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図書室で。

自意識過剰な僕のこと

作者: 早狗間

息抜き、ということで書きました。最後まで読んでくれると、嬉しいです。

僕は、人の目が気になって仕方ない。

誰かがヒソヒソと耳打ちしている。会話の内容は、僕には聞こえない。そんな些細なことを、僕は気にしてしまうのだ。

僕のことを話しているのだと、思ってしまう。そんなことを思ってしまう僕は、とんでもない自意識過剰だと思う。

思えば昔から、ずっとそんなことを考えていた。小学生の頃から僕は人見知りで、人と関わることが苦手だった。中学生になってもそれは変わらず、クラスになんて馴染めたことが無かった。

そして高校生になった今、それは全く変わらない。休み時間は、もっぱら自分の席で読書する。周りで話している、クラスメイトの会話がうるさい。とまあそんな感じで、学校に来てから一言も言葉を発しない日だって、そう少なくはない。

こんな僕は狂っているだろうか。誰とも関わろうとせず、他人との関係を塞ぎ込んでいるこの姿を、人は皆、軽蔑するのだろうか。本当は、皆と話してみたいのに。




「きみ、いつも一人だよね。一人が好きなの?」

休み時間に僕がよく訪れる図書室で、見知らぬ女子生徒に話しかけられた。女子と話すことなんて、いつぶりだろうか。

「…別に」

僕は素っ気なく、答えてしまった。僕の前から離れていくと思った彼女は、離れようとせず、僕の目の前に座った。頬杖をつきながら。

「そうなんだ。じゃあ、私と話さない?前からきみと、話をしてみたかったんだ」

静かな図書室、その中で彼女は真っ直ぐ僕を捉える。彼女は、誰なんだろうか。

「…僕なんかで、いいんですか?」

自信の無い自意識過剰の僕がこう言った時、彼女は微かな笑みを浮かべた。

「きみがいいんだよ」

彼女にそう言われた時、僕はとても嬉しく思った。



あれから 彼女は僕より1つ先輩だということを知った。よく図書室で話すようになった。彼女も僕と同じような悩みを持っていて、すぐに打ち解けることができた。

彼女と出会って僕も、少しは変われた気がする。前よりは、人の目を気にしなくなったと思ったのは、やっぱり僕が自意識過剰だからだと思う。

自分が、ふと思ったことをテーマにして書きました。人の目ってどうしても気になるよなあ、っていうのがこの話を書こうと思ったきっかけです。最後まで読んでくださりありがとうございました!

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