えらい事にモノホンでした。
髪と目は黒く、上着は黒く輝く布を纏い、その上着の背中にはドラゴンの肖像画が施され、上着の下に着ている黒い布の服のフードを深く被り、上着の前は開き、両手は上着のポケットに入れ、鎧は下着の様に最低限の箇所を守り、肌は白く、両腰に3本づつ計6本の剣を携える女剣士が闘技場に姿を見せた。口はモゴモゴと動いており、時折プゥ~と風船を作る女剣士・・・
俺は完全に寝ぼけていたのだが・・・アルマの顔を摘まむ指が小刻みに揺れる・・・
そしてアルマが俺に言葉を掛けてきたのだ・・・
「な、なぁ~ルーお兄ぃ~・・・・あ、あれ!・・・・やばくないか?」
とアルマの声は震えており、寝ぼけている俺は・・・
「ああ、確かにエロイな!!」
と返すのである。
「ち、ちげぇ~よルーお兄ぃ・・・あ、あいつ段違いで強いぞ・・・」
とアルマが震えた声を掛けるので・・・
「ああ~サティはつえぇ~ぞ!」
と返すのである。
「ち、ちげぇ~よルーお兄ぃ・・・あ、あのぺスタークって女だよ!」
と俺の腕にアルマは自分の腕を回す、そんなアルマはブルブルと震えていた・・・
腕を組まれ始めてアルマが震えている事に気がつく、俺はそれで一気に眠気が覚める。アルマが震える?俺の中でそれは有り得ない事であった、何故なら俺はアルマに全力を見せた事は無いが、それでも俺の強さは図れるだけの技量はもう既に持っている。そう俺と言う存在を知りながら、アルマが震える原因など考えられなかったからである。
そして俺は頭を横に傾け・・・
「なぁ~アルマあの女剣士の名前何だっけ?」
と再度聞き直す。そしてアルマは俺に衝撃の名前を告げる。
「ぺ、ぺスタークだよ・・・ルーお兄ぃ・・・」
俺は目を見開き女剣士をガン見する。確かに女剣士は人間と思われる容姿をしており、俺の知ってるぺスタークとは掛離れている、勿論腕は2つで6本も無い、しかし・・・女剣士の腰に携える6本の剣・・・縮んではいるが、あれは魔剣である・・・・
俺は遠い目をして・・・
「本物だ」
と呟くのである・・・
アリスは軽くストレッチをする、程よく筋肉をほぐしサティの元に軽く駆け出し間を詰めるとアリスがサティに言葉をかける。
「ねぇ〜サティお姉ちゃん、アリス一人でやっていい?」
その問いにサティは直ぐ答える。
「いいえ、いけません!ここは2人で行きましょう!」
「えーー!!」
とゴネそうになるアリスであったが、サティの顔を見て呆気を取られるのである。
今迄アリスはサティの色々な顔を見てきたが、今アリスの目の前にあるサティの顔は初めて見る顔であったからだ。
目は細くなり、口はつり上り、頬を伝う汗。
そんなサティを見てアリスは今対峙しているペスタークの強さを図る事が出来たのである。そしてアリスは言葉を発する。
「うん、分かった!アリス右行くね」
「ええ、アリス様お願いします・・・私は左を・・・その前に少しいいですか?」
「えっ?!あ、うん」
サティはアリスの方に振り向くと
「アリス様、貴方を宿敵と認めましょう」
と言葉を発する。
これはサティのスキル【宿敵たる由縁】の発動条件である。アリスの暴走を止める時とは違い、サティはアリスの全ての能力を同等迄引き上げる。つまり・・・【運】以外ステータスMAXである。
「お待たせ致しましたアリス様、でわぁ〜行きましょうかねぇ〜」
とサティの語尾が少しおかしくなり、アリスはそれに頷き開始の合図を待つ。
そして・・・
「ゴォォォォォーーーーン」
と開始のドラムが鳴らされる!!!
