私、ミリア・フォレストの今後はどうなっちゃうの?①
ミリアの過去①です。
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ミリア・フォレストそれが私の名前。
私の家はお父さんが道具屋をやってるの。儲かってるかと聞かれたら、私はお父さんが冒険者の人に何時も言ってる言葉を使うの。
「ボチボチでんな」
ってね。
私の父さん髭がモッサリで顔をいつも擦り寄せてくるが玉に傷だけど私の大好きなお父さん。何時もムスっとして冒険者にアイテムを売る姿はとってもカッコイイの。
お母さんは・・・私が生まれた後死んじゃったの理由は聞いてない、お母さんの話をするとお父さん凄く悲しい顔をするから聞けないの・・・
でもでも私は不幸なんかじゃ無いよ。とっても幸せこの先もずっーーとお父さんと一緒に暮らして、私がお父さんのお嫁さんになるの。
そんなお父さんだけど・・・一つだけ嫌な事がある。
何時も私が寝るとお父さん仕事してるんだけど・・・たまたま私が夜起きてお父さんの仕事する姿を見ると、いつもの優しいお父さんがとても怖い顔をしてるの、とってもとっても怖いんだよ。
そして誰かの名前を呟いてるの確か・・・あっそうそうイリアって名前だったと思う。
誰か分かんないけどきっとお父さんに凄い酷い事をしたヤリ○ンなんだと思うの。そんな奴ミリアが許さないんだから!
毎日の日課は朝起きて、お父さんと一緒ご飯を食べてお店を開けるの。もちろんミリアも手伝うよ、食器洗いと防具品の陳列はミリアのお仕事。
店番もするんだよ、昔お父さんは冒険者をやっていたみたい、店番をしていると冒険者のオジさんがいつも話してくれるよ。
ミリアは昔のお父さんの事をあまり知らないし、オジさんが話てくれる内容もよく分かんないんだけど、 冒険者のオジさんはまるで喜劇を見るように手振り足ぶり目をキラキラさせて教えてくれるの。
その話はミリア大好きなんだけど・・・お父さんは嫌みたい、その話をしているとお父さん冒険者のオジさんに凄い怖い顔をするの・・・そこでいつも話は終わっちゃうの、ホント残念。
今日もそんないつもと変わらない一日中だと思ってたんだけど、もうお店を閉める時間にたまにしか来ない神父のエリック叔父さんが来たの。
「やあ〜ミリア元気してるかい?」
叔父さんはいつもこう言うと私の頭をくちゃくちゃにするの・・・ちょっと嫌・・・
「うん元気だよ、叔父さんは?」
「あ〜あ、すこぶる元気だよ。ところでミロは居るかい?」
「うん、ちょっと待ってて呼んでくるから」
ミリアは奥で晩飯をこしらえている父親ミロを呼びに行く。ミリアがミロを呼びにその場を離れて見えなくなってから・・・
「あれからもう5年か・・・」と意味ありげな言葉をエリックは呟く。
この話はのちに冒険者【狂乱の破壊魔女ミリア】と呼ばれる少女時代の話である。
「よ〜久しぶりだなエリック元気だったか?」
そう言葉を発したのはミリアの父親ミロだった。
「お前こそ元気そうだな」
エリックは言葉を返す。
「こんな所でも何だし家入れよ、丁度メシも出来る所だ食ってけ」
ミロはそう言うと
「あ、いや・・・」
エリックは後から姿を見せたミリアを見て
「じゃ〜お言葉に甘えよう」
とミロの招きを受け入れた。
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「あははははは」
「そーだそーだそんな事あったな。」
「お前のあの一言、ミジンコヤローには参ったぜまったく。」
【そうミリアがたまに使う汚い言葉は父親から学んだ雑学なのである。】
ミリアは嬉しかった。冒険者としての父の話では無かったが、昔の父がどの様な人物だったのか少し聞けたからである。しばらく談笑が続き夕飯を済ませ一段着いた後にエリックは急に話題を変える。
「ところでミロあれの件なのだが・・・」
今まで笑っていたエリックとミロであったが・・・エリックのその言葉でエリックとミロの空気に緊張感が生まれる。
「ん?エリック叔父さん、なんの話?」
そんな空気をまだ読めないミリアは一人はしゃいでいる。
「ミリアもう寝なさい」
そう言葉を掛けたのはミロであった。
「えーーーまだ早いよぉーー」
確かにいつもよりは少し早い時間ではあったが日は沈み外は月明かりが照らされていた。
「いいから寝なさい!!」
再度ミロからかけられた言葉は少し怒った口調であった、いつも優しい父親であるミロがミリアに対して使う口調としては珍しく空気は読めてないものの、渋々父親のことばに従うのであった。
「・・・は〜い・・・じゃ、おやすみなさい」
父親ミロとエリックに頭を軽く下げシュンとしたミリアは寝室に向かう。
この時ミロとエリックはミリアの事を分かっていなかった、それはミリアだけに止まる事では無く6歳という年齢の子供が如何に好奇心旺盛で大人として認められる様に背伸びをしている事が・・・
