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ぼ、僕、ルク・ベイダーのこ、今後はど、どうなってしまうのでしょうか?②

ダルク過去②です

 インダスタル王国インダスタル8世そう呼ばれる人物は名君では無かった・・・人の才能を見抜く力と知恵は持ち合わせていたが、自分より才無き者に対する扱いは酷く、国民ですら一つの物とし扱い、何より自分の財を増やす事に尽力を尽くす人物であった。


 ある年の事であるインダスタル王国を含む近隣諸国に飢饉が訪れ、近隣諸国は食料を求め大規模な戦を始めたのである。その中で沈黙を守り又近隣諸国から戦の対象とされなかった国があった・・・それが剣聖ダス・ベイダーを要するインダスタル王国である。その圧倒力に誰もが臆くしその火の粉が降り掛かる事は無かったのである。


 近隣諸国の戦は血を血で拭う戦であった、死者を積み重ね前線へと狩り出される国民、飢饉を乗り越え様と始めた戦が結果より飢餓を生み、その飢餓の対策として又前線へと国民が送られたのである。

 そんな状況で最初に動きだしたのがニヒルク族であった。もはや近隣諸国には大した食糧も無く、戦に勝ったとしても得られる物は微々たる食糧、ニヒルク族は決死の覚悟でこれまで戦に巻き込まれず、着々と国力を蓄えるインダスタル王国にとうとう牙を向いたのである。


 いずれこうなる事は安易に予想出来た、それはインダスタル8世も分かっていた事である。そしてその戦を止める手段も分かっていたのである。王国に使われず残っている財を投じて近隣諸国に食糧を振る舞えばよかった、しかしそれはインダスタル8世にとっては我慢出来ない方法であり、敢えて知らぬフリを決め込み剣聖であり参謀であるダスに知恵を求めたのである。


 しかし剣聖ダスの口から出る言葉はインダスタル8世が遺憾とする方法そのものであり、インダスタル8世が求める答えでは無かった。


 インダスタル8世が真に求めた答えは・・・剣聖ダスによるニヒルク族掃討であった・・・それは圧倒的力を要する剣聖ダスが居るからこそ成り立つ方法であり、剣聖ダス以外では足り立たない方法であったのである。



 ・

 ・

 ・

 ・

 ・

 そしてとうとうニヒルク族進軍の報せが届く・・・


 「では、行ってくる」

 「ち、父上・・・」

 「そう悲しい顔をするなルク、留守の間マリアとこの家を頼むぞ!」

 「は、はい!父上ご武運を!」

 「ああ、必ず無事に戻ってくる」


 そう言うとダスは馬に跨がる。


 「そうそうルクよ、お前は優しい子だ、お前の剣は誰かを護る剣だ」


 そうこの時すでにルクは無意識に癒しの力を込めていたのである。しかしルクは父の言う真の意味は理解出来ていなく「王国に住む人々を守る剣であれ」と理解していた。


 「今は分からんだろうが、その内理解出来るさ」


 そう最後に小さくダスは呟きルクに微笑み掛けると手綱を強く打ち付け戦場へと馬を進めるのである。



---ニヒルク族防衛最前線---



 ニヒルク族は死に物狂いであった・・・兵士の大半は痩せ干せ何処からその様な力が出てくるのか理解が出来なかった・・・インダスタルの兵士達はその迫り来る迫力と気迫に少しづつ後退を余儀なくされていた。


 そんな時インダスタルの兵士に吉報が舞い込む・・・そうそれは剣聖ダス・ベイダーの到着の報告であった。


 戦局を把握した剣聖ダスは単騎でニヒルク族の大群に切り込むのである。それを弓が届く範囲で立ち尽くすインダスタル兵士その兵士達は剣聖ダスの戦いに目を奪われただ弓を引くのも忘れただ見つめる。そう剣聖と称される人類世界最強の剣を・・・


 剣聖ダスの戦いは壮絶であった。まるで紙を切るかの様にニヒルク族の兵士の剣と体を分断し一振りで10の屍を作る・・・剣に帯びた電撃が更に奥にいる20もの兵を焼き焦がし、たった一振りで30もの肉の塊を作り出す。剣聖が通る後には誰一人立っていられる者は無く半刻もすれば、もう勝敗は誰の目からみても明らかになっていたのである。


 「撤退ー!撤退ー!」


 ニヒルク族がとうとう撤退を始めたのである。

 剣聖ダスはその言葉を聞くと只その場に立ち尽くし悲しい顔をするのであった・・・


 陣営に戻りインダスタルの兵士から歓喜で迎えられる剣聖ダス、その歓喜に答える様に片手を高々と上げ、また一層にその歓喜の声が高まる。剣聖は歓喜が鳴り止まないまま自分の天幕へと姿を消すのであった。


