表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/2

❷話 己

福本伸行すこ

..................................................................(もはや、音さえ聞こえない...これが死か。しかし、精神は残っているのか。)男の精神は、何度も闇の中に飲み込まれてゆくような感覚に襲われるも、ギリギリのところで耐え続け、こうして存在し続けている。

.................................................................................................

男の脳裏に疑問が駆け巡る。

(しかしなぜ、俺はなぜ視力を、目を失ってしまっていたんだ?)

(赤いウワサとは?)

.......................................................................................................

しかし男にとってそれはもうどうでもよかった。

(いや、いい。すべて、終わったんだ。第一、俺にわかるわけがない。わかったところで、どうにもならない.....俺は、終わったんだ......)

そして、次にわいた男の感情は、意外にも開放の喜びだった。

(俺は、俺という現象は、ついに解き放されたんだ....死にたくないという本能から....解き放たれたんだ...........残業からも)

(ほら、死ぬ直前俺はあんなに死にたくないって思ってたじゃないか。しかしそれも、本能の奴隷だったってことなんだな.....今は何ともない、俺を縛り付けるものも、過去すらも、今の俺には平等に無価値だ)

...................(過去、過去か.....俺の人生は、どうだったかな..よく、やれていたかな)........................(うまく思い出せない....まるで手で砂をすくっているように、記憶が俺からすり抜けてゆく.........)

そして男の精神は、今にも波にのまれようとしている。

(飲み込まれる、か。俺が、俺の意識までもが、完璧に......欲を言えば、もっと過去を思っていたかったが.....)

フフ

       まあ、こんなものだろう。

男の意識はそこで途絶えた。

........................................................................................................................................................................................................................................................................................................................................................................................................................................................................................................................

............................................................................................................................、、?

(おかしい、おれは消えたはずだ。なのになぜ、音が聞こえる?かすかに....これは、フクロウの鳴き声か?)男は耳を澄ませる。


『ゴロスケ....ホッホー....』


確かに聞こえる、フクロウの鳴き声だ。男は訳が分からなかった。(おかしい....俺にはまず、もう体がない。すなわち、もう何も感じることのできないはずだ。なのにおかしい.......しかもそもそもの話、俺は消えたのではなかったか。)男はただ困惑していた。


「起キテ....おきて...起きテよ.....」


別の声が聞こえる。

(なっなんだ、フクロウの声が聞こえたと思えば、今度は女の声...しかし、どこか聞き覚えが.......)


「起キテよ、今日は大切な日なのよ...あなたがね、これから生きていラレるための.....」

(な、なんなんだ一体。おれはさっきから、何に見舞われてるんだ?)

「ァ、ああ....そういうことね....しょうがなイわ....これじゃあ.....起きれないワヨね......死んでるんじゃァ 」

男は恐怖に襲われた。

(なんなんだよ...おれは死んで、消えたはずだ。もう意味が分からない.........起きる?生きていられるために、だと?)

「あげるよ.....目、これで、起きれるでしょ.....初めてじゃないもんね...できるよね.....」

男にはもう声すらもなかった。


..........................................................................................................................___________________________

男の意識に光が差し込む

(まっまぶしい....まさか、これが「起き」たのか...俺は)

「さア...いこうね...愛しいイとシイ、私の赤ちゃん......」


第二話とりあえず完

こっからきつくしてく

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