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マリーちゃんに言われて私は、この広い作業場の四角い石が敷き詰められている床にレオガロンを出す。
「おいおい!これレオガロンか!」
「そうよ、しかもこれ1人で討伐したみたいよ。昨日言ってた「オレより強いかもな」って冗談ほんとだったみたいねウフフ」
「ってこれ透化する前に倒してないか?!ほらマリー、トサカ赤くなってないし毛の付け根も黒くなってない!」
「ほんとだわ!ルカちゃん!これ使わなかった素材売ってちょうだい!」
マリーちゃんが膝立ちで私の肩を持ちながら言ってきた。
膝立ちしても私の頭より上にある顔を見てみると目を見開いてる、正直ちょっと怖い、、、
「い、いいですよ、、、」
その後抱きつかれた時肩のトゲトゲが目の前にあり更に怖くなったけど、耳をたたみ尻尾を足の間から前に回し抱いてるネシーを可愛く思いなんとか恐怖を拭った。
他の子達は「すげえ、これ俺たちも倒したいな!」「流石に無理だよ、、、」
みたいな反応だった。
ちなみにレオガロンの透化はその名の通り透明になる能力で、頭の黄色いトサカが赤くなった時に透化する。
まぁ私は魔力探知があるからそんな困らないけど、正確に魔力探知出来ないと捉えるのに難しいから倒しづらいのは確かだと思う。
でも透化しないで倒すと素材の価値が上がるのかな?
マリーちゃんの様子だとそうっぽいし、知らなかった。
レオガロンと数回戦ったけど透化したのは一回だけだった、何か理由があるのかもしれない。
それから少しマリーさんと話してて、買取は防具を作り終わってからしてもらう事にした。
相場とかわからないし丸投げした。
あと魔石だけは売らない事にした、今後魔道具とか作る時に必要と感じたから、面白い魔道具私も作ってみたいし。
話が終わった後は3人を連れてエントランスの方に戻りギルドにある食事を出してくれる場所で昼食を取り私は領主の館、3人は昨日の続きで訓練だからここで別れることにする。
3人には武器を持って訓練場の壁際をいっぱい走っててって言ってある。武器はまだ木製のまま、装備ができた時に一緒に渡そうと思ってる。
こんな子供にそんな訓練させていいのかって思うけど、この世界だと強くなるなら早ければ早い方がいいみたいな風潮があるみたいだ、命が軽い世の中だとしょうがないかもしれない。私も3人にも死んでほしくないから、適宜に厳しくしてくつもりだ。
「じゃあ疲れたら休んでいいから無理はしないようにね、後なんか絡まれたら職員の人にすぐ言えばいいから、頑張ってね」
私がみんなにそう言った時マリーちゃんが戻ってきて、「採寸がてらアタシが面倒見といてあげるから」と提案してくれたので安心して行ける。
ギルドを出てしばらく歩き領主の館に向かう。
門に着くとそこにはロイドさんがいた。
「おう来たかルカ、早速だがリハイムのところに案内するぞ」
「すいません待ってましたか?時間言ってなかったんで午後でいいかなって思って」
「いやいいんだ、たまには俺もゆっくりしたいからな」
そんなやりとりをして私はロイドさんの後について行く。
案内されたのは執務室で入ると領主が書類と睨めっこしていた。
「、、、来たか。まぁ座れ」
座ると同時にメイドさんがお茶を出してくれた。
やっぱり本物のメイドさんは凄い!そんなことを思っていると領主が話を切り出してきた。
「お前さん昨日はサーニャと戦ってギルドの訓練場破壊したみたいじゃないか。随分と噂になっているみたいだぞ、凄い新人がいるってな。」
そんなことないなっていたんだ、、、驚きだ。でもそんなに喋りかけられたりとかしてないけどな?
「いや壊したのはギルマスですよ。、、、まぁ私も少しは楽しんでたかもしれないですけど、、、それよりギルマスのあの技なんなんですか!花が咲いて蝶が出てきたと思ったら鴉が突撃してくるやつ!あれ絶対あそこで使う技じゃないですよ!」
「「はぁぁ、あいつはバカか、、、」」
面白い事に2人揃ってそんなことを言った。
幸いここには私達3人しかいないのでギルドのトップの悪口は誰も聞いてない。
「人の手の内明かすのはよくないがまぁいいか、あれはな血を使って攻撃する手段で見た通り花に群がる蝶を葬る様に鴉が爆散する、、、よく無事だったな?」
「多分怪我してないから?確かそんなこと言ってたような?」
「そう言うことか、だから使ったのか。あれの本来の使い方はあの槍で相手を傷つける事にある。傷口から花が咲き爆発、、、とんでもない技だ。冒険者やってた時は『赤の供花』となんとも物騒な二つ名がついてたものだ」
、、、あの花が体から咲いて蝶に群がられ爆散、、、とんでもない技向けられたな、、、
「この話はこの辺で本題と行こうか」
そう言って領主様が今回の護衛依頼のことについて話し始めた。
内容は、出発が2日後に決まった事。
それと襲撃の可能性が高まった事。
主にこの2つだ。
一つ目の出発が2日後に決まったのはグロチ伯爵夫人がもう我慢できなくなりそうで今にも暴れ出しそうだからみたいだ。
まったく、、、まだルーミアの方が拐われた直後で疲れているのに我慢してて偉いのに、、、
それで二つ目は、
リジェスグロット魔族領から怪しい奴が5人ほどそちらに向かった、と領王派閥の貴族を張っていた者から連絡が来たみたいだ。
これは明らか何か動くだろうと領主は見てるみたいだ。
もしかしたら人攫いの件が失敗して挽回のため寄越し、ロイドがいない帰りを狙っているのかわからんが、、、と言っていた。
「どうする?今から人増やすか?サーニャとやり合っていた奴がそう簡単にやられるとは思わないが」
「ん〜まぁ大丈夫なんじゃないですかな?それに1人の方がやりやすいですし」
「そうか、とりあえず注意しといてくれ。娘より小さい子を任務に就かせたのがバレたら怒られそうだ。」
誰に?とは思ったけど聞く前に次の話に移ってしまった。
「それでなんだが、俺も安心して任せたいから実力を見せてくれ」
「?どうやって?」
「それはもちろん、、、コイツとやってもらう」
ニカッと笑いながら後ろを親指で刺しながらそう言った。
「おい!リハイムきいてないぞ!」
「当たり前だろ。言ってないんだから。それに最近怠けてきたんじゃないか?そんなんじゃ新人冒険者にも負けちまうぞ?」
「はぁ〜わかったよ、、、悪いなルカつき合わせてしまって」
「?付き合わす?私の実力を見るためなんじゃ?」
「いやこう言ってるが半分以上は俺がしばらく強い奴と戦ってないからコイツなりに気を遣ってくれたんだよ、、、」
「そうなんですね、まぁ私も戦ってみたいし全然いいですよ」
領主様をコイツとは仲の良さが伺える。
とまぁギルマスに続いて次はロイドさんか、、、魔物相手もいいけどやっぱり対人戦はワクワクするね。