アリスとサティはドラムの音と共にひと蹴りでペスタークとの間を詰め、そしてアリスは腰に携える片手剣をサティは腕の裾からダガーを出しそれをペスタークに振り抜く・・・
突進のスピードでペスタークを残し遥か後方で、ペスタークの方に振り返る2人・・・
手応えは感じた、しかし・・・
ペスタークはゆっくりアリスとサティの方に振り返ると、戦闘前には持っていなかった物を両手に携えていた・・・
それを見た観客席から悲鳴が上がる・・・
アリスとサティの顔から血の気が引く・・・
ペスタークが今両手で持っているもの・・・
それは・・・
アリスとサティの腕であった・・・
それを見たアリスとサティは一気に痛みに襲われ、無くなった部分から血が噴き出している事に気がつく。
「イャアァァァーーー!!痛いぃぃ!!痛いよぉぉーー!!」
とアリスは無くなった腕を抑え苦痛に声がでる、一方サティは自分の腕にスキル【チャクラ】で気の流れを調整し出血を止める。悶え苦しむアリスの元に足を進めるサティは・・・
「貴方を宿敵として見なす事を解除します」
サティはそう呟くとアリスを思いっきり蹴る。蹴られたアリスは闘技場の舞台端の壁に軽くバウンドし倒れこむ。しかしサティに蹴られた事により、アリスは腕に激痛は走るが冷静さを取り戻すのである。そんなアリスにサティが言葉を掛ける。
「とっとと魔法で直して下さいねぇ〜」
「・・・う、うん」
サティのその言葉にアリスは痛みで震える声で魔法詠唱を始める。
「さぁてぇ〜どうしたもんですぅかねぇ〜」
と言葉を発するサティであったが、その顔は喜びに浸っている。
「まずわぁ〜・・・対等になりやしょうかねぇ〜」
そう呟き・・・
「いいでしょ貴方を宿敵と認めましょう」
とペスタークにスキル【宿敵たる由縁】を使用するのである。
そして・・・サティにペスタークと同等な力が注がれる・・・
「キャハハハッ、なんっすか!この力はぁ〜!キャハハハッ」
それは人間の限界値を遥かに超えた能力値!サティはその能力値に我を忘れて本来の自分に戻る・・・
「さぁ〜てぇ〜お返しといきましょうかねぇ〜」
そう言葉を発しサティは残った手にダガーを持ち、そのダガーを舐める。
そんなサティにペスタークは両手で持っていた腕を放り投げると、口をモゴモゴしながら、両手をポケットにしまう。
それを見たサティは片目をピクッとさせ、怒りが込み上げる。
そして・・・
口がつり上り・・・
サティはペスターク目掛けて突進する。
小さく振りかぶりペスタークめがけてダガー振り抜く、しかしペスタークは紙一重でそれを避ける。ペスタークがサティ目掛けて足を上げる、しかしサティはそれを紙一重で避ける。そんな紙一重の攻防が繰り返される・・・
だが次第に・・・ペスタークの上着にサティのダガーが掠め、髪を掠め・・・そして頬を掠めた!!ペスタークの頬から赤い血が流れる・・・
ペスタークはサティと距離を取り、ポケットから片手を出して傷付いた頬に手をやる。ペスタークは手に付いた赤い血を自分の目で確かめ、サティに言葉を掛ける。
「ほう〜人間にしてはやるもんじゃ〜のう・・・しかし、まだまだ奴には届かんの〜」
と少し寂しそうな声を出す。
「・・・届かない?」
ペスタークの言葉にサティは聞き直す。
「ああそうじゃ〜お前より強い人間を、ワシは知っておるからの」
「なっ!?」
サティはペスタークの言っている意味が分からなかった、今の自分より強い?!サティにはそれが全く理解出来なかったのである。サティは今ペスタークと同等の力を得ている、それは人間を遥かに凌駕した力である!なのに・・・届いてない?!
サティはその言葉でほんのひと時であったが、動揺してしまう・・・勿論ペスタークはそんなサティの隙を見逃さなかった!
ペスダークはひと蹴りで治療に専念しているアリスの元に行き、アリスの首元に手を回しサティに言葉を掛ける。
アリスの顔は恐怖染まりガタガタと震えている・・・そんなアリスを他所にペスタークはサティに声をかけるのである。
「もう降参せよ、時間の無駄じゃ」
「・・・・」
その時サティから言葉は出なかった。
顔が引き攣る・・・
サティは今更どんな時でも気を引き締め警戒を疎かにした事が無い・・・
それは闇組織で生き抜く為に必要な事・・・
なのに怠った・・・
もはや殺されたのと同じ事・・・
でもペスタークはそれをしなかった・・・
今迄味わった事が無い程の侮辱・・・
許さない・・・
殺してやる・・・
そしてサティの中の何かがプツンと音を立ててきれたのである。
「キャハハハッ!キャハハハッ!キャハハハッ!」
と胸を貼り腕を広げて、空に向かい声を発するサティ・・・
暫くしてサティは普通の態度に戻りペスタークに声を掛ける。
「う〜ん困りましたね・・・」
とサティは顎に人差し指を付けて顔を横に倒し言葉は冷静に・・・
「だってもう・・・」
とそのままの体勢で口を釣り上げ・・・
「刺しちゃってますから!」
と言葉を発した瞬間・・・
ペスタークの顔が苦痛で歪む!!
目の前に居た筈のサティは居なくなり、代わりにペスタークの背後から声が聞こえる
「キャハハハッ!痛いですか?キャハハハッ!」
サティはペスタークの脇腹に刺したダガーを右に左に捻り言葉を掛けるのである。
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