ミリアは今から父親ミロとエリックが話す内容に閉め出された事で子供扱いされたと認識し、「何が何でも聞いてやる」と逆効果であった事を・・・・
ミリアは自分の寝室のドアを「カチャ」と開けて「バタン」と閉める。ワザと音をたて自分が寝室に入ったフリをするとコッソリ廊下まで戻り壁に耳をあてる。
≪子供だからって馬鹿にしないでよね≫ミリアは心でそう呟くと聞こえてくるミロとエリックの話に集中する。
最初に声をだしたのはミロであった。
「飲み物取ってこようか?」
それは来客であるエリックに気遣った言葉から始まった。
「ああ、頼む・・・」
その言葉を聞いたミロは席を立ち水を入れる為台所の方に足を向ける。
「イリアが現れた・・・」
≪イリア?何時もお父さんが言ってるヤリ〇ンの事ね!!お父さんにちょっかい出しに来たのね!!≫聞き耳を立てているミリアは心でそう思うとかなり腹立たしくなる。
エリックが発した言葉に少し同様したのか、ミロは数秒立ち止まるも直ぐに台所の水場に足を進める。
「そうか・・・」
コップに水を注ぎ何時もと同じ態度を崩さないミロ
「いつだ?」
ミロはそうエリックに問うと水を注ぎ終わりエリックの元に足を進める。
「5日前だ・・・」
エリックは両肘をテーブルに付け手を合わせ頭を下げて言葉を発する。それはまるで祈りを捧げている様なさまであった。
「どこでた?」
ミロは水が入ったコップをエリックの前に置くと再度エリックに問いかけた。
「この町から2日程の森だ・・・」
エリックは祈り捧げた様な格好のまま問いに答える。
「そうか・・・近いな・・・」
ミロは椅子に座り腕を組み目をつぶりまるでため息を吐くかの様に言葉を吐く。
「なぁ〜ミロこの件は俺・・・嫌・・・教会に任せてくれないか?ミリアと一緒に教会で保護を受けてくれないか?」
エリックは勢いよく立ち上がり必死に懇願する。
「・・・・」
ミロからは返事がない。
「なぁ!俺に任せてくれ・・・イリア・・・嫌・・・妹はお前が愛した人・・・ミリアの母親・・・」
エリックは凄く寂しそうに言葉を出す。
≪え?・・・・私の母親???・・・・≫ミリアは混乱していた。小さい頃より自分に母親が居ない事は自分が生まれて死んだと聞いていたからだ。それなのに生きている?意味が分らなかった。
でも神父のエリック叔父さんが嘘をつく訳が無いのである。そして父であるミロの反応からもそれは真実という事がミリアにも読み取れた。
そしてミリアは自分に母親が居るという真実を知ると自然に足が動いていた・・・・
暫く沈黙が続きそんなミリアを他所にミロとエリックの話は続く・・・
「すまんがエリック・・・・あれは俺が殺る・・・・その準備はしてきた・・・・」
まるで何もない素振りでミロは言葉を発する。
「そうか・・・・」
エリックの引き下がりはあっさりしたものであった。それは長年共にしエリックがミロという人物を知り尽くしているからである。一度口にしたものは決して曲げないそれがミロだという事を・・・話し合いをした所でこうなる事は分かっていたエリックであったが・・・せめてもう一度と話し合い自分に一任してもらえる様に懇願しに来たのである。
「ミロ、私は私のやり方でやらしてもらうぞ」
エリックはそう言葉を発すると席を立ち出口に足を進める。
「ああ」
ミロからの返答は簡素であった。
それを聞いたエリックは足と数秒止めたもののそのまま家を出て行った。
エリックが家を出ていき暫くして・・・
「ふぅ~~」
とミロは天井を見上げ溜息を吐く・・・
ミロは立ち上がりミリアの部屋に向かう。
ドアを開けミリアのベットに足を進めると・・・窓が開いていた・・・暫く考えた後・・・まさか!!と思いベッドの毛布を勢いよく引き抜くと、そこには誰も居なかった。残りの部屋を探すエリック「ミリア」と声を何度も何度も大声を出しミリアの姿を探すミロ・・・しかし何処にもいないミリア・・・
「くっくそーーー」
ミロは自分の仕事場に行き、掛けてあるバックに透明な液体が入った瓶を急いで3つ詰め込み、走って家を飛び出した。
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ミリアは裸足で自分の寝室の窓から外に飛び出し森の方へ駆けている。
ミリアは自分が今取っている行動に理解が出来なかった・・・自分の母親は小さい頃に死んだ、そう頭で理解してもう居ない存在だと消化し、ミリアは母親が居なくても大丈夫であった、父との時間、たまに来るエリック、近所のおばちゃん、冒険者のオジサン、近所の悪ガキ、毎日毎日楽しかった、母親が居なくても幸せだった・・・でもミリアは駆け出している。そんな自分が信じられなかった。
読んで頂いてありがとうございます。




