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世界を変えれるだけの力を持つ俺の今後はどうなってしまうのだろうか?  作者: 陽空
第2章インティア王国・ユートピアと呼ばれる街カンタラ
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えらい事に野宿する事になりました。

 何やら凄い誤解を受けていた様だがそれは俺のせいでは無いとそれを消化する。

 俺は大衆から大分離れて今は宿屋を探している。しかしさっきの魔族の少女が俺と距離を取り歩いて付いてくる・・・


 「う〜んどうしたものやら・・・」


 俺は一人言を呟く。


 宿屋を発見した俺は宿屋の中に入るが、宿屋の窓から隠れているつもりであろう魔族の少女の尖った耳が見える。


 「まだいるのか・・・」


 宿屋の店主が出てきたので俺は質問してみる。


 「魔族の連れが居るのだが・・・泊まれるか?」


 店主の答えはNoであった・・・その後何軒か宿屋を回るも全てがNoとの事で・・・


 「はぁ〜」


 と溜息をついて俺は肉付きの良いマダムの店に向かう事にした。


 「あら〜どうしたの?返品交換は一切受け付けないわよ」


 と言う肉付きの良いマダムに俺は野宿するのでそれに合う必要な物を見繕ってくれと頼む。


 「あらそう、そういう事なら任せて」


 と肉付きの良いマダムは野宿道具を揃えてくれた。中には馬の顔をしたマスクの様な物が混ざっていた様な気がしたがそれは俺の勘違いなのだろうと俺はそれを消化する。

 流石に荷物が持てない俺は肉つきの良いマダムに荷台を借りて俺はカンタラの街をでる。


 カンタラの街の外は見渡す限り平原となり、俺は少しつい最近の事を思い出し泣きそうになるがなんとかそれを耐える。


 俺は肉付きの良いマダムから買ったテントを組み立て、巻きを集め火を起こす。


 「夜は冷えるからこっちこいよ」


 と俺は少し離れた所で立ち尽くす魔族の少女に声をかける。しかし少女はこちらに来ようとはしなかった。

 俺は食事の用意をして、勿論2人分作った、さぁ〜それを食べようとした時・・・


 「オギャーオギャーオギャー」


 と赤児が泣き出したのである。

 抱っこしながらあたふたする俺、一体何で泣いてるのかさっぱりでテンパる俺、そんな俺を見兼ねたのか魔族の少女が俺の元に近づき両手を差し出す。

 俺は少女に赤児を手渡す。腫れた顔で笑顔を作りあやす魔族の少女、俺はそれを見てホッコリする。


 「俺の名はルー、君の名は?」

 「・・・・」


 魔族の少女からの返答は無かった。しかし・・・


 「ぬ、布ありますか?」


 と初めて俺に声を掛けた魔族の少女、俺は驚き魔族の少女の顔を見て固まっている。


 「布ありますか?」


 再度繰り返され俺は我を戻し


 「あっああ、多分ある、ちょっと待ってろ」


 と肉付きの良いマダムが見繕ってくれた布袋を探る。アレでも無いこれでも無いと俺はまるでテンパッている青い狸の化け物がポケットを探る様に俺は布袋を探る。


 「あっあった!テレレテッテレ〜単なる布〜」


 と意気込んでただの布を出すが、寂しい事になんの反応も無いので布を普通に魔族の少女に渡し、何も無かった様な素振りをする俺。

 魔族の少女は俺のキズを広げる事なく布を受け取り赤児の体に巻き付けた。


 「体冷えてましたから・・・」


 そう一言だけ俺に伝えて魔族の少女は赤児を抱いたままゆっくり体を前後ろと動かしあやす。又俺はそんな姿を見てホッコリして顔が緩む。


 「すまないが、食べてくれないか?少し作り過ぎた」


 と俺は嘘をつき魔族の少女に俺が作った食べ物を渡す。魔族の少女は俺の食べ物を受け取り、赤児を抱っこしたままそれを口に持っていく。一噛みして噛んだ状態で魔族の少女の目から涙が溢れる、それは一つの涙では無く滝の様な涙であった。

 魔族の少女が今迄どの様な経験を経て今ここに居るのかは分からない俺であったが、その涙はきっと今までの辛いもの耐えてきたものが一気に吹き出したものだろうと俺は解釈した。そんな魔族の少女に対して俺は掛ける言葉などは持ち合わせていない、むしろそれを言葉にする方が魔族の少女に対する非礼とも思える。だから俺は黙ってただ魔族の少女が涙する事を見守った。


 そして・・・


 「私の名前はレイラです」


 そう一言言葉にして魔族の少女は俺が作った食事を食してくれたのである。


 俺は魔族の少女と赤児をテントにほぼ無理矢理な形で押し込み俺は外で焚き火と魔物の番をしながら一夜を過ごした。


 翌朝俺はテントで魔族の少女・・・嫌・・・レイラと赤児が寝ている事を確認すると、朝食の準備を始める。朝食が出来てレイラを起こしに行こうとしたら、テントから赤児が足をフラつかせて立って歩いていた。


