表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/49

俺の冒険者リストがえらい事になりました。

いつも読んで頂きありがとうございます。

ここまでサティのイビリに付き合ってくれてありがとうございます。

 俺はダンが座っているテーブルと同じ場所に設置されている椅子に腰を落とすと、落ち込んでいる俺を元気付けるかの様にダンは俺に喋りかけてきてくれた。


 ダンと言葉を交わすとドンドン俺の中のこの青年の好感度が上がっていった。ダンと言う名前は本名らしく出身は【ライム村】冒険者になる理由は村を守りたいというとてもシンプルなものだった。冒険者になる者の多くはお金持ちになりた・有名になりたいと思い冒険者を始めるのが殆どで、ダンの様な理由で冒険者を始めるのは稀である。


 あまり俺は自分の事を語りたく無いと察したのであろうか?ダンは自分の話を面白可笑しく話してくれた。そんな気遣いが出来る爽やかな青年ダンに俺は冒険者としての知識を与えた。それはここらで出現する魔物・魔獣の特性・弱点・気を付けるポイントや職業のスキル・剣技・魔法の初期段階の知恵であった。同じ見習い冒険者と思われる俺の言葉にダンは真面目に耳を傾け、懐から取り出したメモ帳に教えて貰った事をメモするダン。ダンと言う青年の真面目さにうかがえる一面であった。


 そうこうしていると・・・


 「ダン様」


 冒険者リストが出来たのであろうサティが呼ぶ声がした。


 「はい」


 サティの呼びかけに答えるダン


 「では先に」


 俺に声をかけてダンはカウンターの方に足を進める。ダンがカウンターに到着するとほぼ同時に


 「カレーの王子様」


 サティが呼ぶ声がした。


 「・・・・・」


 ハッキリ言おうサティが誰を指してその言葉をかけているのかは100も承知している。だが・・・ここでサティの呼びかけに答えると俺自身が認めた事になる・・・なんとしてもそれだけは避けたい。


 「カレーの王子様」


 サティの声のトーンが上がる。


 「カレーの王子様」


 さらに上がる。


 「カレーの王子様」


 アイーダの酒場全体に響き渡る。


 少し沈黙した後、他の冒険者から「ちょっとありえない名前なんだけど」とクスクスと笑う声がする

 俺はますます自分である事を言い出せなくなる。


 他の冒険者も興味深々で誰?誰?と周りを見渡す。


 「お前じゃないのか?」


 一人の冒険者が冗談混じりで他の冒険者に言葉を投げかけた。


 「はぁ~何言ってんだてめぇ~ふざけるなよ!!!」


 何か空気が・・・・


 「ざけんなよ~俺じゃねぇよ!!誰だよ!!カレーの王子様って!!」


 その内メチャメチャ怒りだした。


 女冒険者が怒った口調でその言葉に続いた。


 「いい加減してよ!!」


 俺の額に汗が流れる・・・


 「お前じゃ無いのか?」


 いたる所で飛び火している・・・


 「そーいうお前がカレーの王子様だろ!!」


 喧嘩一歩手前まで状態が悪化している・・・


 もはやカレーの王子様が俺だと言い出せない状況に追い込まれてしまった・・・嫌・・・可笑しいだろ!!そもそも何故俺がこんな思いをしなければいけないんだ!!とサティをにらみ付けようとした正にその瞬間・・・


サティはカウンターに備え付けてある呼び鈴を力強く握ると、プロばりのフォームで呼び鈴を投げつける・・・その呼び鈴は俺の眉間にクリティカルヒットして俺の体はアイーダの酒場入口まで吹っ飛んだ・・・


そしてサティはこの世で一番醜い物を見るかの様な顔をして俺にこう言ったのだ。



 「テメェだよ」 



 周りの冒険者の俺の見る目が怖い・・・・


 先程の出来事でどうやら今アイーダの酒場にいる冒険者は俺の事を誤解しているらしい・・・・そう悪いのは全てこの女サティなのだ!!と心で思うだけで俺は何も言えない小心者であった。


