三十四話 ソカに頼みごと
アクセス数が物凄い勢いで増えていっているので、この話は投稿すべきか迷いました。しかし、かねてより考えていた内容であり、作者は書きたいことを書こうと思っているので投稿しようと思います。
今回、ド下ネタ回です。
苦手な方はお止め下さい。そして、こんな話しか書けない作者ですみません!!
今回の話を読まなかった人のため、次の話の前に、今回の話の簡単な流れを、この前書きスペースにて説明いたします。
また、沢山の方にお読み頂いており、とても嬉しく思っています。ブクマや評価もありがとうございます。これからの糧にしていきます。
ギルドに入ると、いきなりナイフが飛んできた。
ーーパシッ。
「ソカ!ちょうど良かった。君に頼みたいことがあったんだ!」
「え!?いつものお約束は?って近い、ちかい!!」
ソカを見つけて歩み寄ると、瞬時に距離をとられた。しまった……焦りすぎたか。しかし、彼女なら知り合いの冒険者は多いはずだ。彼女経由で魔血を使用してもらえば、純粋な感想が聞ける。
「実はさ……」
それから、ここで魔血を出すのは、流石にまずいと気づいた。
「ソカ。ちょっと……人目につかない所に行こう」
「はっ!?どーゆこと!?」
「君にやってほしい事があるんだが、ここでそれをやると、皆に勘違いされる可能性がある。だから、人目につかない場所に行きたいんだ」
ここで魔血なんか出したら違法取引と勘違いされかねないからな。
「あなた!私になにさせる気よ!?さっきも見境なく近寄ってきたし!?」
なんか、うろたえてないか?ソカらしくもない。
「だから、やってほしいことがあるんだよ。だが、ここで出してしまうとまずいんだよ」
「何を出すつもりよ!?」
「それは言えない。言ったら捕まる可能性がある」
「あなた!?捕まるようなものを出そうとしていたの?」
駄目だ、彼女は混乱している。まずは落ち着かせないと。
「ソカ、よく聞いてくれ。俺にとって頼れるのは君しかいないんだ。あまり時間もない。黙って言うことを聞いてくれないか?」
「嫌よ。なんか今のあなたおかしいわよ?」
俺はおかしいのか?……言い方がおかしかったのか?
「……俺が悪かった」
「そう……落ち着いた?で、私に何をさせたいのよ?」
なんと言えばいいだろうか?『魔血』の単語は絶対に言えない。……なにか良い言い回しは……そうか。
「取り出してすぐの、新鮮な飲み物を君に……」
ヒュン。ーーーパシッ。
「なぜこのタイミングでナイフを投げる?」
「変態!私に、人目のつかないところで何をさせて、何を飲ませる気なのよ!?」
いや、ソカに飲ませるんじゃなくて、他の冒険者に飲んで欲しいんだが。
「違うよ。手伝いをして欲しいだけなんだ。すぐに終わるさ。5分くらいだ」
「えぇ?5分もあれば十分なの?あなた早すぎない?」
魔血20本を渡すだけだぞ?……あぁ、説明もあったな。
「大丈夫。俺が優しく教えてやるから。そうすれば5分もかからない」
「あなた本当に最低ね。見損なったわ」
は?……なんでそうなるんだよ?だが、なりふり構っている時じゃないな。
「ソカがそう思うんなら、それでも良い。だけど、俺は譲れない」
「なに堂々と開き直ってるのよ!?」
「仕方ないだろ?これが俺の覚悟だ」
「うっ……なんで(魅惑)が効かない男に、私が迫られなきゃいけないのよ」
「うん?最後の方が聞こえなかったが……」
「分かったわよ。行けばいいんでしょ!?」
おお!やっと分かってくれたか。
「ありがとう。このお返しは必ずするよ」
「お返しされても嬉しくないわよ!」
何をそんなに怒ってるんだ?
俺とソカは、とりあえずギルドを出た。
「おい、今あいつソカを口説いて無かったか?」
「あぁ。しかもかなり大胆に口説いてたな」
「俺らでもあんな口説き方しねぇよ。しかも相手はあの『ギルド職員キラー』だぞ?」
「やべーな。あいつ。度胸が半端じゃない」
「俺……見に行こうかな?」
「止めとけ。アイツの部屋に石を投げて見つかった奴が言ってたぞ?一瞬で首もとにナイフを突きつけられたって」
「じゃあ……見たら、それが人生最後の光景かよ」
「……関わらない方が良い」
「……そうだな」
~~~~
「なんだ……そういうこと?」
「どういう事だと思ったんだ?」
「いや……その……別に気にしなくていいのよ」
そう言って笑うソカ。全く意味がわからん。
とりあえず、話は終わった。
「じゃあ、魔力切れ起こした連中にこれを飲ませて効果を確かめてもらえばいいのね?」
「あぁ。そういうことになる。でも、本当に良かったのか?俺の味方になるということは、依頼義務化を推進することになるんだぞ?」
「別に良いわ。だって私は依頼も適度にやっているもの。まぁ……ダンジョンに潜るのが面倒なだけなんだけどね?それに、闘技場にも出られるようになるんでしょ?」
「ソカは、闘技場に出たいのか?」
「え?そりゃあ……冒険者なんだし、自分の腕を試したいと思うのは当然じゃない?」
まぁ、そうだよな。俺だってそうだったのだ。
「分かった。だけど、あまり無茶はしないでくれ」
俺に言えるのはここまでだ。
「何よ……不意に真面目になるんだから……」
「なんだ?聞こえなかったが……」
「そんなこと、私がするわけないって言ったのよ」
そう言うと、彼女は走り去って行ってしまった。
そりゃそうか。なんたって、実力を隠すためにランク試験を降りたくらいだもんな?
俺はその後ろ姿を見送った。よし、後は闘技場に冒険者を参加させるための署名を集めるだけだな。
それから気づく。……しまった。今のうちにソカから署名を貰っておけば良かった。




