えらい事に勝敗が決しました。
ブックマークありがとうございます。
テンション上がってきました!!
静まり返った闘技場誰一人言葉を発する事無く、目の前で行われているペスタークとサティの戦いを固唾を飲んで見守っている・・・
そんな中唯2人だけが誰にも聞かれない様に静かに会話する。
「な、なぁ~ルーお兄ぃ~サティのねぇちゃんの・・・い、今の動きなんだったんだ?」
アルマはサティがいきなりペスタークの背後に回った動きが理解出来なかったのであろうと俺は解釈した。しかしそれはアルマが強者の域に達している何よりの証拠であった。
「ああ、あれはな【ドッペルベンガー】だ!!」
「ドッペルゲンガー?」
「ああ、実際はそんなスキルは存在しないのだが、ある程度の卓越されたスキル保有者が幾つものスキルを組み合わせ、あたかもその場所に居る様に相手に見せる技で、俺はそう呼んでいる」
「スキルの組み合わせって・・・何個組み合わせればいいんだ?」
「それは相手によって違うんだ!例えば・・・そうだな、今ペスタークを見てアルマはどう思う?」
「・・・正直こえぇ~よ」
俺は正直なアルマの答えに思わず笑顔になる。
「では、観客の皆はどうだ?」
「ルーお兄ぃ~ペスタークの強さなんて、ここらに居る連中がそんなの分かる訳ねぇ~だろ?」
「そう、それが答えだよアルマ!!」
「・・・意味わかんぇ~よ!!どういう事だよ?」
「そうだなもっと分かり易く言うと、俺がここでスキル【闘魂】オーラを纏って、この中に居る何人がそれに気が付くと思う?」
「そんなの誰もいねぇ~よ!!・・・あ、なるほど!!
そう・・・確かに俺やアルマやペスタークには、サティが一瞬でペスタークの背後に回った様に見えた!!しかし観客達にはサティが足を進めペスタークの背後に回る所が確認出来たであろう。まぁ~動きが速過ぎてそもそも見え無いだろうが・・・
【闘魂】条件下:顎を突き出す事により、体に炎のオーラを纏い、現実性のある物事が、元気に何でも出来る様になる。
それでも疑問が残るアルマは俺との会話を続ける。
「でも・・・それが何故?消える原因になるんだよ?」
「ふふ、達人に成れば成るほどその神経は研ぎ澄まされる、筋肉一つの動きで相手が次何をするか予想だって出来るだろ?」
「ああ、それは理解出来るよ」
「じゃ殺気とかはどうだ?殺気だけその場所に残して、自分は殺気を消して移動すればどうだアルマ?」
「あああ!!」
どうやら理解したらしい、だが今回はもっと複雑であろうと俺はそれを予測する、人ぞれぞれ得意とする分野は異なり実際俺もサティがどのスキルの組み合わせでドッペルゲンガーを使用したのか?理解出来ない・・・
あのぺスタークをも錯覚させるだけのスキルの完成度・・・やはりサティは化け物であった。
そして俺はアルマがそれを理解した所で俺は席を立ちアルマに声を掛ける。
「もう勝負は付いた、アルマ行こう・・・」
「???何言ってんだよルーお兄ぃ!!ちょっと待てよ!!」
と俺達はペスタークとサティの戦いがいつ終わってもいい様に選手控室に足を進めるのであった・・・
「キャハハハッ、しかしいい体してますねぇ~惚れ惚れしますよぉ~」
とサティはぺスタークの脇腹をダガーで右左に捻り、ペスタークのフードから見えるぺスタークの頬を舐めている最中である。
ペスタークはポケットから腕を出し、そのまま拳をサティに振り抜く、サティは下に潜る様にそれを回避、ペスタークは体を回転させ脇腹に刺さったダガーを抜くと同時に、その回転を利用してサティに蹴り掛かる、サティは軽くジャンプのしてそれを回避、ペスタークは足を揃えるとサティとの間を地面をひと蹴りして広げる。
しかし・・・
「キャハハハッ!何処行くんですかぁ~」
とペスタークの背後から声が聞こえ、ペスタークは肩に激痛を感じる。
その後ペスタークは何度もサティとの間を広げようと試みるが・・・サティはその度にペスタークの背後に回りペスタークの体の何処かしらにダガーを突き立てるのである。
「キャハハハッ!でもぉ~ホントに凄いですねぇ~!急所ばかり狙っているのにぃ~紙一重で急所を避けるなんてぇ~!ホントあたなはぁ~最高ですよぉ~!」
と今はダガーをペスタークの太ももに突き刺しペスタークの耳元で呟くサティ
そんなサティにペスタークが声を掛ける。
「はぁ~しんどいの」
ペスタークは体の力を完全に抜き面倒そうにそう言葉を発する。それを見たサティはもう戦いを諦めたと思ったのだが・・・
ペスタークの言葉は続く・・・
「少し力を出すかの」
そう言葉を発したペスタークは腰に携える6本に内の1本の剣を手で掴み剣を抜き出そうとする。
その瞬間・・・
サティは地面をひと蹴りしてペスタークとの間に距離を取り、ペスタークを睨みつける。
サティはその自分の行動が理解出来なかった・・・何故?自分のダガーで戦える距離を自ら破棄したのだろうかと、しかしそれに対してサティは自分をいさしめる事はしなかった、何故ならサティは理解しているのである、自分が今まで生き残って今ここに居る事実、そう自分の防衛本能が誰よりも優れている事を・・・
その防衛本能が・・・
あの剣は危険だと言っているのである!!!
