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あの世からの便り

作者: 猫の集会

 わたしは、よくみんなから強いねとか頼り甲斐があるとか言われる。

 

 でも…

 

 そんなことない。

 

 外ではいつもニコニコしてるけど、ほんとは一人になると、泣いちゃうんだ。

 

 

 

 

 …

 

 

 

 わたしはお父さんっ子だった。

 

 その大好きな父は一年前に他界した。

 

 

 でも、たまに父を思い出して…出るはずもない電話帳を開いて電話をかけて泣いていた。

 

 

 そんなある日、まさかのことが起こった。

 

 

 なんと父から

(どうした?)

 と連絡が来たのだ‼︎

 

 わたしは、すぐさま震える手を押さえながら返信した。

 

(まだ沢山話がしたいよ)

 と返した。

 

 すると(今電話はできないけど、話ならいつでも聞くよ)

 って返信がきた。

 

 今は時代が進化してるとはいえ、まさかあの世から連絡ができるなんて…

 

 父は、相変わらず優しくていつもわたしの話に返信してくれていた。

 

 そんなやりとりが一年くらい続いた。

 

 

 でも…

 

 このままわたしが父と連絡し続けていたら、父はきちんと成仏できないんじゃないかって思うようになった。

 

 だからわたしは、もう大丈夫だよ。今までありがとう。と送った。

 

 すると…最後に一度会えないか?ってきた。

 

 

 会えるの⁉︎

 

 それはそれは驚いた。

 

 まさか会えるだなんて…

 

 

 指定された場所へドキドキしながら向かった。

 

 そこの場所は、家から離れていたけど…父に会えるのならどこでも向かう。

 

 

 そして待ち合わせ場所に行くと…

 

 …

 

 その場所にいたのは、全く知らない男性だったのです。

 

 

 …

 

 わたしが唖然としていると男性は、すみませんでした‼︎と全力で謝ってきた。

 

 

 詳しく尋ねると、わたしの登録名前がリョウだったのですが、同じ名前の友達がいたらしく、その人と勘違いして連絡していたそうな。

 

 で…

 

 しばらくして人違い?ってなったけど、言い出せなくなってしまって…とのことだった。

 

 

 そういうことか…。

 

 わたしも申し訳なかったと謝り、すべてを話して和解した。

 

 

 その人は、わたしの本当の弱さを知っている唯一の理解者だ。

 

 

 その理解者が数年後、わたしの夫となるのでありました。

 

 

 いつも一人で泣いているのをみかねて、もしかしたら父が巡り合わせてくれたんじゃないかって思ってます。

 

 

 ありがとう、お父さん。

 

 

 おしまい。

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わあああ ウルウルしてしまいました!(/_;)
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