一話 さえずり、哭き
二作目です。読んでくれる人がいたら、土下座でこたえたい。できれば感想を、、お願いします。(ぼろくそ言ってください)
カカァカアカア
梟がほほ笑む
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チチチチチ...鳥が鳴く。鳥の声はいかにも寝起きといった様子で、早朝に響いてゆく。
鳥の音を聞きながら、男はマンションの一室にて、朝を認識する。
(朝....朝か、けど、もう少し寝ていたいな....今日はせっかくの休みなんだ....)
男は騒々しい社会の歯車だった。男は地方の大学を経て、地元の食品メーカーにて勤務している独身。男はそれなりにまじめであり、それは職場でも定評の彼だった。しかしいつまでたっても昇進の芽は咲かず、三十代の時もいま過ぎようとしている。彼は不安だった。ことばにできぬ、えも知れぬ不安に、必死に耐えていた。
(鳥か...鳥はいいよな、残業なんて概念はないんだ...何事にもとらわれず、こうして朝みんなを起こしてまわる。気楽なもんだよほんと....俺は疲れてるんだ、このまま寝かしてもらうぞ....)
『ゴロスケ....ホッホー....』
(な、なんだこの鳴き声は、小鳥ではない。あれは、フクロウの鳴き声か。)奇怪だった。フクロウは夜行性のはずである。そして男は男なりの解釈に至った。
(...ハハ、フクロウのやつ、俺と一緒で疲れていたんだな...それをあの小鳥に邪魔されて、苛立ったんだろう...あれは、抗議の声かな?フフフ、そうに違いない...)
男は妙な嬉しさに包まれた。
(よし、俺も一緒に抗議してやりますかっと...)
うれしい感情を胸にまとわせ、男は目を明け、立ち上がろうとした。その時だった。
男は先ほどの温かい思いなどとうにわすれ、ただただ激しい悪寒に襲われた。
「..........................................あっ、あれ?なっ、なっ、なんだこれは,、どういうことだ.....あっあっあり得ない。こ、こ、こんな....こんなことがっ.........」
目、目が、世界が....み、視えない
「嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だっ」(俺の人生にこんなことが起こるわけがないっ)
「何で何で何で何で何で..............どうして...」
泣きたい..でも泣けない、目、があったところに手を伸ばす。なくなっている、切り抜かれている...。
「アああっああっ、う、うわあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ」
男はうずくまり、この不条理な現実に、哭いた。暗い早朝に男はただ絶望するばかりだった。
そのときだった。
『赤ーイ...ウワサ、知っテルの?』
声が聞こえた。
男はパニックから一気に冷静へと引き戻される。(な、なんだあの声は、聞いたことのない声だ...しかも、なんだって?「赤いウワサ」、だあ?なんだそれ...ま、まあいい、今すぐ助けてもらおう)
男は大声で、「すみません、いま、それどころじゃなくて、目が、目がなくなって、視えなくなってるんですっ お願いします、救急車を呼んでください!」と言った。
少し経ち、また声が聞こえる。
『赤ーイ...うわさ、成りたイの?』
男は怒った。「今、それどころじゃないって言ってるだろッッ 呼べよッ救急車!.... あ、か、い、う、わ、さ だあァ?どーでもっ、何でもいいわぁ! 早くしろオオオッ」
それは突然であった。
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(な、なんだ、と、突然... 声が出ない...声だけじゃない、体までも、感覚さえも、ない。精神しか..ない..)
................................(耳、耳だけはかろうじて、聞こえるか...)
『チチチチチ...』
『ピー...ピー...ピー...ピー....』
(途切れ途切れ、鳥の音、か。目覚めの音も眠りの音も一緒だってか?これが.....死...か.........)
(俺という現象が、消えてゆく....いったい何が起こったのかもわからぬまま.... いったい何だったんだ、赤いウワサとは、わが身の異変は....)
男の心は謎の静寂に包まれ、意識さへも消えゆくのを感じていく。感じるのはもはや音だけである。
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........ 『ゴロスケ....ホッホー.....』 .................................._____
一話
とりあえず完
いんゆめ要素はありません(台無し)
こっから異世界だったり、広げていくわ。