 「では冒険者リストが作成出来ましたので確認下さい。」


 サティはまずダンに作成してきた冒険者リストをカウンターに置いた。

 冒険者登録用紙と同じ8項目と最後に【受付担当記入欄】が追加され文字は綺麗に清書されていた。


 ダンの受付担当記入欄にはサティが感じたダンという人物の事が書かれていた。内容は俺の評価と同じでダンが好青年で有る事・気さくで有る事・真面目で有る事・等ダンを褒める内容が記入欄に埋め尽くされていた。


 なんだいいトコあるじゃないか?と少しサティの評価を見直す。


 ダンはサティから受けた評価に照れくさそうにしていたが・・・


 「これでお願いします。」


 「ありがとうございます。」


 とサティに深く頭を下げていた。


 サティはニッコリ微笑み。


 「頑張って下さい」


 と言うと小さくガッツポーズをした。


 ダンはサティにお礼を言った後もその場を離れようとしなかった。俺に気を使い待っているのだろうそんな健気なダンに心をホッコリさせられる俺であったが・・・


 「ダンここでお別れだな」


 と俺はダンに声をかける。


 「もう既にある程度目星が付いてるんだ・・・・すまない」


 俺はそう言うとダンに深く頭を下げた。


 「なに言ってるんですか!頭を上げて下さい、俺の事は気にしないで下さい、俺の方こそありがとうございました」


 とダンも頭を深く下げる。


 頭を下げたままの2人・・・しばらく時間が経ち・・・・


 「フフフフ」


 と笑う俺とダン


 頭を上げてお互いの顔を見合いダンに手を差し出す俺、ダンも同じく手を差し出し、キツク握手を交わす。握手を交わしたその時少し手の中が発光したかの様に見えたが気のせいであろう。


 「またなダン」

 「ええ、ルーさんもお元気で」


 そして俺とダンは別々の行動に移す事になった。ダンはアイーダの酒場に居る他の冒険者の所に足を向ける。俺はダンの背中をしばらく見送るとサティの方を向いて・・・


 「すまない待たせたな」


 と言葉を発した。そんな俺に対して・・・


 「優しいんですね」


 サティは俺の行動にそう評価してくれた。


 ダンと別れた理由・・・それはこのアイーダの酒場に居る連中はパーティー待ちであるからで、俺は冒険者同士の喧嘩の火種を作った張本人・・・嫌俺も被害者だが・・・そんな人間と居るとダン迄誤解される恐れがあるからである。


 俺とパーティを組み冒険をするという事も考えたのだが・・・俺はダンにエルフ(魔族)と人間の混種である事を知られるのを恐れたのと、ダンが望むのは個人としての力量を上げたいという事であった、俺と冒険する事によりダンは剣の技を磨く事無くLV・ランクが上がる、もちろん加護値を上げる事は非常に大切な事ではあるが・・・それだけでは勝てない相手もいるという事である。


 本当の強者というものは己を知る事から始まる。そう・・・自分に何が有って・何が無いのか?まずこれを知る事が非常に大切なのである。


 例を挙げるとするならば俺が魔神ペスタークを倒せる理由がそれそのものだ、俺のステータスがMAXと言っても所詮は人間の限界値である。ペスタークの能力は俺より遥かに高い、でも倒せる安全に確実にそれこそが己を知っているからだ。1つの攻撃に対して自分はどの様にどうやって避ける事が出来るのか?その後どう攻撃に繋げるのか?それは言葉では説明出来るものでは無く自分で見つけるしかないのである。


 俺と居るとその域にたどり着くのに遠回りをする事になるから、俺はダンをパーティーに誘えなかったのである。そんな事を知る筈も無いサティな筈なのだが・・・・間違い無く「優しいんですね」と俺に言った・・・・まぁ~そういう意味では無かったのであろうと俺はそれを消化する。