 「ワキャキャ」


 と笑いながら俺の足に噛み付く赤児をそのままに、俺はレイラを揺すって起こす。すると起きた瞬間レイラは目を見開き俺から離れ身を隠す様に身体を小さくするとガタガタ震えていた。


 俺はそれを見て何も言えなかった・・・


 「す、すまん、朝ごはん出来たから、準備出来たら来てくれ」


 俺はそう言い残すとテントの外へ出た。


 「ワキャキャ」


 と俺の足にカブリ付いている赤児を振り払うと俺は地面に腰掛けレイラが来るのを待った。

 しかしレイラは夜になってもテントからでて来なかった。俺が朝作った食べ物はまだ手付かずでそのまま置いてある。勿論俺もまだ食べていない。


 「もう晩飯だな」


 と手が付けられていない食べ物を見て俺は失笑気味に言葉にする。これといって俺もする事が無くボ〜と星空を眺めいたら赤児が


 「ワキャキャ」


 と今の俺の最強武器であるウクレレにちょっかいをだしていた。

 これはたまらんと俺はウクレレを赤児から取り上げると・・・


 「弾いてみるか」


 と呟き弦を弾く・・・


 俺はウクレレを奏でながら色々な事を思い出していた。母との思い出、初めて冒険者になった時の思い出、初めてのパーティーを組んだメンバー、酒場で朝まで飲んだ思い出、ペスタークと戦った時の思い出、アリスに拾われた時の思い出、ダンとサティに会った時の思い出、ミリア、リー、ダルクに会った時の思い出、色々思い出していた。

 そんな時テントの中からかすれた声で俺の奏でるウクレレに合わせて歌声が聞こえてきた。

それはとても小さく人の言葉ではなかったものの優しく誰かを思い歌っているそんな歌であった。

 演奏が終わり暫くするとテントの中からレイラが出てきた。顔は大分マシにはなったが腫れており、ずっと泣いていたのであろうその目はパンパンに腫れていた。


 そんなレイラは俺に声をかけてきた。


 「さっきはすみませんでした」


 お辞儀も無く俺の目を見ないで発せられたその言葉は今レイラが出来る精一杯の見た目人間の俺に向けられた感謝の言葉なんだろうと思われた。


「 いや、こちらこそすまない、どうだ腹減ってるだろ?一緒に食べないか?」


 俺はそう言うと朝こしらえた食事をレイラに差し出した。レイラはそれを素直に受け取り俺と少し離れた位置に座り込みそれを食した。俺もレイラが食べている事を確認してから食べ物を口に運んだ。


 夜飯を済ませ暫く沈黙が続く・・・

 俺は話題を振る様にレイラに話掛けた。


 「歌ってみてくれないか?」


 俺はその言葉の後ウクレレを奏でた。


 暫くは俺の一人演奏であったがレイラは小さい声で歌い始めてくれた。それは少しづつ大きくなり座っていると声が出ないのであろう、レイラは立ち上がり声を張り上げ歌ってくれたのである。

 レイラはワービーストという種で職業で言う所の武道家にあたり、その肺活量は人間とは遥かに凌駕する。そんなレイラの音域・息遣い・ビブラート・フォール・シャウト・スクリーム・その他もろもろは人の域を完全に超えそれが俺の心に突き刺さるのである。


 それは悲しい歌で俺はモロに影響を受けて涙が止まらない。


 そんな俺を見てレイラは・・・


 「ふふふふ」


 と笑ってくれたのである。


 それを見て固まる俺。

 その顔は腫れており決して可愛いとは言えない顔であったが光り輝いていた。そして・・・


 「楽しい曲にしませんか?」


 と俺に手を差し伸べ言葉を掛けてきたのである。


 「すまん・・・」


 どうやら俺の気持ちが沈んでおりそれがそのまま曲になってしまっていたらしい。

 本当に歌が上手い子だど俺は心からレイラに称賛を送り俺はレイラの手を掴み立ち上がる。

 その時何か発光した様な気がした・・・どうやら俺のスキル【神の真似事】がレイラに発動したらしい。


 そして俺は足を大きく開き左右にステップを踏みながら演奏を開始した。

 それを見たレイラは微笑み俺の曲に合わせて歌い出す。それはとても楽しい時間であった、俺はレイラの歌の詩を聞くたびにどんどん楽しくなる。レイラも同様に最初は足を揃え歌っていたのだが、軽いステップから大きな動きに変わり、お互いがお互いの顔を見て笑顔が生まれる。俺達はそれを朝日が上がるまで楽しんだ。


 そして俺達は知らなかったのである・・・

 俺の弾くウクレレとレイラが歌う歌声が風にのりカンタラの街まで届いていた事を・・・

読んで頂いてありがとうございます。

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