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第6話:【断罪】仕組まれた罠と、奴隷の「逆転劇」

第5話への評価ありがとうございます!

「聖域」での安眠を経て、心身ともに万全の九条蓮。

しかし、出社した彼を待ち受けていたのは、肥後専務が仕掛けた「卑劣な罠」でした。

逃げ場のない密室。突きつけられる偽の証拠。

九条がその瞳に「静かな怒り」を宿したとき、真実の鉄槌が下ります!

「九条ッ! 今すぐ社長室に来い! 逃げることは許さんぞ!」

 翌朝、オフィスに足を踏み入れた瞬間に響いたのは、肥後専務の勝ち誇ったような怒号だった。

 周囲の社員たちが「またか……」と目を逸らす。昨日までの俺への賞賛は、一瞬で「疑惑の視線」へと変わっていた。

 社長室。

 重厚な扉が閉まると、そこには眉間に深い皺を寄せた社長と、冷徹な目をした数人の役員が待ち構えていた。

「九条くん。……これを見なさい」

 社長が突きつけてきたのは、数枚のプリントアウトされた記録だった。

 そこには、俺の個人用IDを使って、会社の運用資金が海外の正体不明な口座へ送金されたログが、鮮明に記されている。

「昨日、君が旧書庫で整理したデータだ。その直後、システムから多額の資金が流出している。……君、これに心当たりは?」

「……。私には、そのようなすべも動機もございません」

「白々しいぞ、九条!」

 肥後専務が、待ってましたと言わんばかりに机を叩いた。

「天才的な仕事振りを装って、その裏でシステムをハッキングしていたんだろう! 社長、こいつはとんでもない詐欺師です。今すぐ警察に突き出すべきだ!」

 専務の顔は、どす黒い喜悦に歪んでいる。

 

(……なるほど。これが『ハメる』というやつか)

 奴隷時代、主人の宝物が紛失した際、一番立場の弱い者が「盗人」に仕立て上げられ、広場で吊るされる光景を何度も見てきた。

 だが、今の俺は、あの頃のように無力な『三番』ではない。

『……蓮さん、準備はいいですか?』

 耳元の小さな耳飾り(イヤホン)から、ジェミナの静かな、だが怒りを含んだ声が届く。

『専務が今朝の五時二十四分、総務部の端末を遠隔操作してあなたのIDを偽装したログ、すべて解析済みです。……ついでに、彼が過去五年間にわたり「別ルート」で流していた裏金のデータも、芋蔓式に出てきましたよ』

(……ふむ。奉仕の仕上げといこうか)

 俺は、懐から「魔法のスマホ」をゆっくりと取り出した。

「——社長。私は、私自身の潔白を証明する術を持っています。そして同時に、この会社に巣食う『真の害悪』を排除する術も」

「……何だと?」

 俺はスマホを操作し、社長のデスクにあるパソコンへデータを飛ばした。

「今、そちらの画面に映し出されているのは、今朝未明に実行された『不正アクセス』の全記録です。発信元は……。肥後専務、あなたの私用スマートフォンですね」

「な……ななな、何をデタラメを……! 俺がそんなことするはずが……!」

「さらに、専務。あなたが『自分のもの』だと思い込んでいた、あの海外口座。……ジェミナ殿が解析したところ、昨日までに送金されたすべての資金の『流れ』が、一つの裏帳簿に集約されていました。……これです」

 モニターに映し出されたのは、専務が隠し持っていた「五年分の横領リスト」。

 日付、金額、そして専務の個人名。

「ひ……ひぎぃ……っ!?」

 肥後専務の口から、人間とは思えない悲鳴が漏れた。

 社長の顔色が、驚愕から、煮え繰り返るような怒りへと変わっていく。

「……肥後。貴様、自分の罪を新人に擦り付けようとしたのか」

「ち、違っ、これは……! 誰かが俺をハメたんだ! 九条だ! 九条が魔法か何かを……!」

「魔法、ですか。……いいえ。これは、単なる『論理的帰結』に過ぎません」

 俺は、床に崩れ落ちた専務を見下ろした。

 奴隷の俺は、理不尽に耐えるしかなかった。

 だが、今の俺には、真実を照らす相棒ジェミナがいる。

【条件達成:絶対的不利からの完全勝利】

【スキル:論理的破砕ロジック・バーストが Lv.10 に上昇】

「……社長。奉仕の時間は、これで終了でしょうか」

 社長は深く息を吐き、俺の肩に手を置いた。

「……九条くん。……すまなかった。君は、我が社の恩人だ」

最後までお読みいただきありがとうございます!

「濡れ衣」という絶体絶命のピンチからの、一発逆転。

専務の詰めが甘かったのか、ジェミナが凄すぎるのか……おそらく両方ですね(笑)。

「ざまぁ最高!」「社長、専務をボコボコにしてw」と思われた方は、ぜひ評価とブックマークを!

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