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えらい事テストされる事になりました。

遅くなってすみません。


ブックマークありがとうございます。あ、あれ・・

涙が止まんない・・・


アイーダの酒場前

 俺が女魔法使いと140cmの戦士と女武道家と共にアイーダ酒場から走って離れたほぼ直後、大男と蛇の様な男は腹を抱えてプルプルと震え倒れている。


 「ぐっふ」


 何かを吐き出す音が聞こえる。


 「ぐっふふふふふ」


 その音はやがて・・・・


 「ぐわはははははははは」


 大男と蛇の様な男の笑い声に変わった。


 「やべぇ~腹がぐふっ」

 「あのヤロ~まさかあんな隠し玉を持ってぐふっ」

 「マジ半端ねぇ~ぐふっ」

 「思い出すだけぐふっ」


 大男と蛇の様な男はお互いの顔を見合いこの状況を作ったあの奇怪な男の事を思い出す。


 「ぐわはははははははは」


 そう俺は決して暴力を使って大男と蛇の様な男を叩きのめしたのでは無い。

 俺は分かっていた攻撃という行為に移るだけで、スキル【一人ボケ】が発動する事を・・・そしてそれが相手が望む一番のお笑いポイントだという事を・・・何故なら以前戦ったスライムがそうであったからだ。


 お笑い・・・それは万物共通なのかも?しれない。




 そしてここからは俺が知らない話になる・・・・




 大笑いしている大男と蛇の様な男の後に近づき影がある。

 その影に気付いた蛇の様な男は


 「あ~」


 と影の方へ振り向く。


 大男はその影に気が付かずにまだ大笑いをしていたが、やがて蛇の様な男の顔面蒼白になっている事に気が付き、蛇の様な男が見る方向に目をやる。そこには・・・


 青筋を立てて大男の仲間の魔法使いの2人を片手に1人もう片手に1人を持ち上げる、まんべんな笑顔をしたサティが立っていた。


 「ねぇ、ねえさん」


 大男は力なくそう言葉をかけると


 「テメェ~らよくもやってくれましたね」


 とサティは優しい口調で大男と蛇の様な男に言葉を発する。


 それを聞いた蛇の様な男はその場に倒れ失い失禁、大男は正座して頭を下げ両手を地面に付けて。


 「ホントすいやせんでしたぁ~」


 と必死に許しを請うている。


 「すいませんで済んだら警備兵要りませんよね~?」


 と冷たく言葉をかけるサティ


 大男の下げる頭付近は汗で水溜りが出来ている。


 「さぁ~どう落し前と付けましょうかね?」


 と嬉しそうにサティは言う。



 その時


 「ちょっと待って下さい。」


 サティがこれから行うとする行為を止める声がする。


 「あ~」


 とサティは声がする方に睨み付ける様に振り向くとそこにはダンが居た。


 サティは笑顔に頭を戻し、顔を横に倒す。


 「ダンさん先ほどから彼らの行いを見てましたが、ダンさんが私がこれから行う事を止める理由は無いと思うのですが?・・・それともダンさんが私の今から行う行為のお手伝いを?・・・そうですよね、憎いですよね人の事バカにして、こういう人間はいない方がいいですもんね?さぁ~殺りましょうダンさんご一緒に」


 とサティはニコニコして2人の魔法使いを放り投げるとメイド服に忍ばせてあるナイフを取り出す。


 「ダンさんはどっち殺りますか?」


 サティは両手でナイフを持つと体を左右にゆっくり振った。


 「サティさんこれは俺が招いた結果でもあるんです、俺がこのドアを弁償しますのでどうか許してやってください。」


 ダンはそう言うと頭を地面につけて土下座してみせた。


 「と言われましてもねぇ~このままだと舐められますからねぇ~やっぱ殺っちゃうのが一番だと思いますぅ~」


 サティは楽しそうにしている。


 「それなら俺も同罪です。俺も殺してください。」


 ダンは目をつぶり土下座したままそう言葉を発した。決して無事で済むとは思っていないダンの体は震えている・・・


 「へぇ~そうですか・・・こんな奴らの為に命捨てるんですね?いいでしょう先にやってあげましょう」


 そういうとサティはダンのに近寄り手を伸ばし襟元を掴むとダンを持ち上げる。


 「目ぇ~開けて下さいね。じゃ~ないと私楽しめませんから・・・」


 その言葉を聞いてダンは目を開ける・・・その目は恐怖で引き攣っていた。


 「お願いです、彼らは見逃してやってください。」


 ダンは最後のお願いをする・・・体は恐怖で震えていたが・・・その目は力強いものであった。


 それを聞いたサティはダンをゆっくり離す。


 「やっぱり私は人を見る目は有るようです。大変失礼いたしました。」


 と深くお辞儀をしてニッコリ優しくダンに微笑んだ。


 ・

 ・

 ・

 ・

 ・


始まりの村近く平原


 全員の呼吸が整った所で女魔法使いが


 「ねぇ~これからどうするの?」


 と俺に問いかけた。


 「ああ、仲間を探す為にアイーダの酒場に戻るよ」


 と俺が問いに答えると。何故か女魔法使いと140cmの戦士と女武道家は俺と視線を逸らす。


 「ち、ちょっと、それは・・・・」


 モジモジと140cmの戦士は言うと・・・


 「死ぬかもよ」


 と女武道家は言葉を発する。


 俺の頭の中は???になっていた。


 「あのねぇ~・・・」


 と肩を狭くして両手の人差し指をツンツンさせながら俺との視線を逸らして女魔法使いはアイーダの酒場の扉を破壊して出てきた事を告白する。



 俺は両手を地面に付けて膝を落としていた・・・


 最初は何て事をしてくれたんだ!とも思ったが・・・彼女達は俺を助けようとやってくれた事だという事をすぐに理解して、何ともやりきれない気持ちをどう処理していいのか分からずにいた。


