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いじっぱりな君にはやすらぎの鈴を。

ポケモンとトレーナーの絆は、時に言葉を超え、試練の中でこそ輝きを増す。この物語は、一匹の気難しいフシデと、諦めない少年の小さな冒険だ。道端で拾った日から始まった二人の関係は、衝突と誤解の連続だった。けれど、腰に揺れる小さな鈴が、知られざる過去と未来を繋ぐ鍵となる。森の奥で待ち受ける強敵オノノクスとの戦いを通じて、彼らは互いを理解し、真のパートナーへと成長していく。進化の光が照らす先に、二人が見つけたものは何か。鈴の音が響き合い、新たな挑戦へと踏み出す瞬間を、ぜひ見届けてほしい。ポケモンと人の絆を描いた、心温まる一篇をお届けします。


「いけフシデ! どくばり!」

俺の言葉を聞いたフシデはそっぽを向き、言うことを聞かない。


「なっ、どうして言うこときいてくれないんだ! クソっ!」

今日も特訓は台無しだ。フシデは昔からいじっぱりだった。俺が腰にぶら下げた小さな鈴が、苛立ちの中でカランと鳴った。この鈴、フシデを拾った時に一緒に落ちてたやつだ。なんの意味があるのか分からないけど、なんとなく捨てられなくて持ってる。


俺はため息をつきながら地面に座り込んだ。フシデはムスッと丸まってて、まるで俺を無視してるみたいだ。


「なぁ、フシデ。お前と俺、パートナーだろ? 一緒に強くなりたいだけなんだよ…」

どれだけ話しかけても、フシデは動かない。昔、道端で弱ってたところを拾った時、あの鈴を握り潰すみたいに持ってた姿が頭をよぎる。でも、今じゃ俺の言うことなんて全然聞いてくれない。


---


次の日、俺たちは森で特訓を再開した。目標は崖の上に巣食う野生のオノノクス。あいつを倒せれば、俺たちの絆も強くなるはずだ。


「フシデ! いけ、どくづき!」

やっぱりフシデは動かない。逆に、オノノクスがこっちに気づいて襲いかかってきた。鋭い爪が空気を切り裂き、俺はフシデを抱えて逃げ出した。


「うわっ、やばいって!」

逃げる途中で転んで、フシデが地面に落ちた。その時、腰の鈴が外れてコロンと転がった。オノノクスの「ドラゴンクロー」が迫る中、フシデがその鈴を見つけた瞬間、目が鋭くなった。


「フシデ、危ない!」

俺が叫ぶと、フシデが跳び上がって俺の前に立ちはだかり、どくづきでオノノクスを牽制した。


「お前…俺を守ってくれたのか?」

でも、フシデじゃオノノクスには敵わない。吹き飛ばされて木に叩きつけられ、動かなくなった。


「フシデ! しっかりしろ!」

俺が駆け寄ると、フシデの触角が鈴に触れた。そして、その体が光り始めた。


---


光が収まると、そこにいたのはホイーガだった。


「ホイーガ…お前、進化したのか!?」

ホイーガは俺を見て、鈴をそっと口で拾い上げた。それを俺に差し出すように渡してきた。


「この鈴…お前にとって大事なものだったんだな。」

俺が鈴を受け取ると、ホイーガはうなずくように首を振った。そして、オノノクスに向き直り、「メガホーン」を放った。一撃でオノノクスが倒れ、森が静まり返った。


戦いが終わって、俺はホイーガに近づいた。


「お前、あの時この鈴を握ってたよな。俺が拾った日からずっと、お前はこれを守ってたのかもな。ありがとう…これからは俺が大事に持ってるよ。」

ホイーガが初めて俺の頭にすり寄ってきた。鈴を握り潰すように持ってたあの日のフシデと、今のホイーガが繋がった瞬間だった。


「よし、次はお前と一緒にチャンピオンを目指すぞ、ホイーガ!」

ホイーガが力強く鳴き、鈴がカランと鳴り響いた。俺たちの新しい挑戦が始まった。

読んでくださってありがとうございます!初めて小説を書いてみたのですが、楽しんでいただけましたでしょうか?言葉の使い方がまだまだ未熟な部分もあるかと思いますが、最後までお読みくださった皆様には本当に感謝の気持ちでいっぱいです…ありがとうございます。さて、この物語のきっかけを少しお話しさせていただきたいのですが、私はXY世代で、正直なところイッシュ地方に対して特別な思い入れがあるわけではありません。それでも、XYのゲームの舞台であるカロスの6番道路で、私とフシデが出会った瞬間がすべてのはじまりでした。そう、あの劇的な出会いです…!長い道を歩いていると、突然草むらから黒い影が飛び出してきたのです。それがフシデでした。丸っこいフォルムに、虫っぽくて毒々しい色合いが漂うその姿、まさに一目惚れというものでした。すぐに「この子をゲットして旅の相棒にしたい!」と思ったその瞬間から、今に至るまでずっとフシデが私の推しポケでございます(笑)。

そんなわけで、フシデとの出会いがこの物語の原点となりました。お読みくださった皆様のおかげで、こうして想いを形にすることができました。気軽に楽しんでいただけたら嬉しいですし、またどこかで私が書いたものに出会う機会がありましたら、ぜひお手に取っていただければ幸いです。本当にありがとうございました!

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