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家の外に出たら7mぐらいの魔方陣が目に映る。
「リリーって魔方陣いらないし楽じゃない?」
面倒を嫌うリリーにそう聞いたときに「それじゃあ行きましょう」と自慢げな表情で言ってきたララの顔が目に映る。
なんだかんだリリーも子の成長をうれしく思っているんだなと、ほんの少し口角が上がっているリリーの返答を待たずララのもとへ向かった、予想通り返答はなかったが。
ちなみにリリーは人族の中で唯一、制限はあるが寿命を克服した人間だ。
魔法という未知なる力に魅せられ、77歳という若さで人の渇望を満たした。
本人はそれがスタート地点と言っていたが要するに本物の天才だ。
そんなことを思っているとララが声をかけてくる。
「それじゃあ行きますね」
そういってララは魔力を込めていく、彼女から魔力が減っていくのがわかる。
転移門同様辺りがひかり、一瞬にして転移先へと向かう
♢♢♢♢
眼に映ったのは豪華な家具、大きな扉、それとこちらを見て大きく目を見開くメイドの姿
「リ、リリー様ようこそおいでくださいました、大変恐縮ではございますが今しばらくお待ちください」
突然現れた俺たちに驚いたがすぐに仕事モードに戻ったメイドは、緊張した顔で言い静かにドアを開けどこかに行った
「何ここ、宮殿かなにか?」
「まぁそんなところだとりあえず座っていろ」
俺は昔あった王族のことを思いながらため息を吐きながらリリーが指さしたテーブルへと向かう。
テーブルに座りララが入れてくれた茶を飲みながら俺は考える
ん~どうするべきか、国が変わったとはいえバカの血がつながっている奴に高圧的に出てルカの邪魔をさせないか、下手に出て印象をよくするか、すごい迷う,,,
そんな結論が出ないような葛藤をしてると大きな扉からノックする音とともに先ほどのメイドが現れた。
「失礼いたします、リリー様、お連れの方々準備が整いましたのでお連れしたいのですがよろしいでしょうか?」
「よろしく頼む」
リリーが慣れたように答え腰を上げた。
俺も席を立ちリリーのあとに続いた、ララは俺の後ろだ。
とても広い廊下を1分ほど歩き扉の前でメイドが止まり入室の許可をもらっている。
「入ってよいぞ」
中に入るとそこはあまり豪華とは思わない部屋で、本棚が4つほどあり俺の目の前にソファーとテーブルがある。
その奥に机があり50代ぐらいの青い瞳の金髪でひげを生やした男性が座っている、彼の左後ろに護衛だろう鎧姿の爽やかな顔の青年が立っている。
「リリー様、ようこそおいでくださいました。ささとりあえずそちらにお座りください。」
男性は机の前に出てそうリリーを迎え
座ってすぐにお茶が運ばれ、男性がメイドに退室を促した。
「お久しぶりですリリー様。そしてもう少し城の方にお顔をお見せになってください。リリー様の事を知らない新参貴族たちが「悠久の魔女はほんとにいるのか?」と噂して改革派がそれを煽り大変なんですよ」
「知らんわそんなもん」
「それはさて置きそちらの方は?」
話の途中ちらちらと俺をみていた視線を止めてリリーに紹介を頼んだ。
「こいつはシンラただの腐れ縁だ、こっちはこの国の王アルベルトだ」
リリーは面倒くさそうに左に座っている俺を親指で差し、次いで顎で国王を紹介した。
やっぱり王様だったようだ。
先ほど挨拶の仕方で悩んでいたのがウソみたいに
癖、性格なのだろうフレンドリーに手を出しながら俺はあいさつする。
「シンラです、よろしくお願いします。」
「無礼だぞ!」
「,,,どっちが無礼だ」
国王の一歩後ろで控えていた青年が剣に手をかけて怒鳴ってきた
最後のリリーが言った言葉は小さくて青年には聞こえていないようだ。
「下がれカイル。。私はポーグラン王国国王、リッツハルト・ポーグラン・アルベルトですよろしくお願いします、シンラ殿」
声をかけられた青年は渋々と後ろに控え、国王は自己紹介をし手を出し俺とてを交わした。
「それでリリー様はどの様な御用でこちらにいらしたのですか?」
「あぁ、酒をもらいに来た」
「リリー様お酒を嗜まれるんですか!」
「私じゃない!こいつが欲しいんだと」
酒を飲むと思われたくなかあったのか少し声を上げ説明しろと言わんばかりに視線を俺に向けるリリー
