悪役令嬢が転生者だと気が付いた転生ヒロイン
私の名前はエリス、孤児院には良く居る経歴の持ち主です。
私には前世の記憶が有り、その記憶では乙女ゲームに熱中していた女子高生です。
8歳の時に父親だと名乗る貴族に連れていかれて男爵令嬢になりました。
新たに名字が付いてアグニス男爵令嬢のエリス、エリス・フォン・アグニスになりました。
それで気が付いたのですが私は乙女ゲームのヒロインだと気が付きました。
令嬢教育を受けながら孤児院時代を思い出しました。
よく孤児院に慰問に来ていた令嬢が悪役令嬢のカトリーナ・フォン・アルスイスだと気が付きました。
令嬢教育の合間に父が呼んで居る新聞を読んでみるとカトリーナ令嬢の活動が載っていてあからさまに前世の記憶が有り、私と違って前世の記憶を活用しているのに気が付きました。
そう言えばカトリーナは令嬢として孤児院に何度も慰問に訪れて居ました。
思い出して見れば7月7日に笹に願い事を書いた紙を結びつけるなどあからさまにヒロインが転生者かどうかを調べていたのでしょうが私は母親から諦められる程の粗忽者なので気が付きませんでした。
父親と兄上は学園で金持ちの令息と仲良くなる様に言う程の家です。
このまま教育を身に着けても学園では悪役令嬢がバッチリと対策した中では普通の学園生活も出来ないでしょう。
そして令嬢教育をバッチリと身に着けながら対策を考えたので後は実行するだけです。
7月7日に孤児院に慰問に来てから孤児達と短冊に願い事を書くと一緒に笹に結び付けました。
そしてカトリーナ様が孤児達と短冊を飾りに来るとこっそりと懺悔室に向かいました。
そして扉を開けてカトリーナ様が懺悔室に入って来ると土下座をして話し始めます。
「ヒロインでごめんなさい、攻略をする気は無いので逆ざまぁはお許し下さい」
「短冊に私しか読めない日本語で書いてあるから気が付いたけれど、それなら許しますので見た目が悪いので土下座は止めなさい」
私は頭を上げるとゆっくりと立ち上がりました。
するとカトリーナ様が話し掛けて来ます。
「やりたいなら第1王子達を攻略しても構わないわよ、私の婚約者じゃあ無いから」
「どういう事ですか」
「攻略対象者って、全員顔と声は良いけど性格に問題有りすぎて婚約者にならない様に行動したから第1王子の婚約者は別人だし私は惣領娘のままだから義弟も養子に来てないし、王太子は第2王子がなったから側近は出世の目処は全く無いけれどね」
その後は前世の話をして、二人共小説家になろうを読むのが趣味で、私の投稿小説をカトリーナ様が読んでいたのが分かるとカトリーナ様は私に専属メイドになって小説を書くのを仕事にしないかと誘われて承諾しました。
学園卒業後の目処が経って嬉しい限りです。