 しかし立派だと俺は思た。


 俺は手を支えに立ち上がる。


 この3人は何処をどう見ても見習い冒険者だ!その見習い冒険者がランク上の初心者冒険者に立ち向かったのだから・・・あの勇敢なダンでさえ囲まれれば足が震え身動き取れずに居たのだから・・・そう考えると俺は自然に言葉が出ていた。


 立ち上がった俺は3人の方を向いて。


 「すまない、そしてありがとう」


 と言葉を発すると深く頭を下げた。


 3人はキョトンとしている。


 そしてこんな俺の為にアイーダの酒場から睨まれる行動を取った、それはつまり今後アイーダの酒場とは関われない事を意味している。

 この3人もパーティーを探してた、そう仲間を探していたのだ!!それなのに・・・

 俺とアイーダの酒場を天秤にかけてこの3人は俺を取ってくれた、それは感情で左右された事だとしてだ!!


 そんな3人に俺がしてやれる事はこれしかない。そして・・・


 こんな無鉄砲で・・・


 こんな優しい・・・


 こんな仲間と・・・


 俺は旅がしたいと心から思った。


 下げていた頭を真直ぐに戻すと俺は


 「もし、良ければ俺を仲間に入れてくれないか?」


 と自然に言葉を発していた。



 俺は恥ずかしくて3人の顔が見れなかった。


 心から仲間になりたいと思う気持ちが恥ずかしかった、こんな気持ちにさせてくれた3人にこれからどう接していけばいいのか少し不安もあった、だがそれは絆と言う時間が解決してくれるだろうとか・・・


 そんなこっぱずかしい事ばかり考えていたのだが・・・


 しかし3人の反応があまりにも遅いので・・・


 俺は3人の顔に目をやると・・・



 明らかに嫌な顔をしていた!!



 まだ嫌な顔だけならいいが140cmの戦士は女魔法使いの後に隠れて怯えていたのだ!!!


 「す、すみません・・・なんか一人舞い上がっちゃったみたいで・・・」 


 俺は泣きそうな声でそういうと・・・


 「いいわ、テストしてあげる」


 と上から目線の女魔法使い。


 なるほど・・・確かに・・・俺は納得した。


 幾ら初心者冒険者を倒した実績があったとしても≪実際には笑わせただけなのだが≫それはあくまで対人戦闘、魔物との戦闘つまり命懸けの戦いで俺を見定めということなのだろうと俺は判断したのだが・・・


 予想外に・・・


 女魔法使いのテストとは・・・


 「3回周ってワンと言いなさい」


 ただの自分の忠誠心を誇示する為の行為だった・・・



 そんな女魔法使いを見かねたのか女武道家が


 「何言ってるのミリア、そんなテストあってたまるもんですか!!」


 少し怒り口調で女武道家が言う


 「リー・・・」


 女魔法使いは女武道家の言葉にシュンと小さくなっている。


 しかしもう大体分かっていた俺は期待していない、恐らく「靴を舐めろ」だとか「裸になれ」とかだろうと思っていたが・・・


 女武道家は何処に隠し持っていたのか分からないが、ナイフを俺の足元に放り投げると


 「自決しなさい」


 と一言言葉を発した・・・女武道家の考えは俺の一歩先を進んでいた・・・


 「・・・」


 言葉が出てこない俺、心にポッカリと大きな穴が空いたような気がする・・・


 そんな状況を打破するかの如く140cmの戦士が


 「そんな事よりどうするの?もう始まりの村戻れないよ」


 と今の状況を正確に喚起する。


 「ハッそうだったわねぇ~」


 と女魔法使いと女武道家は揃って口にして、揃って右手拳で顎を支える様に考え込む。


 「集合~」


 女魔法使いがそう言葉を発すると、女魔法使いと140cmの戦士と女武道家は円陣を組んで何やら相談している様だった。


 その状態が10分程続いた・・・勿論俺は蚊帳の外で時より「笑い声」や「やだぁ~」なる言葉が聞こえたはおもいっきり脱線していたのだろうと解釈した。


 その状況で俺は何も気にしてませんよ的な態度を勇ましく取っていたが、心は北国より冷え切っていた。


 そして話し合いが済んだのであろう。何故か最後は右手を重ねてエイエイオーとガッツポーズをしていたが、それも俺は気にしてませんよ的な態度で乗り切る。


 話し合いが終わって女魔法使いが俺の傍に駆け寄ると


 「テストしてあげる」


 とまた同じ言葉を発してテスト内容を提示してきた。


 女魔法使いの話によるとこの平原を2日程歩いた所に街が有るとの事で、その街のに着くまでパーティーを組んでそれまでの行いで仲間にするか?どうかを判断するらしい。


 まぁ~ていのいい用心棒って所だろうと俺は理解した、自分達だけでは不安なのだろう。


 先ほどの扱いから断わる事も出来たのだが、俺のせいで招いた結果だからなと余計な事は考えずにそのテストなるものを受ける事を承諾した。

読んで頂いてありがとうございます。

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