「友人に会いに行くんですが手土産が無くてリリーに頼んだんですよ、俺知り合い少なくて頼む人がいなくて、もちろん代金はお支払いしますよ、現金は持っていないんでこちらでどうですか?」
俺はそう言って収納空間からソフトボールほどの青い魔石を出した。
「こ、これは魔石ですか?とても大きいですが」
「そうです流石に初めて会う方にタダで自分が欲しいものをもらうわけにはいきませんので」
「ですがこれでは貰いすぎなのでは,,,」
国王と護衛の人が驚いた顔をして困惑している。
そんなに珍しいものじゃないと思うんだけど、そんなことを思っているとリリーが提案をしてきた。
「それならそれは私が貰う、アルベルトの方には私の方から金を渡しておく二人ともそれでいいだろう?この大きさの水の魔石は滅多に手に入らないから」
リリーはすでに研究のために家に帰りたそうにしている。
「俺はそれでいいけど、アルベルトさんは?」
「私の方もそれで構いませんが、お酒の方はどの様なものを用意すればいいですか?」
「特に好みもあるわけじゃないので適当にお願いします」
「わかりました」
そんなこんなで話が終わったときリリーがテーブル上の魔石と交換するように硬貨を出した。
「こんなもんで足りるだろ」
出てきたのはキラキラ光る10枚の金貨だった
「これですと結構な量になりますが大丈夫ですか?」
「大丈夫です収納魔法ありますから」
「ではそのように。カイル」
目くばせしたカイル青年がベルでメイドを呼び説明をしている
「それじゃあ私は帰るぞ、ララ行くぞ」
そんなに早く帰りたいのかと思いつつ俺はリリーにお礼を言う
「ありがとうなリリーまた家に行くよ」
「来なくていい」
「その時はルカもつれていくからさ」
「,,,勝手にしろ」
「シンラさんまたいつでも遊びに来てくださいね。アルベルトさん、それでは失礼します」
ぶっきらぼうなリリーに対し絵顔で部屋を出ていくララ。
一人になった俺はどうすればいいのかわからいので訪ねてみた。
「それじゃあ俺はどうしたらいいですか?」
「1時間ほどいただければ別室に用意させます」
「それじゃあ城を見学させてもらいたいんですけどいいですか?」
「,,,わかりました、案内を付けます。それと一つ伺っていいですか、リリー様は腐れ縁とおっしゃいましたが昔からのお知り合いで?」
「そうですよ、あったのは久しぶりですが昔はよく一緒にいましたよ」
「そうですかそれならよかったです、ではすぐに人を呼びますね。カイル、ローリエを呼んでくれ」
しばらくして一人のメイドが入室してきた。
「陛下、お待たせして申し訳ございません」
そういって入ってきたメイドは綺麗に一礼した
「よい。ローリエにはそちらのシンラ殿に城の案内を頼む」
「わかりました。シンラ様私はメイド長のローリエと申します」
こちらに近づき挨拶をしてきたローリエを見る、
20代の黒髪で丸い眼鏡をかけた女性だ。
「こちらこそよろしくお願いします。アルベルトさんありがとうございました、何か困ったことがあればお手伝いしますよ。また機会があればお邪魔させていただきますね」
俺は席を立ちアルベルトさんに挨拶しローリエと部屋を出た。
♢♢♢♢
シンラが出た執務室にて
「カイル、護衛してるのはわかるが人と状況を見てくれ、肝が冷えたぞ,,,」
私は先ほどカイルがシンラ殿に食って掛かたことを思い出しながら言った。
「ですが陛下、正体も知れぬ者と手を交わすなど,,,」
「はぁお前リリー様が連れてきたシンラ殿がただの人に見えたのか?」
「い、いえ」
しかもとても小さい声だったがリリー様は「どっちが無礼ものだ」と仰った
リリー様がそんなこと言うはずないと思い少し戸惑ったが,,,はぁ頭が痛いことだ。おまけにあの容姿、整った顔立ちに、後ろの窓から差す光に反射してキラキラと七色に光るあの髪は神々しく感じたものだ。
「お前にはカーラを頼んでいるんだ、剣だけではなく周りを見ることを学べ」
「私の不徳の致すところでした、さらに精進するようにいたします。申し訳ありませんでした陛下」
「まぁわかればよい、それよりカーラとはどうなんだ?」
「陛下っ そ、それは,,,」
少し疲れた私はもうしばらくで息子になる彼と少し話をする。
数時間後さらに疲れることをローリエが持ってくることを彼はまだ知らない。




