えらい事に問題児がえらい力を持ってました。
遅れてすみません。
「ねぇ~私達今ノリノリだからドンドンLVUPするわよーーー!!」
そう提案したのはミリアだった・・・・どうせ俺が買った身かわしのワンピースの効果を確かめたいのだろうと思ったが、敢えてそれを口にする様な事はしなかった。
それにミリアを除くリーとダルクは今までの自分のウィークポイントが改善され気力に満ちていたからだ。
そして俺達は今カンカウレの街から少し離れた森の中にいる。
森は平原と比べて魔物の出現率が劇的に多いい。通常のLV上げで有れば森で魔物を狩るのは冒険者の心得で掲げられている基本中の基本である。
そして俺はここで、このメンバーの最大のネックであるミリアを何とかしよう大作戦を決行する予定なのである。
まず俺はミリアが戦闘開始から戦闘終わりまで、常に唱え続けている魔法詠唱の解読から進める事にした。
「やぁ~ミリア今日も元気だね」
俺は何の不自然も無い態度でミリアに近づき
「うんうん、元気が一番」
と両肩を軽くパンパンと叩いた。
「????」
マズい少し不自然だったか?ミリアが困惑している様に見える。
「イチャつかないでくれる」
リーが無表情のまま言葉をかけると俺の顔が赤くなる。
横目でミリアを見るとミリアも少しうつむき顔が赤くなっている事が分かった。
それは大いなる誤解であったのだが、反論はしなかった作戦上の犠牲は付きもの、俺は大義の為に小義を捨てたのだ。と自分に言い聞かせている。
何故か俺は身かわしのワンピースをミリアに渡してから少し・・・ほんのチョッピリ・・・細胞LVの大きさでミリアを意識している。
まぁ〜これは置いておこう、それよりも作戦の続きの話をしよう。
俺がミリアの肩に触ったのはあるアイテムをミリアに付ける必要があったからだ。
それは【盗聴蝶】と呼ばれるアイテムで付けられた相手が何を話しているのか分かるアイテムである。
本来ならこんな下劣でメンバーの反感を買う様な事はしたくなかったのだが、どうしても先に進みたい俺としては苦渋の選択の結果実行に移す事にした。
そして魔物が現れた。
俺は魔物と普通に戦いつつミリア魔法詠唱の言葉に耳を傾ける。
「ちょっと何さっきのボディタッチありえないんですけど!!!」
それは俺の批判から始まった。
《あ、あれ?魔法詠唱は?》とは思ったもののこれからだろうと俺は消化する。
しかし俺の期待とは別に・・・
「あの頭何?顔のペイントといいホントどうかしてるよね?たまに変な動きしてるしさぁ~超キモイんだけど~・・・・・・・ミリアの毒舌は続く」
「・・・・」
はぁ~俺はどんだけ嫌われているんだと少し落ち込む。
「でも・・・・いいやつよね・・・」
俺の顔が真っ赤になる。
≪ヤメロー止めてくれー≫俺は自分の胸が締め付けられる思いに必死に抵抗する。
≪てか、早く魔法詠唱しろよーー!!≫と話題を早く変えて欲しい俺。
そして・・・・
「なま米、なまゴマ、なま卵、なま米、なまゴマ、なま卵、うん!絶好調!!」
≪絶好調じゃーねぇよ、詠唱しろよ!!それに【ごま】じゃなくて麦だし!!≫
「インベスタ・・・」
≪やっと魔法詠唱を始めたか・・・どんなけ時間かかってるんだよ!!≫
「タヌキ→キツネ→ネズミ→ミキティ・・・続く」
≪しり取り始めやがった・・・≫
そしてついに・・・
「グー・・・グー・・・ムニャムニャもう食べれないよ・・・グー・・・」
≪寝やがった!!≫
俺は最後の魔物を倒すとその場に崩れ落ちた。
しかし俺はそんな事だろうと予想していたのだ!!あのミリアが戦闘中まともな事をしている筈がないと俺は心から信じていた!!だからこその身かわしのワンピースなのだ!!
