メンバー候補はえらい事に問題児ばかりでした。
いっぱいの方が見てくれて嬉しいです。ありがとうございます。
月がとても綺麗でその月明りで周りは朝の様に光に満ちていた。
今俺は平原の果てに見える遥か彼方に等しい街を眺めている。勿論肉眼で確認する事は出来ないが・・・でもそうせざる得ない状況なのである。
何故俺は見えもしない街の方に目を向けているのかと言うと、それは早くゴールとなる物を肉眼で捕らえて安堵したいからである。
もっと分かり易く言おう。
1回目の戦闘の結果俺はこのメンバーからいち早く抜けたいのであると・・・
もう脳ミソが無いものと判断を下し忘れかけている記憶を呼び起こす。
確かそう・・・まずは自己紹介をしていたような・・・
目標の街へ歩き始めて1時間が過ぎた頃、何の前触れなく・・・
「では〜2日間か〜それとも〜その先もあるのか〜奇怪な男まず、張り切って自己紹介どぞ〜」
突如何をトチ狂ったのか女魔法はそう言うとマイクに模した木の棒を俺に渡す。
まぁ〜名前はこれまでの出来事で把握しているのだが・・・とは思ったが、これから仲間になるかも知れないメンバーだ、やはりキチンとするべきだろうとその提案にのる事にした。
棒を受け取り自己紹介を始める俺。
「え〜遊び人やってます。ルーです、宜しくお願いします。」
俺がそう言葉を発すると女魔法使いは木の棒を俺から奪い取り
「つまらん、つまらんですが〜、それでも遊び人かぁ〜と言いたく成りますが〜次の人大チャンス!!あんな後なら誰でもウケる事間違いな〜し〜そんな幸運な次の人は〜」
遠い目をする俺。
「ぼ、ぼくはダルクっていいます。せ、戦士してます。よろしくお願いします。」
140cmの戦士ダルクは自己紹介を終えてホッとしている様だ。
《ウケてねぇーじゃんと俺は心で呟く》
「次はこの方〜」
女魔法使いは女武道家を指差した。
「・・・戦士が戦死・・・」
女武道家リーは自慢げに言葉を発した。
「ち、ちょっとぉ〜縁起でもない事言わないでよ〜リーちゃ〜ん」
俺だけ扱いが酷い訳では無いのだなっと胸を撫で下ろす。
「最後の〜オオトリ〜私ぃ〜」
《えっ!!リーの自己紹介あれで終わりなの?職業おろか名前すら言ってないよね?と心でツッ込む》
「こんにちは〜」
女魔法使いは、ほぼ無い胸を両腕で寄せ前かがみになり・・・
「私の名前は・・・」
両手を広げ片足を膝で折り残りの足で体を回転させ・・・
「ミリアで~す。」
瞳の前で片手でピースを作り残りの片手は手の甲を腰に置き、八の字に脚を広げポーズをとる。
「・・・・」
固まる俺・・・
それを見たミリアが顔を真っ赤にしてリーの元へ駆け寄ると耳打ちで言葉をかける。
「ねぇちょっと全然反応しないんですけど・・・」
耳打ちする必要が無いほどミリアの声が俺に聞こえる・・・
「馬鹿ねミリアあれが通じるのは人間だけよ」
とリーが耳打ちでミリアに話かけるがその言葉もダダ漏れである・・・
《いえいえ俺人間ですけど!!と心で叫ぶ》
ミリアは俺に近づき呆れた顔をして
「まぁ〜いいわ、許してあげる」
とまるで俺が全て悪いかの様な態度を取った・・・
その時不意にガサガサと草原を駆け寄って来る音がし近寄る音が姿を現わす。
月の光に照らされ現れた魔物それはスライムであった。その数は6匹約50m先前方で身構えている。
俺達も戦闘態勢に入る、リー・ダルク・俺が前衛になりミリアが後方へと位置取る。
ミリアが目を閉じて魔法らしき詠唱を始める。
ダルクは剣を抜き、リーは拳と拳を合わせる。
俺は素手でも余裕で戦えるのだが、貧乏症な俺は今の職業で唯一装備出来る2000Gもした
「テレレテッテレ~~マジックハンド~」
と一瞬青い狸の化け物になりマジックハンドを懐から出し胸を張る俺・・・
しかし寂しい事に周りからのツッ込みは無いので何も無かった様に俺は振る舞い武器を構える。
一見ふざけてる様な俺の武器マジックハンドであったが、俺はそれにスキル【気刀】条件下【体内にある気を武器に込める事により、込められた武器の性能を込めた気の分だけ上昇させる】を使用する。
一番最初に攻撃を仕掛けたのは俺だった。
俺は地面をひと蹴りするとスライムAの手前に止まりマジックハンドでスライムAの体をツネル。
すぐ様俺は一番近いスライムBに横蹴りを食らわせ地面にスライムBを叩き付ける、その横蹴りの遠心力を利用し逆の足で横となりのスライムCに蹴りを食らわせ地面に叩き付ける。
叩き付けられたスライムBとCは約10cm程地面に食い込む。
足が揃ったところで全身を前に倒して腕いっぱいに伸ばしマジックハンドでさらに奥にいたスライムDをツネル。
その間1秒とかからなかった・・・
俺の攻撃を受けた4匹のスライム達はピクリともしない、そう倒したのだ!!
