、封印した技を使い吹き飛ばす。いやだって、魔物しかいないし、思ったより数が多かったんだ。


技をくらった魔物は俺に近い程、悲惨な最後をとげている。粉々になるってなんだよ、粉々になるって。


そして、俺に気付いた魔物の軍団の一部が止まる。まぁ、容赦はしない。



「【断頭飛脚斬(ボーパル・スラッシャー)】」



脚を水平におもいっきり振る。すると、その際発生した衝撃波が魔物達を横に両断する。


お、血走った目をしていた魔物達の一部が、恐怖してるな、そんなに怖いかな? 俺。



「よっ! と。」



おもいっきり飛び上がり、魔物の軍団を上から見下ろす。


なかなか数が多い。大技いくか? いや、地形変わったらヤだな。とりあえず。真下のヤツらを片付けよう。


腰に着けた袋━━━異空間搭載袋。と言うらしい。フェネに貰った━━━から拳大の石を取り出し。



「そらっ!」



下に投げた。



『ドガァァァァァァァァァァァァン!!!』



「うそん。」



下には、小規模なクレーターが出来ており、真下にいた魔物のほとんどが消し飛んだ。


そのまま着地し、周囲の魔物を睨み付ける。


後退する魔物達。うん。これ簡単に勝てそうだな。



「さっさと逃げろ、今なら見逃してやる。」



言葉が通じるかどうか分からないが、魔物達に一声かける。すると、言葉が通じたのか、踵を返して森の方に逃げて行った。周囲に魔物がいない事をしっかり確認し……………どうやらいないようなので、王都に戻る事にしよう。



「王都はあっちだな。」



とりあえず、お腹がすいたので、速く帰る事にする。そのために駆け足!



























「ん? あれは…………」



王都の手前あたりに、冒険者らしき人影がちらほら見える。魔物の軍団に備えているのかな? その中には、バルド達もい…………あれ?



「もしかして………」



バルド達と一緒にいる少女に目を凝らす。銀色の髪をポニーテールにした、金色の瞳をした少女だ。間違いない、リラだ。



「おーい! リラ~。」



手を振りつつ呼びかけると、驚いた顔をして此方に走ってくる。これは………………殴られるパターンだな。10年もたつしな、かなり怒ってるだろうし、ここは甘んじて受けよう。


心の中で覚悟を決めた瞬間、ナニか(・・・)が胸に飛び込んで来た。予想して無かったので、そのまま地面に倒れてしまう。とりあえず身体を起こすと、胸に飛び込んで来たのはリラだった。



「え、え~と?」



殴られると思っていたのに、胸に飛び込まれ軽く混乱していると。



「ムト? ムト、本物だよね?」


「あ、うん。」



胸に顔を埋めたまま、リラに問われたので答える。顔を上げたリラは目にいっぱい涙を溜めていた。



「よかった、無事で………ずっと心配だった。もしかしたら、死んじゃったんじゃないかって。」


「その………ごめん。」


「ううん。戻って来てくれたからいい。でも………」


「でも?」


「もう何処にも行かないで、お願い。」



声を震わせ、涙を溜めた目で上目遣いをして、そう言うリラに、ドキッとする。美少女がその顔で、そんなふうにお願いするって、反則じゃね。



「あ、うん。分かった約束する。」


「絶対?」


「絶対。」


「約束破ったら、なんでも一つ、言うこと聞いてね。」


「わ、分かった。」



なんか、リラの笑顔が少し怖い、いったいどんな事をさせる気だろう? まぁ、約束を守ればいいんだ。守れば。






























「え~と。リラさん?」


「何? ムト。」


「そろそろ離れてくれない?」


「い・や・だ!」


「えぇ~。そんな力強く言わなくても………」



立ち上がったら、腕を組んできたリラさんです。しかも、なんか腕にスリスリされてます。というか、そろそろ離れて欲しい、バルド達がニヤニヤこっちを見てるんだが。



「いや~。また会ったと思ったら、お熱いね~ムト。」


「まさか、リラちゃんとはね~。」


「ムトくん。やるね~。」



誤解だ! リラのことは好きだが、付き合ってるわけじゃない。いつかそうなりたいとは、思ってるが



「で、何処で会ったんだ?」


「いや、何処って、リラとは幼馴染ですけど。」


「へ~。いつから、付き合ってるの?」


「いや、そもそも付き合ってないんですが。」



あれ? リラさん。なんで本当の事言ったのに、腕をつねるんですか?



「え~。本当?」



本当です。でも、また腕をつねられそうなので黙秘します。



「まぁ、そんな事より。ムトくん。」


「なんですか? レードさん。」


「魔物の軍団を退けた人物見てないかい?」



なんだ、そんな事か。



「俺です。」


「…………悪い。よく聞こえなかったんだが。」


「俺です。」


「…………可笑しいな、ムトくんが、あの魔物の軍団を蹂躙したように聞こえるんだが。」


「いや、だからそうなんですよ。」


「「「「………………。」」」」



押し黙る。リラ含む一同。



「「「「………はぁ!?」」」」



あ、再起動した。



「いやいやいや、あれをお前がやったのか!?」


「はい。自分でも驚く程強くなりましたよ。ハハハハ。」


「目が笑ってないよ!?」


「しっかりするんだ! ムトくん!」


「カッコいい。」


「「「「え?」」」」



うん? 俺の直ぐ隣から称賛の声が上がった気がするんだが。

隣を見ると、リラが頬をほんのり赤く染めていた。リラさん、可愛い。



「えっと、ありがと。」


「うん。」



なんだかいいな、こういうの。



「アイツら、ホントに付き合ってねぇのか?」


「ムトくんは、そう言ってるけど。」


「他人から見たら、完全にラブラブカップルだよな。」



バルド達が何か言ってるが、よく聞こえない。というかリラ、旅についてきそうだな。まぁ、いいか。




こうして、王都に迫っていた危機は、一人の規格外によって、防がれた。

主人公(ムト)ヒロイン(リラ)10年ぶりの再会。

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