そしてミリアなんとかしよう大作戦を実行に移す。
俺はミリアに近づき言葉をかける。
「なぁミリア」
俺が声をかけた瞬間ミリアは頬を赤く染め胸を両手で隠し体をよじり身を守るそぶりをする。
「や、やめて!!」
「・・・・」
リーなんとかしてくれと、リーの方に振り向くと・・・リーは頬を赤く染め胸を両手で隠し体をよじり身を守るそぶりをする。
「・・・・」
ま、まさかと思いダルクの方に振り向くと・・・ダルクは頬を赤く染め胸を両手で隠し体をよじり身を守るそぶりをする。
両手両膝を地面につけ崩れ落ちる俺。
ミリアとリーなら全く気にしないが・・・ダルクのはかなりのダメージであった。恐らくリーに何か吹き込まれたのであろう・・・
暫くしてやっとの思いでダルクに受けた精神的ダメージから立ち直った俺は、ミリアに体には触らないからと言う条件で話を聞いて貰える事になった。
「ミリアお前の魔法の事なんだが・・・」
食い入る様に俺を見るミリア
「実は・・・」
俺の言葉一つ一つを聞き逃さない様理解しようと頷くミリア
「物理接近魔法なんだ!!」
勿論そんなものは無い。かなり苦しかったが魔法が使え無いのであれば、物理攻撃するしかない、魔法使い職のミリアにはかなり酷な話ではあるが・・・LVランクが上がれば其の内魔法の一つや二つ覚えるだろうから、それまでの繋ぎとして前線で戦って貰おうと言う口実である。
それにミリアに渡した身かわしのワンピースは回避能力をかなり向上する事が出来るアイテムでこの為に用意したのである。
「・・・・」
ミリアからの反応が無い・・・・さすがに苦しかったか・・・・
「な、な・・・・」
やっぱり分かるよな・・・・そんな魔法存在しない事ぐらい・・・・
「なんで知ってるの?!!!」
「え?」
目をキラキラさせながら俺に顔を近づけるミリア
「秘密にしてたんだけど・・・・」
遠い目をする俺
「バレちゃったら仕方ないわね」
≪あっそ≫と心で呆れる俺
その後も有りもしない物理接近魔法のウンチクをリーとダルクに口からでまかせで説明するミリアをよそに、リーの方に視線を向ける俺
リーに物理接近魔法は存在しない事はバレている筈なのだが、リーは俺の思惑を見透かしているのか?それについてリーが言葉を出す事は無かった。
そして暫くしてスライム3匹ゴブリン2匹の魔物達が俺達の前に現れた。
前衛は俺とミリア中衛にダルク後衛にリーに位置取りをして戦闘を開始しようとした時であった。
俺の力を悟ったのかスライムが仲間を呼んだのである。
それは地面から現れた。手の大きさは大人一人分で人間と作りがほぼ同じだが土で出来ている魔物ゴーレムであった。
ゴーレムは動きこそ遅いがその1撃が大変重く軽装であるミリアがそれを貰うと只では済まない。それに魔法使いであるミリアは幾らゴーレム攻撃を試みた所で高い防御力を有するゴーレムの体は傷一つ負わないであろう。
まさかスライム如きがゴーレムを呼び出すとは思っていなかった俺はミリアを下がらせる判断が遅れた。
俺がミリアを下がらせようとミリアの方に振り返った時には、もう遅くミリアはゴーレムに飛び出していたのである。
そして俺はそこでとんでも無いものを目にした・・・・
ゴーレムはミリアの飛び出しに合わせ拳を突き出し、ミリアもその拳に向かい杖を力一杯振り抜く・・・
ミリアの杖が発光しゴーレムの拳とミリアの杖が重なった時、ゴーレムの拳は肩からちぎれて吹き飛びその腕が200m程先に円を描いて落下する。
「なっ・・・・」
その有り得ない光景に固まる俺とリーとダルク。
そんな事はお構い無しにゴーレムに攻撃を追加攻撃をしかけるミリア
最初の攻撃でバランスを崩したゴーレムの側面に即座に移動し、斜め下に杖を振りかぶり、カチ上げる様に杖を斜め上に振り抜くと、ゴーレムの体が上半身と下半身に分かれ、上半身は回転しながら100m程先に円を描きながら落下、下半身はゆっくり体勢を崩さずその場に倒れたのである。
ミリアは俺達の方に振り向くと「どんなもんだい」と言わんばかりに歯を見せ笑顔を作っていた。
≪後にミリアは狂乱の破壊魔女と呼ばれ世界から恐れられる事になる、しかしそれはもう少し後の話になる≫
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