《ヨシ!スキル【一人ボケ】は発動しなかった。》心の中でガッツポーズ。
「す、凄い・・・」
リーとダルクの口から思わず言葉が溢れる。
「えっ・・・」
俺は逆に驚いた・・・見習い冒険者LVに合わせたつもりなのだが・・・少し高かったらしい・・・
まぁ〜そんな事よりスライムは後2匹。3人の実力を見るためワザと残したのだ!
その2匹の内1匹に対して攻撃を仕掛けたのはリーであった。
リーはダッシュでスライムの所まで駆け寄ると、スライムはリーのダッシュに合わせて体を細長くして鞭の様にしならせて体当たり、それをリーはしゃがみ込む様にかわして、足で地面に接している部分をなぎ払い、その後流れる様に逆立ち、逆立ちする後足でスライムをカチ上げ、落ちてくるスライムに合わせて両膝をスライムの上に落とした!!
中々いい連携攻撃であった。
しかし両膝を落としたままリーは倒れこみ・・・
「スピィポースピィポースピィポー」
と聞いた事の無い息づかいをして、うつ伏せのまま動こうとしない・・・
恐らく・・・体力切れなのであろう・・・
そんなリーにもう一匹のスライムがみの虫の様な動きで近寄る!!
その前にダルクが立ち塞がり剣を構る!!
「おお!!」
ダルクの剣を構える姿には一切のスキが無い、驚きで俺は思わず声を出す!!!!
そしてダルクはすり足でスライムに一切の無駄の無い動きで切り込む!!
それはとても見習い冒険者とは思えない剣さばきであった・・・確かに基本能力は無いが、技と呼ばれる能力に関してはかなりの達人の剣。
その剣を受けたのだ勝負あったか!と思われたのだが・・・何故かスライムは生きており、更にダルクが無駄の無い動きで切り込む。
次こそ決着か!と思ったのだが・・・何故かスライムは生きており、更に更にダルクが無駄の無い動きで切り込む・・・・・・・・
ダルクの最初の切り込みからもう5分は経過したと思われる。あいも変わらず同じ事の繰り返しである・・・
ダルクが最初の切込みから10分経過・・・
15分経過・・・
恐らくダルクはもう1000回はスライムに切込みヒットさせているが一向に倒せる気配が無い。
「・・・・」
俺は普通に歩きスライムの背後をマジックハンドでツネりスライムを倒す。
そして俺はリーがスライムを倒した辺りからミリアをちょこちょこ見ていたのだが・・・・ミリアは時折頭と膝をカクカクさせて、半開きの口からはヨダレ、鼻からは風船・・・・
1回攻撃したら体力が尽きる武道家・・・・
攻撃しても敵を倒せない戦士・・・・
戦闘中に寝る魔法使い・・・
「ありえないわ~・・・」
そうボヤキながら俺はゴールであるまだ見えない街を眺めていた・・・
仕事の関係でUP遅れる事もあります。すみません。出来次第UPするのでこれからもよろしくお願いします。