 暫く歓喜が続きその声も聞こえなくなってから暫くしてダスの元を尋ねる人物がいた。


 「しかしいつ見ても桁違いだな・・・」


 伺いも無くあたかも自分の天幕の様に堂々とダスの天幕に入る。


 「ああ、シスか・・・何か用か?」


 返り血も拭き取らずただ椅子に腰掛けているダスが言葉を発する。そんなダスに呆れ顔で笑顔を作るシス、そしてシスはダスに言葉を掛ける。


 「なぁ〜なんとかならんのか?この戦・・・」

 「ああ、俺の力不足だ・・・すまん・・・」

 「ダス友人として聞く!インダスタル8世をどう思う?」

 「何を言っているシス!」


 ダスは睨みつける様にシスを見る・・・


 「・・・ハッキリ言おう、あれはダメだ!」

 「だから何を言っているシス!!!」


 ダス声を張り上げて言葉を出す。


 「この戦は回避出来た戦だ!なのにあの王は自分の財をケチり結果このザマだ!目を向けろダス!あれはダメな王だ!」


 シスも声を張り上げて言葉を出す。


 「俺はあのお方に剣を預けた身だ、友人であるお前のその言葉一度は聞き流そう・・・だが次は無い!出て行け!」

 「ダス目を向けろ!」

 「言った筈だ次は無いと!」


 ダスはシスを睨み付けて立ち上がり剣を抜く、それを見たシスは悲しい顔をして言葉を掛けるのであった。


 「そうか・・・ダス・・・残念だよ」


 そう言葉を残しシスはダスの天幕を出るのであった・・・そしてダスの天幕から少し離れた場所でダスの天幕に振り返りシスは小さな声で呟くのであった・・・


 「ダスお前は悪くないよ、お前はな・・・」




 次の日に増援と合流したニヒルク族が再び進軍を開始する。勿論前回と同様剣聖ダス単騎による突撃で迎え撃つインダスタル王国・・・結果は前回同様に半刻もすれば撤退の合図が上がりニヒルク族は撤退していくのである。しかし・・・


 その場の惨劇を悲しむ様に立ち尽くす剣聖ダスに・・・


 「ドスッ」


 何が起こったのか分からなかったダス・・・そんなダスの背中から・・・


 「ドスッドスッドスッ」


 と音がしてダスの体が前に押し出される・・・


 それでも理解が出来ないダス・・・


 ニヒルク族は撤退して撤退した方角に顔を向けている・・・


 背中にいるのは自分の王国の兵しかいない・・・

 

 なのに何故?


 「ドスッドスッドスッ」


 苦痛で顔が歪む剣聖ダス・・・


 ゆっくり背中に振り向り向くダス・・・


 そこには自分に弓を引くインダスタルの兵がいる・・・


 ドンドン打ち出される弓・・・


 その殆どを身に受ける剣聖ダス・・・


 「な、何故?!」


 覚束無い足で弓引く味方の方に足を進める剣聖ダス・・・


 幾多も打ち出される弓だが・・・


 剣聖ダスの足は止まらない・・・


 ダスは帰らなければならなかった・・・


 ルクとマリアの元に・・・


 しかしその思いは・・・1つの弓矢によって阻止される・・・ダスの額に刺さり矢先が後頭部へと姿を見せる・・・


 そしてある男が弓の打ち方を静止させる・・・


 薄れ行く意識の中ダスはその人物の顔を見て言葉にする・・・


 「シスどうして・・・ルク・・・マリア・・・す、すまな・・・い・・・」



 剣聖(雷剣)ダス・ベイダー人類世界最強の戦士の最後は味方の離反による騙し打ちであった・・・




 剣聖ダス・ベイダーの死は直ぐに大陸全土に及んだ・・・国の要を失ったインダスタル王国はすぐ有り余る財を投じて食糧を買い近隣諸国に振る舞い、戦いは沈静化していったのである・・・皮肉にも剣聖ダス・ベイダーの死が長年続いた血を血で洗う戦いを止め数千万の人々を救ったのである。




 そして・・・


 その報は・・・


 勿論ダスの帰りを待つルクとマリアの耳にも入るのである・・・


 その報を聞いたマリアは発狂する・・・




 ダスの死の知らせから1週間が過ぎ・・・


 一番奥の部屋の前に居るメイド2人に元気無く挨拶をするルク、そしてドアを開け、ベットに上半身起し本を読む女性に声を掛ける・・・


 「お、お・・・か・・・さ・・・ま・・・」


 元気無く声を掛けたルクに気が付きマリアが笑顔で声を掛ける。


 「あらダスどうしたの?あらあら涙なんか流して・・・もう〜何かあったの?」

 「お、お母さま・・・」

 「ダス?もう~どうしちゃったの?」

 「お母さま!!」

 「ビックリするじゃない!!どうしちゃったの?ダス・・・」


 そしてマリアは現実に目を背けるのである・・・


 ルクはそんな母マリアの膝に顔を埋めて声無く泣くのであった・・・


 「本当にどうしたのダス?・・・」


 膝に顔を埋めて泣くルクの頭を撫でて、マリアがダスに掛ける声はとても優しい声であった・・・・

ここまで読んで頂いてありがとうございます。

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