ペスタークは剣を抜く・・・
その剣は全てが真黒であった・・・
厳密に言うと漆黒である。その剣を収める鞘から刀身に至るまで漆黒、色を塗りつぶして出来る色では無く、光の反射を許さない漆黒であった。時折その剣が空間事ぶれている。
それを見たサティはペスタークに声を掛ける。
「何すかぁ~それ?そんなの見た事ありませんよぉ~」
「ふむ、まぁ~仕方ないであろう・・・しかしじゃが、卑怯とは思わんで欲しいの、これはわしの体の一部じゃからの」
とペスタークはサティに言葉を発すると、漆黒の剣を軽く振って見せた。特に何の変化も無く観客もその動作は目で捉える事が出来、只の素振りの様に見えたのである。
がサティはその素振りを見て・・・・
「キャハハハッ!なんすか!!それは!!キャハハハッ!」
と腹を抑えて、顔を下に向け、腰を曲げ、小刻みに揺れ、笑うのである・・・
暫くしてサティは・・・
「はぁ~」
と息を吐き・・・
目が殺気立ち・・・
口が吊り上がる顔を上げ・・・
姿勢を正し・・・
ニッコリ微笑み・・・
ペスタークに礼儀正しく深く頭を下げ・・・
言葉を発する・・・
「参りました、降参です・・・」
静まり帰っていた会場で放たれたその言葉は誰の耳にも届き、勝利者宣言が成される筈なのだが・・・腕は失っているものの、何方かと言うとペスタークの方が重傷に見え、皆がサティのその言葉に理解出来ずに固まっている・・・
そんな沈黙が続く中、サティはアリスの元に姿勢を正し、規則正しい歩み方で足を進めると、腕は完治したもののペスタークへの恐怖で座り込んでいるアリスの首の後ろ襟を掴むと、ズルズル引きずりながら闘技場の舞台を降りるのである。
アリスとサティが闘技場から姿を消して暫くてから、ペスタークが闘技場関係者の元に足を進め、苛立ちながら声を掛ける。
「で?!どうなのじゃ!どっちの勝利かハッキリせよ!」
その言葉を聞いた闘技場関係者が我に帰り、ぺスタークの勝利者宣言がなされるのであった・・・
観戦者も理解出来ないながらも、自分達の街の英雄が勇者を打ち負かしたと歓喜を上げ、ペスタークの勝利を大いに盛り上げるのである。
一方サティの方は闘技場の舞台を後にしてアリスを引きずりながらスタスタと歩く。
そして・・・
呟く・・・
「今回は準備不足でした・・・けれども・・・次は・・・」
サティはそう言葉を発すると不気味に口元を釣り上げるのであった・・・
控え室で次の試合、前大会準優勝者ペアとの対戦待ちのルーとアルマの部屋に観戦者の歓声が聞こえる。
それを聞いたアルマが俺に声を掛けてくる。
「なぁ〜ルーお兄ぃ〜どっちが勝ったんだ?」
「ああ、ペスタークだ!」
と俺は自身を持って答える。
「どうして、そう言い切れるんだ???」
アルマのその問いに口元が緩む俺
「まぁ〜気持ちは分からんでも無いが2人には決定的な違いがあるんだ!」
「違い?!」
「ああ、確かに武はペスタークより、サティの方が一枚上手だろう・・・」
「じゃーなんで?!!!」
「戦いは武だけじゃー無いだろ?」
「う〜〜〜ん・・・」
一生懸命考えているアルマを見て笑顔になる俺、そして俺は答えを告げる。
「決定的な違い・・・それは魔法だ!」
「魔法?!!!」
「そうだ!ペスタークの腰に携えている6本の剣あれは魔剣と言われるもので、魔剣は持つもの魔力によってその威力が上下されるんだ・・・」
「・・・なんか卑怯じゃないか?」
「まぁ〜そう思うかもしれんが魔剣だってタダで使える訳ではない!」
「・・・どう言う事だよ!」
「魔剣は使い手を選ぶ!そして選ばれた者はその魔剣により其れなりの枷を負う事になるんだ!」
「枷?!」
「ああ、魔剣によりその種類は違うが・・・例えば寿命を半分とかかな?」
「げげげ!俺魔剣なんて使わねぇ〜よ!」
そうペスタークとサティの決定的な違いそれは魔法に対する知識と経験の違い、サティは恐らく魔法に対する知識は左程無い、恐らく使用した事も無いであろうと俺は推測する。
ペスタークと同等の能力得て神位魔法も使える事は出来る、しかしペスターク同様に魔法を使い熟す事は不可能、精々出来て魔法に対する危険性は察知する事だけになるだろう。
サティは魔法を一切捨て格闘術だけで、これまでの人生を費やして来たのであろう、ハッキリ言ってその格闘センスは俺のそれを遥かに凌駕する。
だが魔剣は武と魔を併せ持つ物で、格闘術だけでは太刀打ち出来ない。
それがサティがペスタークに勝てない最大理由である。
ここまで読んで頂いてありがとうございます。