 「ではこちらがルーさんの冒険者リストになります。」


 俺はサティから渡された冒険者リストを見たまま固まっていた・・・


 「如何いたしましたか?何か間違いでも?」


 とサティ首をかしげニコニコしている。

 

 「・・・・」


 何が違うと言われれば全てが違う。


 職業        【WANTED】

 次に名前      【ルー】

 生年月日       記入無し

 性別        【男】

 年齢が       【1ゴールド

 出身地は      【トイレによく現れます】

 意気込みは     【見つけたら警備兵に知らせて下さい】

 受付担当記入欄には 【気を付けてください】


 「あの~サティさん・・・こ、これ・・・犯罪者リストでは?・・・」


 サティはニッコリ微笑み。


 「頑張って下さい」


 と言うと小さくガッツポーズをした。


 「いえいえ終わらせませんよ」


 俺はこれでもかと言わんばかりの冷たい顔をしてサティに言葉を発した。

 サティは明らかに嫌そうな顔をしている・・・


 ここで折れる訳にはいかないのである、俺の今後がこの紙切れ一枚に左右されるされるからである。それに俺が求めるのは只々普通の冒険者リストであっで、一見でドン引きされる犯罪者リストの作成を依頼した訳では無い!!


 そこからは俺とサティの激しい押し問答が始まった。

 ・

 ・

 ・

 ・

 ・

 ・


 どれくらい時が経ったのであろうか?俺には分からないしかし・・・俺は・・・勝利した・・・


 「ま、負けた・・・・」


 サティが力なく崩れ落ちている。


 「いい勝負だったサティ、まさか俺をここまで追い込むとは思ってもいなかった」


 敵であるサティに称賛を送る。


 「負けは負けよ・・・」


 崩れ落ちたまま言葉を発するサティ・・・


 「もしあの時、店主の助けが入っていなければ俺とお前の立場は逆だった。」


 そう、あまりにも時間が掛かり過ぎているのでアイーダの酒場の店主がこの場に着てサティを諫めたのだ。


 「そ、そうね、私はまだ負けてない・・・」


 サティが崩れた体をよろめきながら立たせる。


 「そんな体で・・・今日はこれぐらいにしておこう。」


 俺がそう言うと・・・


 「口惜しいけど・・・そう言って貰えると助かるわ」

  

俺とサティの間に何だか分からない感覚が生まれる・・・嫌・・・これはこの感覚は、とある漫画で見た事がある言葉こそ一番相応しいこの感覚、そうこれこそ宿敵と書いて友と呼ばれる存在が出現した時の感覚であると俺は確信できる。


 「ありがとう」


 何故か俺はサティに感謝の言葉を送って、自然にサティに手を差し出していた。


 「勘違いしないでよね」


 サティはそう言うと頬を火照らせ、俺との視線を逸らして俺と握手を交わした。交わした手の中が少し発光した様な気がしたが何かの勘違いであろう。


 俺が勝ち取った冒険者リストの結果はこの様になる・・・


 【WANTED】→【ピ〇クレディ】

 【ルー】→【ミィー】

  記入無し

 【男】 → 【秘密〇パラダイス】

 【1ゴールド】→【100000ゴールド

 【トイレによく現れます】→ 【SOS】

 【見つけたら警備兵に知らせて下さい】→【事件〇起きたらベルが鳴る】

 【気を付けてください】→【逃げ〇お嬢さん】



 そう俺は勝ち取ったのだ!!アイーダの酒場の店主の力を借りたのは少し引っかかるがそれでも勝ち取った。その勝ち取った冒険者リストを見て俺は・・・


 あれ???


 サティは俺の手から冒険者リストを奪い取ると・・・


 「次は負けないわよ」


 そう言って俺の冒険者リストを持って奥に引っ込んだのである。

次回からやっとヒロインが登場するかも?です。脱線すかも?なのですみません。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