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プロローグ『始まり』と『無能少年』

二作品目スタート。最初の作品

『幽霊は異世界ではモンスターのうちに入るのだろうか?』

も、どうぞ!




━━━━不滅之黒炎ヲ纏イシ、獣ハ━━━━










━━━━銀ノ太陽、金ノ月ヲ守リシ━━━━










━━━━守護獣ナリ━━━━
























━━━━━━ヴォルテ



それが、この世界の名。



五つの大陸と、その周りに広がる広大な海。そして、海に点在する小さな島々からなる世界。



神々とその従者が住まう“神界”


冥王とその配下。そして、死者が住まう“冥界”


生きた人々や、獣、魔物、幻獣が住まう“現界”



三つの“界”が存在する。

神々とその従者。冥王とその配下。彼らは“現界”には直接には関われない。“現界”に住まう者達で“神界”や、“冥界”がある事を知っている者は少ない。



“現界”には、“人族”だけでなく。獣の力を宿した“獣族”。森に住まう若さを保つ“エルフ”。自然との親和性が高いドワーフや、フェアリー等の“妖精族”。“冥界”への門を守る者達の末裔“魔族”。その他、様々な種族が暮らしていた。互いが干渉せず、はたまた、協力しあっていた。



この世界では、髪と瞳の色で【属性】と、ある程度の【能力値】等が決まる。



燃え盛る赤は、“火”



たゆたう青は、“水”



例外も存在するが、それは、ほぼいなかった。





━━━━さて、本題に入ろう。これから語るのは、とある物語。



始まりは、ある大陸。最も大きく、ほぼ全ての“種族”が暮らす。“イルノア大陸”の東側にある、小さな村。

この村にある日、二人の子供が産まれた。



一人は女の子。陽光を受けて輝く“銀色”の髪。月を写す“金色”の瞳。最も素晴らしいとされる、銀と金の組み合わせをもつ女の子だった。彼女は“英雄の卵”と呼ばれ、皆から祝福された。



一人は男の子。黒い髪に、黒い瞳。【属性】を持たぬ者の証。産まれた時の【能力値】が低い者の証。無能と呼ばれる者達の証。彼もまた、無能と呼ばれていた。



この物語はこの二人から始まる。























「おらぁ!」


「ぐっ!」



まったく。面倒なヤツらに会ってしまった。家に早く薪を届けないといけないっていうのに。



「おいおい。どうした、ムト? 立てないのか?」


「しょうがないよ、アルズくん。こいつ無能だから。」


「そうそう。大人達も言ってたし、ムトは無能だって。」


「本当にな!」



ハハハハハハ。と笑う、三人組。いつもいつも、俺に暴力を振るってくる。たいして痛くないけど。最初の頃は、周りの大人達に暴力を振るわれる事を言っていたが、直ぐに意味がないと分かり、耐え抜く事にした。



「もういいか? 急いでるんだ。」



さて、さっさと仕事を済ませよう。



「ちっ! いつもいつもムカつくヤツだ。少し痛いめ見せてやる。」



そう言って、アルズとかいうヤツが、ナイフを取り出す。そこまでするか? 普通。



「や、やり過ぎなんじゃ?」


「そ、そうだよ。」


「うるせぇ! 俺に逆らうな!」



嫌らしく笑いながら、ナイフを突き付けてくる。そんな時



「ちょっと、あんた達! 何やってるの!」


「げっ! リラだ。」


「に、逃げろ~。」


「お、おい、お前ら、くそっ!」



少女の声がした後、三人組は逃げて行く。



「待ちなさい! もう。ムト、大丈夫?」



銀色の髪をポニーテールにした少女が、金色の目を不安そうにさせて、俺を覗きこむ。



「あぁ、俺が怪我した事ないの、知ってるだろ?」


「そうね。」



リラが笑顔になる。これでよし。

そのまま、家までついてくると行ったので、リラと一緒に歩く。



「ね。もうすぐ“ステータス鑑定”の日があるよね。」


「ん? そうだな。」


「一緒に行かない?」



一緒に……………か。



「迎えに行くから。」


「………………。」


「あ、ついたね。じゃ、私も帰るから。またね!」


「あぁ、じゃあな。」









「ただいま。」


「お帰り。ムト。」



家に入ると、緑色の髪と、同色の瞳をした女性。俺の母さんが出迎えてくれた。



「じゃ、部屋に戻るから。」


「ご飯出来たら呼ぶね。」


「は~い。」



階段を登って部屋に戻り手紙を書く。両親と、リラに宛てて。



「これで、よしと。」



その日は、夕飯を食べて寝た。











次の日の朝。

準備をして、家を出る。っと、出る前に



「行ってきます。母さん。父さん。リラ。」



目指すは、村の北東。理由はなんとなく。目的は



「誰よりも強くなってやる。絶対に」













「ムト~。朝よ~。」



少年の母親が、少年を起こすために部屋に入る。



「……………ムト?」



部屋の中には誰も居らず、二通の手紙が置いてあるだけだった。




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